納豆といえば、糸を引くもの――。そう思っている人は多いのではないでしょうか。ところが今、納豆王国・茨城県で「糸引きの少ない納豆」が誕生し、注目を集めています。納豆ならではの旨みや香りはそのままに、料理に取り入れやすくした新しい納豆。その可能性に、料理人たちも熱い視線を送っています。
一方で、納豆は今や日本だけの食べ物ではありません。SNSでは海外の若者たちが挑戦する「納豆チャレンジ」が話題となり、輸出量も増加。世界中で納豆の魅力が広がっています。
今回の『食彩の王国』は、本場・茨城県を舞台に、伝統の製法を守る職人たちの技と、新たな発想から生まれた進化系納豆に迫ります。さらに、中国料理店の柏寛士シェフが挑む“納豆中華”も登場。なぜ納豆は糸を引かなくなったのか――。その先に見えてくるのは、伝統を受け継ぎながら進化を続ける、茨城の新しいおいしさの物語です。
【放送日:2026年6月27日(土)9:30 -9:55・テレビ朝日】
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なぜ納豆は日本人に愛されるのか?|発酵食品の王様
日本の朝ごはんを思い浮かべたとき、納豆を思い出す人は多いのではないでしょうか。炊きたてのご飯に納豆をのせて食べる光景は、今や日本の食卓を代表する風景のひとつです。
しかし、納豆は見た目も香りも独特な食べ物です。初めて食べる人の中には戸惑う人も少なくありません。実際、海外ではSNSで「納豆チャレンジ」が話題になるほど、その個性の強さが知られています。それでも納豆が長く愛され続けてきたのは、発酵食品ならではの奥深いおいしさがあるからです。
納豆菌によって発酵した大豆は、うま味や香りが増し、独特の粘りを生み出します。さらに、たんぱく質や食物繊維、ビタミン類などを豊富に含み、栄養価の高さでも知られています。
昔から日本人は、味噌や醤油、漬物など発酵食品を上手に暮らしへ取り入れてきました。納豆もそのひとつであり、保存性を高めながら大豆の栄養を効率よく摂取できる知恵として受け継がれてきたのです。
近年では健康食品として海外でも注目され、輸出量も増加しています。かつては「日本人だけが食べる食べ物」と思われていた納豆が、今では世界中で興味を持たれる存在になりつつあります。
そんな納豆の本場として知られるのが茨城県です。なかでも水戸周辺は納豆文化が深く根付き、多くの人々に親しまれてきました。
ところが今、その納豆に新しい変化が起きています。「糸を引くのが当たり前」と思われてきた納豆が、糸引きを抑えながら新たなおいしさを追求し始めているのです。
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納豆は本当に苦手な人が多いのか?|地域と世代で変わるイメージ
納豆は日本を代表する発酵食品ですが、好き嫌いが分かれる食べ物としてもよく知られています。その理由としてよく挙げられるのが、独特の香りや粘りです。納豆好きにとっては食欲をそそる香りや糸引きも、苦手な人には強い個性として感じられることがあります。
また、かつては「関西では納豆を食べない」という話を耳にした人もいるかもしれません。確かに昔は関東に比べて納豆を食べる習慣が少ない地域もありました。しかし現在では全国のスーパーで当たり前のように販売され、多くの家庭で親しまれています。地域差は以前ほど大きくなくなり、むしろ個人の好みの違いの方が大きい時代になったといえるでしょう。
さらに近年は海外でも納豆への関心が高まっています。SNSで話題の「納豆チャレンジ」では、初めて納豆を食べる人々の反応が数多く投稿されています。最初は驚きながらも、「意外とおいしい」「また食べたい」と感想を語る人も少なくありません。
つまり納豆は、苦手な人が多い食べ物というよりも、初対面では個性が強く感じられる食べ物なのかもしれません。そして今、茨城ではその個性を少しやわらげる新たな挑戦が始まっています。
香りや旨みといった納豆のおいしさは残しながら、糸引きを抑えた新しい納豆の開発です。もし粘りが苦手で納豆を避けていた人が、その一歩を踏み出せるとしたら――。それは納豆好きのためだけではなく、より多くの人に納豆のおいしさを届けるための挑戦ともいえるでしょう。
