長良川が育む“清流の女王”|アユへの愛が生んだ美食物語【食彩の王国】

長良川の簗漁 BLOG
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岐阜県を流れる長良川は、日本三大清流の一つとして知られています。その清らかな流れが育むのが、「清流の女王」と呼ばれるアユです。爽やかな香りと上品な旨みを持つアユは、夏の訪れを告げる味覚として、多くの人に親しまれてきました。今回の『食彩の王国』は、そんな長良川のアユをめぐる物語です。

釣り人が大切に受け継いできた友釣りの文化。養殖場が磨き続ける技術。地元に伝わる発酵食「うるか」。そして、その魅力に魅せられた料理人たちが生み出す新しい一皿。

そこに共通していたのは、「もっとアユのおいしさを伝えたい」という、人それぞれの深い愛情でした。この記事では、長良川が育むアユの魅力と、その一尾に情熱を注ぐ人々が紡ぐ食文化の物語をご紹介します。

【放送日:2026年7月25日(土)9:30 -9:55・テレビ朝日】

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『長良川のアユ』とは?~清流が育む“清流の女王”~

岐阜県を流れる長良川は、日本三大清流の一つに数えられ、豊かな自然と美しい水辺の風景を今も残しています。その清らかな流れの中で育つのが、「清流の女王」と呼ばれるアユです。

アユは「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれ、スイカやキュウリにも例えられる爽やかな香りと、上品で繊細な旨みが大きな魅力です。塩焼きにすると、皮の香ばしさと身のやわらかさ、そしてワタのほろ苦さが重なり合い、夏ならではの味覚として多くの人に親しまれています。

長良川では、1300年以上の歴史を持つ鵜飼が今も受け継がれています。古くから人々はアユとともに暮らし、その恵みをいただきながら、独自の漁法や食文化を育んできました。

実はアユは、一生を川だけで過ごす魚ではありません。秋に川で生まれた稚魚は海へ下り、冬の間を沿岸で過ごします。そして春になると再び川をさかのぼり、清流のコケを食べながら成長していくのです。

海と川、二つの自然に育まれるからこそ、長良川のアユは豊かな香りと味わいをまとい、「清流の女王」と呼ばれる存在になったのかもしれません。

そんな一尾のアユに魅せられ、釣る人、育てる人、料理する人、それぞれが情熱を注いでいます。今回の『食彩の王国』は、長良川の恵みとともに受け継がれてきたアユ文化、そしてその魅力を未来へつなごうとする人々の物語です。

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アユを知り尽くした釣り人たち~友釣りと“おとりアユ”の知恵~

長良川で受け継がれてきたアユ釣りの代表的な漁法が、「友釣り」です。友釣りは、餌で魚を誘う釣りではありません。縄張りを大切にするアユの習性を生かし、生きた「おとりアユ」を泳がせることで、縄張りを守ろうと近づいてきた野生のアユを釣り上げます。そのため、おとりアユは釣り人にとって欠かせない相棒です。

元気よく泳ぎ続けてこそ役目を果たすため、川沿いのおとりアユ店では、その日の釣りに合わせて活きのよいアユが大切に販売されています。長年受け継がれてきた友釣りは、力任せではなく、アユの生態を深く理解して生まれた知恵でもあります。

そんな友釣りを長年楽しんできた一人が、群馬県高崎市で創作料理店「ファン・ダルクオーレ」を営む星野弘明シェフです。アユ釣り歴は24年。毎年この季節を心待ちにし、自ら川へ向かいます。……ところが今回、星野シェフが向かったのは釣り場ではありませんでした。

まず訪れたのは、おとりアユを扱う店。釣り人なら、そのまま川へ向かうところですが、シェフは生き生きと泳ぐアユを見つめながら、こう考えます。
「この新鮮なアユを、もっとおいしく料理できないだろうか。」
釣り人としての目と、料理人としての目。その二つを持つ星野シェフだからこそ始まる、新しいアユの旅がここから始まります。

