日本のカレーはこうして育った|老舗名店が受け継ぐ伝統と新作の物語【食彩の王国】

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今や日本の国民食ともいわれる「カレー」。家庭の定番メニューとして親しまれ、専門店やレトルト商品まで数え切れないほどの種類が並ぶ身近な料理ですが、その味は長い年月をかけて日本で独自の進化を遂げてきました。

今回の『食彩の王国』では、文明開化の時代から受け継がれる老舗の伝統カレーや、そば店ならではのカレー南蛮、そして名店4代目が挑む新作夏カレーまでをご紹介。時代を超えて愛され続ける一皿に込められた、職人たちの工夫と挑戦に迫ります。

【放送日:2026年8月1日(土)9:30 -9:55・テレビ朝日】

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イギリスを経て日本へ――国民食・カレーの始まり

今や日本の国民食として親しまれているカレー。そのルーツをたどると、実はインドからイギリスを経て日本へと渡ってきた、長い旅の歴史がありました。

19世紀、インドを統治していたイギリスでは、多彩なスパイスを手軽に使えるようブレンドした「カレー粉」が考案され、西洋料理の一つとして広まります。その後、文明開化の波とともに日本へ伝わり、「洋食」として少しずつ食卓に根付いていきました。

しかし、日本人はその味をそのまま受け入れたわけではありません。だしを加えたり、具材を工夫したりと、日本ならではの食文化と融合しながら独自の進化を遂げ、今日の「日本のカレー」が生まれたのです。

今回の『食彩の王国』では、明治時代から続く老舗の伝統カレーや、そば店ならではのカレー南蛮、そして未来へ受け継がれる新作カレーを通して、日本のカレーが歩んできた物語をたどります。

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文豪も愛した老舗が受け継ぐ伝統の味

文明開化とともに日本へ伝わった西洋風カレー。その味を今も受け継いでいるのが、明治36年(1903年)創業の老舗洋食店「日比谷 松本楼」です。

日比谷公園の緑に囲まれた松本楼は、夏目漱石をはじめ、多くの文化人や文豪にも親しまれてきた名店として知られています。看板メニューの「ハイカラビーフカレー」は、明治時代の洋食文化を今に伝える一皿です。

実は私は何度も松本楼には行っているのですが、なぜかオムライスなどを注文してしまうので、いまだに松本楼でカレーを食べたことがありません💦

番組では、この伝統の味を支える仕込みにも注目。牛肉や野菜の旨みをじっくり引き出し、完成まで4日間をかけるという手間ひまを惜しまない製法が紹介されます。

効率だけでは生まれない味がある――。百年以上受け継がれてきた一皿には、老舗だからこそ守り続けてきた職人たちの誇りが息づいていました。

日比谷松本楼

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和食と出会って生まれた、日本ならではのカレー

文明開化とともに洋食として広まったカレーは、そのままの姿で定着したわけではありません。日本人は、慣れ親しんだ和食の味わいと組み合わせることで、新たな一皿を生み出していきました。

その代表格が、明治35年(1902年)創業の老舗そば店「日本ばし やぶ久」の名物「黒豚カレー南ばん」です。

やぶ久のカレー南ばんは、スパイスの香りだけでなく、鰹節や昆布から取っただしの旨みが味の決め手。和食に欠かせないだしが加わることで、カレーはそばやうどんに自然と溶け込み、日本人に親しまれる味へと進化しました。

日本ばし やぶ久(やぶきゅう)

番組では、濃厚なだしの旨みを生み出す秘訣にも迫ります。異国からやってきたカレーは、日本の食文化と出会うことで、新しい「和のカレー」として多くの人に愛される料理になったのです。

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スパイスが生む新たな伝統――デリーの挑戦

日本で独自の進化を遂げたカレーは、やがてもう一度、本場インドのスパイスへと目を向けるようになります。その流れを象徴するのが、昭和31年(1956年)創業のインドカレーの名店「デリー」です。

看板メニューの「カシミールカレー」は、真っ黒な見た目と力強い辛さで多くのカレーファンを魅了してきました。番組では、3代目店主・田中源吾さんが、その秘伝の味づくりを紹介します。

さらに、この個性的なカレーを考案した創業者・田中敏夫さんの発想にも迫ります。以前営んでいた佃煮店で培った経験が、カシミールカレー誕生のヒントになったというエピソードは、日本らしいものづくりの面白さを感じさせます。

そして現在は、4代目となる源さんが新たな定番を目指して夏カレーの開発に挑戦。南アルプスの自然が育んだブランド豚の旨みを生かしながら、老舗の味を未来へつなぐ一皿を生み出そうとしています。

デリー 銀座店

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日本のカレーは、今も進化を続けている

インドで生まれたカレーは、イギリスを経て日本へ渡り、洋食として広まりました。そして、だしと出会って和食へと溶け込み、さらに本場のスパイスと向き合いながら、新しい味を生み出し続けています。

『食彩の王国』で紹介された「松本楼」、「日本ばし やぶ久」、そして「デリー」。それぞれの店は歩んできた道こそ違いますが、どの一皿にも共通しているのは、伝統を大切にしながら時代に合わせて進化してきたことでした。

料理は旅をし、その土地の文化や暮らしに出会うことで、新たな魅力を育んでいきます。日本のカレーもまた、海外から伝わった料理を日本人が工夫し、自分たちの味として育ててきた「国民食」の一つなのです。

これからも新しい食材やアイデアと出会いながら、日本のカレーは世代を超えて愛される料理として進化を続けていくことでしょう。

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