北海道南部を静かに流れる後志利別川(しりべしとしべつがわ)。その澄み切った水から「日本一の清流」と呼ばれるこの川は、ただ美しいだけではありません。伏流水で豆腐をつくる夫婦、たび重なる氾濫と向き合いながら農地を守る青年、そして川への思いを和太鼓に込める男性――人々の暮らしや営みを、今も変わらず支え続けています。
『小さな旅』「北の清流 絶えまなく」では、北海道・後志利別川を舞台に、時代が移り変わっても変わることのない清流と人とのつながりを見つめます。この記事では、「日本一の清流」と呼ばれる川の魅力と、水とともに生きる人々が受け継いできた暮らしの物語をご紹介します。
【放送日:2026年8月2日(日)8:00 -8:25・NHK-総合】
【放送日:2026年8月7日(金)11:05 -11:30・NHK-総合】
【放送日:2026年8月8日(土)6:05 -6:30・NHK-BSP4K】
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日本一の清流が育む、豆腐づくりの里
北海道南部を流れる後志利別川は、その澄み切った水から「日本一の清流」と呼ばれ、地元・今金町の人々にとってかけがえのない存在です。川の水は田畑を潤すだけでなく、人々の暮らしや食文化にも深く息づいています。
今回の『小さな旅』で出会うのは、地元産の大豆と後志利別川の伏流水を使い、昔ながらの豆腐づくりを続ける夫婦です。北海道は全国有数の大豆の産地として知られていますが、おいしい豆腐を作るためには良質な水も欠かせません。澄んだ伏流水が、大豆本来の甘みや風味をやさしく引き出し、一つひとつ丁寧に仕上げられた豆腐へと生まれ変わります。
清流は、美しい景色をつくるだけではありません。その水は毎日の食卓を支え、人々の仕事を支え、地域の暮らしそのものを支え続けています。
「日本一の清流」という言葉の本当の価値は、水の透明さだけではなく、その水とともに暮らしを築いてきた人々の営みにあるのかもしれません。
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氾濫とともに生き、農地を受け継ぐ若者
後志利別川は、豊かな恵みをもたらす一方で、ときには人々の暮らしを脅かす存在でもありました。大雨が降るたびに川は氾濫し、長い歴史の中で農地が被害を受けることも少なくありませんでした。
それでも、この土地を離れず、代々受け継いできた農地を守り続けてきた人たちがいます。今回の旅で出会う青年も、その一人です。先祖から受け継いだ畑を大切に守りながら、自然と向き合い、未来へとつないでいこうとしています。
川とともに暮らすということは、豊かな恵みだけを受け取ることではありません。自然の厳しさも受け入れながら、その土地で生きる知恵や工夫を積み重ねていくことでもあります。
後志利別川は、毎年同じように流れているように見えて、その姿は決して変わらないわけではありません。だからこそ、人々は川を力ずくで支配しようとするのではなく、その流れを理解し、寄り添いながら暮らしてきました。
受け継がれてきたのは農地だけではなく、自然を敬い、ともに生きるという北海道の人々の心なのかもしれません。
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川の流れを、和太鼓にのせて未来へ
後志利別川が育んできたのは、豊かな自然や農産物だけではありません。人々の心にも、この川は深く流れ続けています。
今回の『小さな旅』で出会うのは、後志利別川への思いを和太鼓で表現する男性です。かつて地域の誇りを失いかけた故郷をもう一度元気にしたい――そんな願いを胸に、川の流れや力強さ、そして静けさまでも太鼓の音に込めています。
水は目に見えて流れていきますが、その音や風景、人々の記憶は世代を超えて受け継がれていきます。自然を愛し、ふるさとを大切に思う気持ちは、言葉だけではなく、和太鼓の響きとなって地域の人々の心を結びつけているのでしょう。
時代は少しずつ変わっても、川は変わらず流れ続けます。その流れに耳を澄ませながら打ち鳴らされる太鼓の音には、故郷への誇りと未来への願いが込められているのかもしれません。
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清流は、人の暮らしを静かにつないできた
後志利別川は、「日本一の清流」と呼ばれる美しい川として多くの人に親しまれています。しかし、この旅を通して見えてくるのは、水の透明さだけでは語り尽くせない、この川のもう一つの魅力です。
清らかな水は、伏流水となって豆腐づくりを支え、豊かな農地を潤し、ときには氾濫という自然の厳しさをもたらしながらも、人々はその流れとともに生きる道を選んできました。そして、その営みは和太鼓の音となり、ふるさとへの誇りとして次の世代へ受け継がれています。
川は、ただ水を運ぶだけではありません。人と人をつなぎ、暮らしをつなぎ、地域の記憶や文化までも静かにつないできました。後志利別川が「日本一の清流」と呼ばれる理由は、水が澄んでいるからだけではなく、その流れを大切に守り、寄り添いながら暮らしてきた人々がいるからなのでしょう。
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北の清流は、これからも絶え間なく流れていく
後志利別川は、これまでも、そしてこれからも北海道の大地を静かに流れ続けていきます。その流れは、四季折々に表情を変えながら、人々の暮らしを潤し、ときには自然の厳しさを教え、また新たな実りを育んできました。変わりゆく時代の中でも、川は変わらずそこにあり、人々はその流れを見つめながら日々を重ねています。
豆腐をつくる夫婦の手仕事も、受け継がれた農地を守る青年の歩みも、ふるさとへの思いを響かせる和太鼓も、すべては後志利別川とともに育まれてきた物語です。
『小さな旅』「北の清流 絶えまなく」は、美しい川の風景を紹介するだけではなく、水とともに生きる人々の営みや、その土地で受け継がれてきた思いを静かに映し出してくれるでしょう。
川の流れは、一日で大きく変わるものではありません。だからこそ、その変わらない流れは、人の暮らしや心を支え続けてきました。北の清流は今日も絶え間なく流れ、これからもこの土地の人々の暮らしとともに、新しい物語を静かに紡いでいくのでしょう。