都を離れ、里を受け継ぐ|京都・大原に生きる人々の物語【小さな旅】

大原の夜 BLOG
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京都市街地から少し離れた山あいに、大原という静かな里があります。四季折々の田畑が広がり、山々に抱かれたこの土地は、古くから都の喧騒を離れた人々が暮らしてきた場所として知られています。

平家滅亡後、建礼門院が余生を過ごしたと伝わる寂光院や、名物のしば漬けなど、大原には長い歴史の中で育まれてきた文化が今も息づいています。

今回の『小さな旅』は、そんな大原で暮らし、里の営みを未来へ受け継ぐ人々を訪ねます。四代続く漬物店で伝統の味を守る親子。美しい風景に魅せられ、大阪から移り住んだ農家。

それぞれ歩んできた道は違っても、その心には「この里を次の世代へつないでいきたい」という共通の願いがありました。この記事では、京都・大原に息づく歴史や暮らし、そして人から人へ受け継がれる里の物語をご紹介します。

【放送日:2026年7月26日(日)8:00 -8:25・NHK-総合】
【放送日:2026年7月31日(金)11:05 -11:30・NHK-総合】
【放送日:2026年8月1日(土)6:05 -6:30・NHK-BSP4K】

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大原とは?~都を離れた人々が暮らした山里~

京都市街地のにぎわいから北へ少し足を延ばすと、山々に囲まれた静かな里・大原があります。田畑が広がり、四季折々の草花が風に揺れるこの土地では、ゆっくりとした時間が流れています。夏には赤じそが畑を鮮やかな赤紫色に染め、昔から変わらない里山の風景が訪れる人をやさしく迎えてくれます。

大原は、古くから都を離れた人々が静かに暮らしてきた場所として知られています。壇ノ浦で平家が滅亡した後、平清盛の娘・建礼門院が寂光院で余生を過ごしたという歴史も、その一つです。

華やかな都を離れたその暮らしは決して平坦なものではなかったでしょう。それでも大原の人々は、この山里で暮らす人を温かく受け入れ、日々の営みをともに重ねてきました。

そのやさしさは、今もこの土地に息づいています。それは美しい景色だけではありません。山を切り開き、田畑を耕し、季節の恵みを大切に育てながら、次の世代へ暮らしをつないできた人々の時間が、この里の風景そのものになっているのです。

だからでしょうか。大原を歩いていると、どこか心が落ち着きます。この里には、昔も今も、訪れる人を静かに受け入れてくれる空気が流れているのかもしれません。

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大原の味を受け継ぐ~四代続くしば漬けの里~

夏の大原では、畑一面に育った赤じそが鮮やかな赤紫色に染まり、里の風景を彩ります。この赤じそは、大原を代表する味「しば漬け」に欠かせない大切な恵みです。

番組では、四代続く漬物店を営む親子が登場します。受け継いでいるのは、しば漬けの作り方だけではありません。季節を見つめ、畑を耕し、自然と向き合いながら暮らしてきた大原の時間そのものを、親から子へ手渡しているのです。

しば漬けの由来には、平家滅亡後に大原・寂光院で暮らした建礼門院へ、里人が元気を出してもらおうと、華やかだった赤じそと夏野菜の漬物を献上したという伝承が残されています。その美しい紫色を見た建礼門院が「紫葉漬(しばづけ)」と名付けたと語り継がれています。

史実か伝承かを超えて、この物語が今も大切にされているのは、一椀の漬物に「誰かを思う気持ち」が込められているからなのでしょう。だからこそ、大原のしば漬けには、どこかやさしい味わいがあります。

それは調味料だけでは生まれません。季節の移ろいを待つ時間。家族で受け継いできた手仕事。そして、里に流れるたおやかな時間。そうした一つひとつが重なり合って、大原ならではの味が今日まで育まれてきたのです。

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美しい風景に魅せられて~移住者が見つけた新しい故郷~

大原の朝市で出会ったのは、大阪で会社員として働いたあと、この里へ移り住んだという農家です。移住を決めた理由は、便利さではありませんでした。

山々に囲まれた田畑の風景。季節ごとに表情を変える自然。そして、この土地に流れる穏やかな時間。その一つひとつに心を動かされ、「ここで暮らしたい」と思ったのです。

農作業を続ける中で感じるのは、美しい景色だけではありません。今、目の前に広がる田畑は、昔の人たちが山を切り開き、石を運び、水を引き、少しずつ築き上げてきた暮らしの積み重ねです。その歴史を知るほどに、この風景は単なる景色ではなく、多くの人々の営みそのものに見えてきます。

大原は、昔から都を離れた人を静かに受け入れてきた里でした。そして今もまた、新しくこの土地で生きようとする人を、変わらぬやさしさで迎え入れています。

故郷とは、生まれた場所だけではないのかもしれません。心から「ここで暮らしたい」と思える場所もまた、人にとって大切な故郷になっていくのでしょう。

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山を耕し、里を守る~受け継がれる暮らし~

大原の美しい風景は、自然がつくり上げたものだけではありません。山の斜面を少しずつ切り開き、石を積み、水路を整え、田畑を育ててきた人々の営みが、この里の景色を形づくってきました。今では当たり前のように広がる田園風景も、長い年月をかけて受け継がれてきた暮らしの積み重ねなのです。

番組に登場した農家が、「この景色を見ると歴史の重みを感じる」と語った言葉には、そんな大原への敬意が込められていました。

畑に立てば、季節の風を感じます。山を見上げれば、先人たちが守り続けてきた自然があります。そして、その景色の向こうには、何世代にもわたってこの土地で暮らしを紡いできた人々の姿が重なります。

里を守るということは、特別なことではありません。畑を耕し、作物を育て、季節の恵みに感謝しながら暮らす。その何気ない日々を繰り返すことが、いつしか里の風景を未来へ受け継ぐ力になっていくのでしょう。

だから大原には、不思議な安心感があります。歴史を誇るためではなく、毎日の暮らしを大切に積み重ねてきた人たちがいる。その静かな営みが、この山里のやさしさを育ててきたのです。

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都を離れ、里を受け継ぐ~京都・大原に生きる人々~

京都・大原には、都を離れて静かに暮らした人々の歴史があります。建礼門院がこの里で余生を送り、里人の思いやりから生まれたと伝わるしば漬けの物語は、今も大原の文化として語り継がれています。そして現代でも、この里では新しい物語が生まれています。

四代にわたり伝統の味を守る親子。美しい風景に魅せられ、新たな故郷としてこの地を選んだ移住者。それぞれ歩んできた人生は違っても、誰もが大原の自然や暮らしを大切に思い、その魅力を次の世代へ受け継ごうとしています。

里を受け継ぐということは、昔のまま残すことではありません。変わるものを受け入れながらも、この土地らしさを失わずに暮らし続けることなのでしょう。だから大原には、どこか心が安らぐ空気があります。

人を急かさず、飾らず、ありのままを受け入れてくれる。そのやさしさは、都を離れた人を包み込んだ昔と変わることなく、今を生きる人々の暮らしの中にも静かに息づいています。

忙しく変わり続ける時代だからこそ、こうした里の時間は、私たちに「大切なものは何か」をそっと問いかけてくれているのかもしれません。

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