人はなぜ日南海岸に憧れたのか?――新婚旅行の聖地となった昭和の海【よみがえる新日本紀行】

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青い海、フェニックス並木、そして南国のまぶしい陽射し――。かつて宮崎・日南海岸は、「新婚旅行の聖地」として多くの日本人の憧れを集めていました。

高度経済成長期の昭和。“南国”という言葉そのものが、豊かさや幸福の象徴だった時代です。当時の新婚旅行客でにぎわう海辺には、これから始まる新しい人生への期待と、時代の明るい空気があふれていました。一方で、その海は、昔ながらの漁業や自然とともに生きる人々の暮らしも支えてきました。

『よみがえる新日本紀行』「日南海岸」は、昭和42年に記録された映像をたどりながら、新婚旅行ブームに沸いた“憧れの海”と、その土地に今も続く営みを見つめていきます。

【放送日:2026年5月13日(水)9:45 -10:24・NHK-BS】

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なぜ日南海岸は“新婚旅行の聖地”になったのか?|昭和の日本人が憧れた「南国」

かつて日南海岸は、日本中の新婚旅行客が憧れる“特別な海”でした。青い海に並ぶフェニックス。南国の陽射し。そして、どこまでも続く海岸線――。

高度経済成長期の日本にとって、「南国」は豊かさや自由、新しい時代の幸福を象徴する場所でもあったのです。現在の上皇ご夫妻が若き日の皇太子ご夫妻として日南海岸を訪れたことも、その人気を大きく後押ししました。

当時は飛行機で宮崎へ向かうこと自体が特別な体験であり、多くの人々が“人生で一度の旅”として日南海岸を目指したといいます。

昭和42年に放送された『新日本紀行』にも、新婚旅行客でにぎわう海辺の風景が記録されていました。笑顔で記念写真を撮る夫婦。観光バスで海岸線を巡る旅人たち。そこには、戦後の日本が夢見た「幸せな未来」の空気が流れていたのです。

そして時代が進むと、日南海岸はサーフィンの聖地としても知られるようになります。沖縄やハワイとはまた違う、“日本の海辺らしい自由”を感じられる場所として、若者たちは再びこの海へ惹かれていきました。

人々が日南海岸に求めてきたものは時代ごとに変わっても、その海が「憧れの風景」であり続けたことは、きっと変わらなかったのでしょう。

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昭和の日南海岸にはどんな時間が流れていたのか?|観光ブームと海辺のにぎわい

昭和42年に放送された『新日本紀行』には、観光ブームに沸く日南海岸の風景が鮮やかに記録されています。海岸道路を走る観光バス。土産物店に並ぶ南国らしい souvenirs。フェニックス並木の前で記念写真を撮る新婚旅行客――。当時の日南海岸には、「南国」への憧れそのもののような空気が流れていました。

まだ海外旅行が特別だった時代、多くの日本人にとって宮崎は、“日本の中の楽園”だったのです。太陽の光にきらめく青い海。開放感のある海岸線。そして、これから始まる新しい人生への期待。新婚旅行で訪れた夫婦たちは、その景色の中に、自分たちの未来を重ねていたのかもしれません。

やがて時代が移り、旅行先の人気は沖縄や海外へ広がっていきました。それでも日南海岸には、昭和の日本人が思い描いた“幸福の風景”が、どこか静かに残されています。『よみがえる新日本紀行』は、当時の映像を通して、あの時代の海辺に流れていた時間を、やさしく呼び起こしていきます。

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海は人々の暮らしをどう支えてきたのか?|伊勢エビ漁を守り続ける夫婦

新婚旅行客でにぎわった日南海岸の海は、観光だけでなく、昔から人々の暮らしそのものを支えてきました。『よみがえる新日本紀行』では、伊勢エビ漁を50年以上続けてきた漁師夫婦の姿も描かれます。

かつて23世帯が暮らしていた漁業の島は、52年の歳月を経て、今ではわずか3世帯になりました。それでも夫婦は、変わらず海へ出ます。

夜明け前の海。潮の流れ。季節ごとの海の表情――。長い年月をかけて積み重ねてきた感覚が、今も漁を支えているのです。日南海岸が“憧れの観光地”としてにぎわっていた頃も、そのすぐそばには、海と向き合いながら暮らす人々の日常がありました。

観光ブームが過ぎ、人の流れが変わった今も、海は変わらずそこにあり、静かに暮らしを支え続けています。『よみがえる新日本紀行』は、時代の移り変わりの中でも失われなかった“海辺の営み”を、やさしく映し出していきます。

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なぜ今、日南海岸の自然が再び注目されているのか?|御崎馬とエコツーリズム

かつて新婚旅行ブームでにぎわった日南海岸も、時代とともに観光の形が変わっていきました。沖縄や海外旅行へ人気が移り、多くの観光地が転換を求められる中、日南海岸では“自然そのもの”を生かした新しい魅力づくりが進められています。そのひとつが、都井岬の「御崎馬(みさきうま)」です。

国の天然記念物にも指定されている御崎馬は、海を望む草原で半野生のまま暮らしており、日南海岸を代表する風景のひとつになっています。潮風が吹き抜ける岬。広い空。そして、静かに草を食む馬たち――。その光景には、かつての“観光ブーム”とは異なる、自然とともに過ごす豊かさがあります。

近年は、こうした自然環境や地域の暮らしを体験する「エコツーリズム」も注目されるようになりました。大量の観光客を集める時代から、その土地に流れる時間や自然をゆっくり味わう旅へ。『よみがえる新日本紀行』は、変わりゆく日南海岸の中で、今も人を惹きつける“海と自然の力”を見つめていきます。

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人はなぜ今も日南海岸に惹かれるのか?|海辺に残る“昭和の幸福の記憶”

時代が変わり、旅のスタイルが変わっても、日南海岸には今もどこか人を惹きつける空気があります。それは、青い海や南国の風景だけではないのかもしれません。

昭和の新婚旅行。家族旅行。フェニックス並木の前で撮った記念写真――。日南海岸には、多くの人にとって「幸福だった時代の記憶」が重なっています。

観光ブームが過ぎ、人の流れが変わった今も、その海辺にはゆったりとした時間が流れています。そして近年では、サーフィンやエコツーリズムなど、新しい形でこの土地の自然を楽しむ人々も増えてきました。かつて憧れの旅先だった海は、今では“自然の中で静かに過ごす場所”として、再び人を惹きつけているのです。

『よみがえる新日本紀行』「日南海岸」は、昭和の記憶をたどりながら、人はなぜ海に憧れ、そして今もなお、その風景に心を動かされるのかをやさしく見つめていきます。

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まとめ|時代は変わっても、海はそこにある

かつて日南海岸は、新婚旅行の聖地として、多くの日本人の憧れを集めていました。フェニックス並木、青い海、南国の陽射し――。そこには、高度経済成長期の日本人が思い描いた「幸福な未来」の風景が広がっていたのです。

時代が変わり、観光の形も変わりました。それでも、海とともに生きる人々の暮らしは続き、伊勢エビ漁を守る夫婦や、御崎馬と自然を生かした新しい旅の形が、今の日南海岸を支えています。昭和の新婚旅行ブームを知る人にとっては懐かしく、若い世代にとってはどこか新鮮にも映る日南海岸の風景。

『よみがえる新日本紀行』「日南海岸」は、そんな“時代を越えて残る海辺の記憶”をやさしく呼び起こしてくれる時間になりそうです。

時代は変わっても、海はそこにある――。そして人はきっと、これからも海に憧れながら、その風景の中に自分の記憶を重ねていくのでしょう。

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