木とガラスが響き合う美しさ|家具の町・旭川「木GLASS」に宿る北海道のものづくり【あさイチ中継】

木GLASSを眺めるまどか BLOG
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北海道・旭川市は、福岡県大川市などと並んで日本を代表する家具の町として知られています。良質な北海道産の木材に恵まれ、多くの職人たちが木と向き合いながら、暮らしに寄り添う家具や工芸品を生み出してきました。

そんな旭川で生まれた「木GLASS」は、一見するとガラスの器でありながら、その美しさを支えているのは北海道産の天然木です。透明なガラスと木のぬくもりが響き合い、それぞれの魅力を引き立て合うことで、ほかにはない美しい酒器や器が生まれています。

『あさイチ中継』では、この「木GLASS」をはじめ、旭川ならではのものづくりに注目。ガラス工芸と木工文化が出会った背景や、職人たちの工夫、そして木を生かす発想が暮らしにどのような豊かさをもたらしているのかを紹介します。

今回は、家具の町・旭川だからこそ誕生した「木GLASS」の魅力を通して、北海道の自然と職人の技が織りなす、美しく温もりあふれるものづくりの世界を訪ねます。

【放送日:2026年7月7日(火)8:15 -9:55・NHK-総合】

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なぜ旭川は家具の町になった?~木とともに歩んだものづくりの歴史~

北海道のほぼ中央に位置する旭川市は、日本有数の家具産地として知られています。その歴史は、北海道の開拓が本格化した明治時代にさかのぼります。周囲には豊かな森林が広がり、ミズナラやセン、タモなど良質な木材に恵まれていた旭川では、建築材や生活用品を作る木工技術が少しずつ発展していきました。

やがて職人たちは、単に家具を作るだけではなく、木目の美しさや手触り、長く使い続けられる品質にまでこだわるようになります。その積み重ねが、現在の「旭川家具」と呼ばれる高い評価につながりました。

旭川のものづくりには、ひとつの特徴があります。それは、木を素材として「使う」のではなく、木の個性を生かすという考え方です。一本一本異なる木目や色合いを見極め、その木がもっとも美しく見える形へと仕上げていく。だから同じデザインでも、二つとしてまったく同じ作品はありません。

この「木を生かす」という精神は、家具だけにとどまりません。ガラス工芸と木工を組み合わせた「木GLASS」が旭川で生まれたのも、木を主役の一人として大切にしてきた、この町の文化があったからこそなのでしょう。

木とともに暮らし、木とともに技を磨いてきた旭川。その長い歴史があるからこそ、新しい発想の工芸品もまた、この町らしい温もりを宿しているのです。

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木GLASSとは?~木とガラスが響き合う新しい器~

「木GLASS」は、北海道・旭川のガラス工房「淳工房」で生まれた、木とガラスを組み合わせた美しい酒器です。一見すると透明なガラスのグラスですが、その下には北海道産の天然木で作られた台座が添えられています。この木の台座は、単なる飾りではありません。

冷たい飲み物を注いだときの結露を受け止めるコースターの役割を果たし、グラスを安定して支える土台にもなっています。そして何より、ガラスの透明感と木のぬくもりが互いを引き立て合い、手に取った瞬間から心地よい存在感を生み出しているのです。

使われる木材には、北海道産の槐(えんじゅ)一位(いちい)など、それぞれ異なる木目や色合いを持つ天然木が選ばれています。そのため、同じ形の木GLASSでも、一つひとつ異なる表情を楽しめるのも魅力です。

また、ガラス部分は職人が一つずつ丁寧に仕上げており、木とガラスという異なる素材が違和感なく調和するよう細かな工夫が施されています。この作品には、「木を使う」のではなく、「木を生かす」という旭川のものづくりの思想が息づいています。

ガラスが主役でも、木が脇役でもありません。それぞれが持つ美しさや役割を尊重しながら、一つの器として完成させる。だから木GLASSは、酒器であると同時に、旭川という町が育んできた職人文化を映し出す作品でもあるのです。

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なぜ木を組み合わせるの?~機能美が生んだ北海道の知恵~

木GLASSの魅力は、見た目の美しさだけではありません。透明なガラスに木の台座を組み合わせることで、器としての使いやすさも高められています。

冷たい飲み物を注いだグラスには、どうしても結露が生まれます。普通のグラスなら、テーブルに水滴が落ちたり、コースターが必要になったりしますが、木GLASSでは台座そのものが水滴を受け止める役割を果たします。つまり、木の台座は飾りではなく、器と一体になったコースターでもあるのです。