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茨城はなぜ納豆王国になったのか?|本場を支える職人たち
納豆といえば水戸、水戸といえば納豆。そんなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。実際に茨城県は納豆の生産量が全国トップクラスを誇り、「納豆王国」と呼ばれるほど納豆文化が根付いています。その背景には、良質な大豆が手に入りやすかったことや、江戸時代から続く食文化があります。
中でも有名なのが水戸藩にまつわる納豆の伝承です。戦国時代、武将・源義家が奥州へ向かう途中、煮た大豆を藁に包んで馬に積んでいたところ、自然に発酵して納豆になったという逸話が語られています。真偽はともかく、水戸周辺で古くから納豆が親しまれてきたことを物語るエピソードとして知られています。
そして現在も、その伝統を支えているのが納豆職人たちです。番組に登場する秋山食品は、100年以上にわたり手作りの味を守り続ける老舗の納豆工房。三代目の秋山成夫さん夫妻は、大豆選びから発酵まで丁寧に向き合い、納豆本来の甘みや食感を引き出しています。
納豆は単純な食品に見えて、実はとても繊細です。大豆の種類。蒸し加減。納豆菌の働き。発酵時間。そのわずかな違いが、香りや旨み、粘りの強さに大きく影響します。だからこそ職人たちは、長年の経験をもとに毎日納豆と向き合い続けているのです。
近年は世界でも納豆への関心が高まっています。しかし、その人気を支えているのは流行だけではありません。本場・茨城で受け継がれてきた職人たちの技と情熱があってこそ、納豆文化は今も進化を続けているのです。
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糸引きの少ない納豆とは?|常識を変える新しい挑戦
納豆といえば、糸を引くもの。そう思っている人は多いでしょう。実際、あの独特の粘りこそが納豆らしさであり、おいしさの象徴だと感じる人も少なくありません。
ところが今、茨城県ではその常識を覆す新しい納豆の開発が進められています。番組で紹介される「豆乃香(まめのか)」は、納豆ならではの旨みや香りを残しながら、糸引きを抑えることを目指して生まれたブランド納豆です。開発に携わったのは茨城県産業技術イノベーションセンター。
研究者たちは長年、
「納豆のおいしさは好きだけれど、粘りが苦手」
「料理に使いたいが糸引きが扱いにくい」
という声に向き合ってきました。そこで着目したのが、納豆菌が生み出す粘りの成分です。納豆の旨みや栄養価を保ちながら、糸引きを抑えられれば、より多くの料理に活用できる可能性が広がります。
例えば炒め物やソース、点心の具材などでは、強い粘りが調理の妨げになることがあります。しかし糸引きが少なければ、料理人はより自由な発想で納豆を取り入れられるようになります。
今回、中国料理店「柏ノ木」の柏寛士シェフが注目したのも、まさにその可能性でした。納豆らしいうま味は活かしたい。しかし中華料理として美しく仕上げるには粘りが壁になる。その課題に対するひとつの答えとして、「豆乃香」は大きなヒントを与えたのです。
もちろん、昔ながらの納豆がなくなるわけではありません。糸をしっかり引く納豆には、その魅力があります。一方で、新しい納豆には新しい役割があります。今回の挑戦は、納豆を変えるためではなく、納豆の可能性を広げるための挑戦なのかもしれません。
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納豆はどこまで進化するのか?|中華とフレンチが見つけた可能性
納豆は長い間、「ご飯にのせて食べるもの」という印象が強い食材でした。もちろん、炊きたてのご飯と納豆の相性は抜群です。しかし、納豆の魅力はそれだけではありません。発酵によって生まれる旨みや香りは、料理の素材としても大きな可能性を持っています。
近年では、和食だけでなくフレンチや中華など、さまざまな料理人が納豆に注目しています。番組では、茨城県産の食材を斬新にアレンジするフレンチの名店や、水戸市の中国料理店「中国菜 柏ノ木」が登場します。