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アユをもっとおいしく~受け継がれる食文化とうるか~

長良川では、アユを一尾まるごと味わい尽くす食文化が受け継がれてきました。塩焼きや甘露煮だけではありません。骨も、ワタも、それぞれのおいしさを生かしながら、新しい料理へと姿を変えていきます。

郡上市にあるアユ料理専門店「天然鮎みやちか」では、これまで100種類以上ものアユ料理を生み出してきました。今年挑戦した新作は、ホクホクとした食感が楽しいアユコロッケ。その味の決め手になっているのが、長良川に古くから伝わる発酵食品「うるか」です。

うるかは、アユのワタを塩漬けにしてじっくり熟成させた伝統の保存食。そのまま味わえば、独特の苦味や深い旨みが広がる、大人好みの珍味として知られています。

ところが、「みやちか」では、そのうるかを特製ソースの隠し味として生かしました。コロッケのやさしい甘みの奥から、ほんのりと広がる熟成の旨み。

主役を引き立てながら、料理全体に奥行きを与える味わいに、星野シェフも思わず驚きます。伝統をそのまま守るだけではなく、新しい料理へ生かしていく。そんな柔軟な発想もまた、長良川のアユ文化が今も多くの人を魅了し続ける理由なのかもしれません。

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アユに魅せられたシェフ~伝統と西洋料理の出会い~

「もっと若い世代にもアユのおいしさを知ってほしい。」そんな思いから、「天然鮎みやちか」の皆さんは、新しい西洋料理づくりという課題に挑みます。力を貸したのは、アユ釣り歴24年の星野弘明シェフ。

料理人である前に、一人のアユ好きとして長良川を訪れた星野シェフは、養殖場を訪ね、地元の料理人と語り合い、長年受け継がれてきた食文化に触れていきます。その中で出会ったのが、地元の食材と秘伝の「黄金うるか」。伝統の味を大切にしながらも、新しい料理へとつなげるヒントが少しずつ形になっていきます。

そして完成した一皿は、西洋料理の技法を取り入れながらも、主役はあくまで長良川のアユ。試食した「みやちか」の皆さんが思わず涙ぐんだのは、そのおいしさだけではなかったのかもしれません。

「未来に続くアユの新作料理」(出典:テレビ朝日)
「未来に続くアユの新作料理」(出典:テレビ朝日)

長年愛し続けてきたアユが、新しい世代へ受け継がれていく――。そんな未来への希望が、一皿の料理に込められていたのでしょう。

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長良川が育む未来~アユへの愛が生んだ美食物語~

長良川のアユを支えているのは、ただ夏を彩る味覚や清らかな水だけではありません。

川を守る人がいます。アユを育てる人がいます。友釣りの文化を受け継ぐ人がいます。伝統の味を守りながら、新しい料理へ挑戦する人がいます。それぞれ歩んできた道は違っても、心の中には同じ願いがあります。

「長良川のアユを、もっと多くの人に知ってほしい。」

その思いが重なり合うことで、一尾のアユは、ただの食材ではなく、この土地の文化そのものになってきました。その一人ひとりの思いが受け継がれてきたからこそ、「清流の女王」は今も多くの人を魅了し続けています。

1300年以上受け継がれてきた鵜飼の歴史も、友釣りの知恵も、発酵食品「うるか」の奥深い味わいも、新しい料理へ挑戦する料理人たちの情熱も、すべては長良川という一本の川から生まれています。

自然の恵みは、人の手によって文化となり、その文化はまた新しい世代へ受け継がれていく。そんな営みが今も静かに続いています。一尾のアユに注がれた愛情は、これからも長良川の流れとともに未来へ受け継がれていくのでしょう。

【調和と融合がテーマの創作料理】FAN × DALCUORE(ファン・ダルクオーレ)

【地域に伝わる伝統食から創作料理まで幅広く楽しめるアユ料理専門店】天然鮎料理ヤナ場 みやちか

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