木GLASS(出典:公式Webサイト)
木GLASS(出典:公式Webサイト)

さらに、木の台座があることでグラスは安定し、手に取ったときにもガラスだけでは生まれない柔らかな印象が加わります。冷たく澄んだガラスと、手になじむ木のぬくもり。その対比が、使う人の感覚をやさしく豊かにしてくれます。ここに、旭川のものづくりらしさがあります。

美しさだけを追うのではなく、暮らしの中で使いやすいこと。機能だけを優先するのではなく、使うたびに心が少し満たされること。木GLASSは、その両方を静かに満たしてくれる器です。

北海道の森で育った木が、ガラスの透明感を支え、使う人の時間まで穏やかに包み込む。そこには、自然素材をただ加工するのではなく、素材の性質を読み取り、暮らしの中で生かそうとする職人の知恵が息づいています。

だから木GLASSは、単なるデザイン雑貨ではありません。木とガラス、それぞれの弱さと強さを補い合うことで生まれた、北海道らしい機能美の器なのです。

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暮らしを彩る旭川クラフト~木GLASSだけじゃない職人の世界~

旭川のものづくりの魅力は、木GLASSだけにとどまりません。家具づくりで培われた木工技術と、職人たちの繊細な感性は、暮らしを彩るさまざまなクラフト作品にも息づいています。

淳工房では、木GLASSのほかにも、ガラスの透明感と木のぬくもりを生かした照明やオブジェ、愛らしいフクロウをモチーフにした文鎮など、多彩な作品が生み出されています。

どの作品にも共通しているのは、素材の美しさを無理に飾り立てるのではなく、それぞれが持つ個性を引き出そうとする職人の姿勢です。旭川クラフトが長く愛されてきた理由も、ここにあるのでしょう。

毎日使う器や照明だからこそ、使うたびに木の温もりを感じ、ガラスの美しさに心が和む。そんな小さな豊かさが、暮らしの中に少しずつ積み重なっていきます。

『あさイチ中継』を見て木GLASSが気になった方は、淳工房の作品を取り扱うギャラリーや販売店を訪ねてみるのもおすすめです。

北海道では旭川や札幌、首都圏では東京の一部店舗でも取り扱いがあるほか、オンラインではMUKU工房などを通じて作品を購入することもできます。

旅先で実際に手に取って木目やガラスの表情を見比べるのも楽しい時間ですし、自宅にいながら北海道のものづくりに触れられるのも、今ならではの魅力といえるでしょう。

木GLASSは、一つの工芸品であると同時に、旭川という町が育ててきた木工文化への入り口でもあります。だから一つの作品との出会いが、やがて旭川という町そのものに興味を持つきっかけになるのかもしれません。

淳工房ガラス工芸

MUKU工房

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木を生かす心が未来をつくる~旭川ものづくりの魅力~

旭川で生まれた木GLASSは、木とガラスという異なる素材を組み合わせた美しい器です。しかし、その魅力はデザインや使いやすさだけではありません。作品の根底に流れているのは、「木を生かす」という旭川のものづくりの精神です。

家具づくりでも、クラフトでも、職人たちは木を単なる材料とは考えません。一本一本異なる木目や色、質感を見つめ、その木がもっとも美しく輝く形を探しながら作品を生み出しています。だから完成した作品には、工業製品にはない温もりや、長く使い続けたくなる愛着が宿ります。

木GLASSもまた、その考え方から生まれた一つの答えなのでしょう。透明なガラスの美しさを引き立てる木。そして木のぬくもりを際立たせるガラス。どちらか一方が主役ではなく、お互いを尊重し合うことで、一つの器として完成しています。それは、自然とともに歩んできた北海道らしいものづくりの姿そのものです。

『あさイチ中継』が伝えてくれたのは、一つの工芸品の美しさだけではありません。森に育まれた木を大切にし、職人の技によって新たな命を吹き込み、暮らしの中で長く愛される道具へと育てていく——そんな旭川の文化でした。

旭山動物園で命の営みに触れ、美しい家具や木GLASSに手を伸ばし、職人たちの技に出会う。そんな旅を重ねれば、きっと旭川という町は、これまでとは少し違う景色に見えてくるはずです。

木を使うのではなく、木を生かす。その優しい発想は、これからも旭川のものづくりを支え、多くの人の暮らしを静かに豊かにしていくことでしょう。

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