特に柏寛士シェフは、納豆を新たな中国料理に取り入れようと挑戦します。しかし、そこで壁となるのが納豆の粘りです。納豆の粘りには旨みが含まれている一方で、料理として美しく仕上げるには扱いにくい面もあります。
ソースにすると糸を引きすぎる。炒め物にするとまとまりすぎる。料理全体の食感や見た目に影響してしまう。そんな課題を解決するヒントになったのが、糸引きの少ない納豆「豆乃香」でした。
納豆の旨みを残しながら、粘りを抑えることで、料理人はより自由に納豆を扱えるようになります。たとえば、中華料理なら点心や炒め物、あんかけ、ソースへの応用も考えられます。フレンチなら、ハーブや発酵の香りと組み合わせることで、まったく新しい味わいが生まれるかもしれません。
家庭でも、お好み焼きや卵焼きに納豆を加えると、いつもの料理に旨みと個性が生まれます。納豆は、もう朝ごはんの脇役だけではありません。職人の技と研究者の知恵、そして料理人の発想が重なることで、納豆は料理の主役へと進化しようとしているのです。
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伝統か革新か?|職人と研究者が目指す未来
100年以上受け継がれてきた納豆作り。一方で、最新の研究によって生まれた糸引きの少ない納豆。この二つを比べると、「伝統」と「革新」の対立のように見えるかもしれません。しかし実際には、どちらも納豆のおいしさを追求する取り組みです。
秋山食品のような職人たちは、大豆の状態や発酵の具合を見極めながら、昔ながらの製法を守り続けています。納豆が持つ香りや旨み、そして独特の粘りを大切にしながら、一粒一粒に向き合っています。その積み重ねこそが、本場・茨城の納豆文化を支えてきました。
一方、研究者たちは別の角度から納豆の可能性を探っています。糸引きを抑えることで料理への応用を広げたり、納豆が苦手な人にも親しみやすくしたりする挑戦です。納豆そのものを変えるのではなく、納豆の新しい楽しみ方を増やそうとしているのです。
こうして見ると、職人と研究者は決して反対側にいる存在ではありません。どちらも納豆を愛し、その魅力を未来へつなごうとしている仲間なのです。伝統を守る人がいるから、本来のおいしさが受け継がれる。新しい挑戦をする人がいるから、納豆の可能性はさらに広がっていく。
今回の「糸引きの少ない納豆」は、その象徴ともいえる存在なのかもしれません。納豆文化は、守ることと変わることの両方によって育まれているのです。
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なぜ納豆は進化を続けるのか?|茨城が見つけた新しいおいしさ
納豆は古くから日本人に親しまれてきた発酵食品です。ご飯のお供として食卓に並び、栄養価の高さと独特のおいしさで多くの人に愛されてきました。しかし時代が変われば、食べ方や求められる価値も少しずつ変わっていきます。
近年は海外で納豆への関心が高まり、料理人たちは新たな表現を模索しています。そして研究者たちは、糸引きを抑えた納豆という新しい可能性を切り開こうとしています。もちろん、昔ながらの納豆の魅力が失われるわけではありません。しっかりと糸を引く納豆には、そのおいしさがあります。
一方で、粘りが少なく料理に使いやすい納豆には、新しい役割があります。大切なのは、どちらかを選ぶことではなく、多様なおいしさを楽しめることなのかもしれません。
職人が守り続けてきた伝統。研究者が生み出した新しい発想。そして料理人たちの自由なアイデア。それらが出会うことで、納豆は今も進化を続けています。納豆王国・茨城で始まった新たな挑戦は、納豆好きの人はもちろん、これまで納豆が苦手だった人にも新しい扉を開いてくれるかもしれません。
「納豆は苦手だから」と敬遠していた人が、「これなら食べられるかも」と思える。そんな小さなきっかけこそが、食文化を未来へつないでいく力になるのでしょう。茨城が見つけた新しいおいしさは、納豆の可能性をさらに広げながら、これからも多くの人の食卓を豊かにしていきそうです。