琴の音色を聞くと、どこか懐かしい気持ちになる人も多いのではないでしょうか。そのやさしく澄んだ響きを支えているのは、演奏家だけではありません。楽器を作り続ける職人たちの存在があります。
埼玉県三郷市には、今も琴づくりを受け継ぐ工房があります。なぜこの町で琴が作られているのか。そして伝統楽器は現代にどのような形で受け継がれているのでしょうか?
2026年6月24日の『あさイチ』は、三郷市の琴工房から中継。その音色の裏側にある職人の技と、和楽器の新しい未来に迫ります。
【放送日:2026年6月25日(木)8:15 -9:45・NHK-総合】
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なぜ埼玉県三郷市で琴づくりが行われているの?
琴といえば京都や奈良など、古くから日本文化が息づく地域を思い浮かべる人も多いかもしれません。そのため、埼玉県三郷市に琴工房があると聞くと意外に感じる人もいるでしょう。
実は三郷市には、長年にわたって琴づくりを支えてきた職人たちの技術が受け継がれています。今回『あさイチ』で紹介された工房も、その伝統を今に伝える存在です。
琴づくりに欠かせないのが、良質な桐材です。特に会津地方で育った桐は、軽くて狂いが少なく、美しい響きを生み出すことから古くから琴の材料として用いられてきました。そうした素材と職人の技術が結びつくことで、日本の伝統的な音色が生まれています。
また近年は、学校教育や演奏活動を通じて若い世代が琴に触れる機会も増えています。伝統楽器でありながら現代の音楽シーンにも取り入れられるなど、その魅力は新たな広がりを見せています。
三郷市の琴工房は、単に楽器を作る場所ではありません。日本の音文化を未来へ受け継ぐ拠点として、今も静かにその役割を果たしているのです。
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琴はなぜ桐で作られる?やさしい音色を生む素材の秘密
琴づくりに欠かせない素材が「桐」です。日本では古くから良質な桐材が琴や箪笥などに使われてきましたが、特に琴との関わりは深いものがあります。
桐が選ばれる理由の一つは、その軽さと響きの良さです。木材の中でも比較的軽く柔らかい桐は、弦の振動を受け止めながら美しく共鳴し、琴特有のやさしく澄んだ音色を生み出します。
また、湿気による変形が少なく、長い年月を経ても安定した状態を保ちやすいことも大きな特徴です。日本の四季の中で使われる楽器にとって、この性質は大きな強みとなっています。
中でも福島県会津地方で育った会津桐は、琴材として高く評価されてきました。厳しい自然の中でゆっくり育つことで、美しい木目と優れた音響特性を備えるといわれています。
会津で育った桐は、やがて職人たちのもとへ運ばれます。しかし、その時点ではまだ「楽器」ではありません。一枚の木材にすぎない桐が、人の手によってどのように琴へと生まれ変わっていくのでしょうか。
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響きを支える職人技|琴づくりの工程とは?
会津で育った桐は、そのままではただの木材です。しかし職人たちの手を経ることで、人の心を動かす音色を持つ琴へと生まれ変わります。
琴づくりは、まず木材選びから始まります。木目や乾燥状態を見極めながら、一枚一枚の桐に向き合います。同じ桐でも性質は異なるため、長年の経験が欠かせません。
その後、琴の形へと削り出され、内部の加工や細かな調整が施されます。わずかな厚みの違いが響きに影響するため、職人は木と対話するように作業を進めていきます。
やがて弦が張られ、音が宿ります。しかし完成ではありません。実際に音を確かめながら細かな調整を重ね、一面ごとに異なる個性を整えていきます。
こうして生まれる琴の音色には、木が育った時間と職人の技術、そして日本の伝統文化が重なっています。私たちが耳にする一音の奥には、長い年月をかけて受け継がれてきた物語が息づいているのです。
みつや琴製造(株)
- 埼玉県三郷市鷹野3丁目278−1
- TEL:048-955-4948
- 営業時間:8:00~17:00
- 定休日:土・日曜
- URL:https://www.mitsuyakoto.com/
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若い世代にも広がる琴の世界|和楽器の今
伝統楽器というと、どこか特別なものという印象を持つ人もいるかもしれません。しかし近年、琴は学校教育や部活動を通じて若い世代が触れる機会も増えています。
中学校や高校の箏曲部では、古典曲だけでなくポップスや映画音楽を演奏することも珍しくありません。琴ならではの美しい響きは、現代の音楽とも自然に調和しています。
また、演奏家たちは伝統を守るだけでなく、新しい表現にも挑戦しています。17弦や25弦の琴を用いた演奏や、洋楽器との共演など、その可能性は広がり続けています。
こうした演奏活動を支えているのが、職人たちが作り上げる琴です。どれほど時代が変わっても、良い楽器がなければ美しい音色は生まれません。
三郷市の工房で作られた琴は、学校の教室や演奏会の舞台へと届けられます。職人の手から生まれた一面の琴が、演奏者へ受け継がれ、さらに新しい世代へと響きをつないでいるのです。
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受け継がれる日本の音|三郷市から未来へ
埼玉県三郷市の琴工房では、今も職人たちが一面一面の琴と向き合いながら、日本の音色を未来へつないでいます。会津で育った桐は職人の手によって琴となり、演奏家のもとへ届けられます。そしてその響きは、学校の教室や演奏会の舞台、地域の催しなどさまざまな場所で人々の耳に届いています。
近年はポップスや映画音楽などを琴で演奏する機会も増え、和楽器は新しい表現の世界を広げています。伝統を守りながらも、時代に合わせて変化し続けているのです。
また、子どもたちは私たちが持つような「和楽器らしさ」という先入観を持たずに、その音色そのものを楽しみます。美しい、面白い、もう一度聴きたい――そんな素直な感覚が、新しい時代の琴の魅力を見つけていくのかもしれません。
三郷市の工房から生まれる琴の響きは、過去から受け継がれた伝統であると同時に、未来へ向かう新しい音でもあります。そのやさしい音色は、これからも多くの人の心に静かに響き続けていくことでしょう。
