長野県南部、深い山々に抱かれた“秘境”遠山郷。急峻な谷あいに集落が点在し、昔ながらの暮らしと豊かな自然が今も息づくこの場所で、人と人をつなぐ小さな宿があります。
『人生の楽園』で紹介されるのは、水戸幸恵さんと夫・嘉嗣さんが営む交流型のゲストハウス。若き日に訪れた屋久島のゲストハウスで感じた「旅先で人がつながる楽しさ」が忘れられず、「いつか自然豊かな場所で、人が集まる宿をつくりたい」——そんな夢を胸に、2019年、遠山郷で新たな人生をスタートしました。
宿の楽しみは、夕食の時間。旅人だけではなく地元の人たちも食卓を囲み、酒を酌み交わしながら語り合う——。山あいの静かな集落に生まれた温かな交流は、訪れた人たちの心に、小さな“ふるさと”のような時間を残しているのかもしれません。
今回の『人生の楽園』「秘境の郷 交流ゲストハウス ~長野・飯田市~」では、遠山郷の自然に抱かれながら、多くの出会いを育む夫婦の日々を見つめます。
【放送日:2026年5月23日(土)18:00 -18:30・テレビ朝日】
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遠山郷ってどんなところ?|日本の秘境100選にも選ばれた山あいの郷
長野県南部、飯田市の南端に広がる遠山郷(とおやまごう)。南アルプスの山々に抱かれた深い谷あいに集落が点在するこの地域は、「日本の秘境100選」にも選ばれた山里です。
遠山川の流れに沿って続く集落は、急峻な山々に囲まれ、昔ながらの暮らしの風景を今も残しています。山の斜面に張り付くように家々が並ぶ風景は、どこか懐かしく、時間の流れまでゆっくりになったような感覚を覚えます。
遠山郷の中でも知られているのが、「日本のチロル」とも呼ばれる下栗の里。標高800〜1000メートルを超える急斜面に広がる集落は、日本の原風景を思わせる独特の景観で、多くの人を魅了してきました。
そして遠山郷を特別な場所にしているのは、景色だけではありません。山に囲まれた土地だからこそ、人と人とのつながりが今も色濃く残っています。季節の移ろいを感じながら暮らし、助け合いながら生きていく——。そんな土地の空気が、訪れた人にも自然と伝わってくるのです。
便利さや速さが当たり前になった時代だからこそ、遠山郷には、少し忘れかけていた時間が流れているのかもしれません。そして、そんな山あいの郷に惹かれ、「人が集まる場所をつくりたい」と願った夫婦がいました。若い日の旅先で出会った、忘れられない景色を胸に——。
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屋久島で出会った“人がつながる宿”|夢を叶えた夫婦の新しい人生
長野県・遠山郷で交流型のゲストハウスを営む水戸幸恵さんと夫・嘉嗣さん。山深い秘境の地で新しい暮らしを始めた夫婦には、長い時間をかけて育ててきた夢がありました。その原点になったのは、幸恵さんが若い頃に訪れた屋久島での体験です。
豊かな自然の中にあった一軒のゲストハウス。そこでは、知らない人同士が自然に言葉を交わし、同じ食卓を囲み、旅の時間を共有していました。どこから来たのか。今日はどんな場所を歩いてきたのか。そんな何気ない会話が、旅先だからこそ不思議と心に残る——。
宿はただ「泊まる場所」ではなく、人と人が出会い、時間を分け合う場所でもありました。その体験は、幸恵さんの心の中に長く残り続けます。
「いつか自然豊かな場所で、人がつながる宿をつくりたい」
忙しい毎日の中でも、その思いは消えませんでした。そして2019年。IT企業で働いていた日々を経て、夫婦はついに遠山郷で交流型のゲストハウスを始めます。
遠山郷の山々。流れる川の音。ゆっくり過ぎていく時間。若い日に屋久島で出会った景色は、形を変えながら、長野の山あいで新しい物語になろうとしていました。
人生の中で忘れられない時間がある。そして時々、その記憶は、何十年もあとになって、人を新しい場所へ連れていくのかもしれません。
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山あいの食卓に、人が集まる|交流型ゲストハウスの温かな時間
遠山郷の山々に囲まれた静かな場所にある交流型ゲストハウス。この宿のいちばんの魅力は、「泊まること」だけではありません。一日の終わりに、人が集まる食卓があります。宿泊客だけではない。地域の人たちもふらりと訪れ、同じテーブルを囲み、酒を酌み交わしながら語り合う。
旅の話。山の暮らしの話。遠山郷で生まれ育った人が知る、この土地の昔話。初めて会ったはずなのに、不思議と少しずつ距離が近くなっていく。交流型ゲストハウスという言葉だけでは表しきれない、“人が自然につながる時間”が、そこには流れていました。
都会では、隣に住んでいる人の顔も知らないまま時間が過ぎることがあります。けれど遠山郷では、山に囲まれた静かな時間の中で、人と人との間に少しだけ余白が生まれる。急いで話さなくてもいい。沈黙があってもいい。同じ食卓を囲み、同じ料理を食べる。ただそれだけで、人は少し近くなれるのかもしれません。
若い日の屋久島で、水戸幸恵さんが受け取った温かな時間。いま遠山郷では、その時間が、新しい誰かへ静かに手渡されていました。山あいの小さな食卓から生まれる出会い。それは、便利さだけでは得られない、豊かな時間なのかもしれません。
ゲストハウス 太陽堂
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“秘境だからこそ生まれる時間”|遠山郷で育まれる人とのつながり
便利な場所には、便利な時間があります。欲しいものはすぐ手に入り、移動にも困らない。誰かとつながることも、今はスマートフォンひとつでできる時代になりました。けれど、その一方で、人と人がゆっくり向き合う時間は、少しずつ減っているのかもしれません。
遠山郷は、長野県南部の深い山々に囲まれた場所です。街のにぎわいから離れた山あいには、都会とは違う時間が流れています。鳥の声で朝が始まり、谷あいを吹く風が季節を知らせる。夕方になると山の影が少しずつ集落を包み、夜には静けさが訪れる。そんな土地だからこそ、人は少しだけ立ち止まれるのかもしれません。
交流型ゲストハウスの食卓で交わされる言葉も、きっと同じです。急いで話さなくてもいい。沈黙があってもいい。言葉にしきれない思いまで含めて、その場にいる人たちが時間を共有していく。
秘境とは、ただ「不便な場所」という意味ではないのでしょう。速さや効率から少し離れて、人と人との距離を、もう一度ゆっくり結び直せる場所。遠山郷で育まれているのは、宿泊の思い出だけではありません。
誰かと食卓を囲んだ記憶。山の静けさに包まれた夜。何気なく交わした会話。そんな小さな時間が、訪れた人の中に、静かに残っていくのでしょう。そして、それこそが、この山あいの郷が持つ、本当の豊かさなのかもしれません。
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山の時間は、ゆっくり人を近づける|遠山郷に続く小さな交流の灯り
長野県・遠山郷の深い山あいに生まれた、小さな交流の場所。そこには豪華な設備があるわけではありません。便利さを追いかけた宿でもありません。けれど、その場所には、人と人が自然に近づいていく時間が流れていました。
若い日に屋久島で受け取った温かな記憶。「いつか自然豊かな場所で、人がつながる宿をつくりたい」、そんな思いから始まった夫婦の夢は、遠山郷の山々に抱かれながら、新しい誰かの思い出を育てています。
同じ食卓を囲む時間。初めて会った人と交わす言葉。時には、言葉にならない静かな時間。山の中だからこそ、人は少し立ち止まれる。便利さから少し離れた場所だからこそ、人のぬくもりに気づける。
遠山郷に流れているのは、ただ“ゆっくりした時間”ではないのかもしれません。人と人との間にある距離を、少しずつ近づけてくれる時間。それが、この山あいの郷が持つ、本当の豊かさなのでしょう。
『人生の楽園』「秘境の郷 交流ゲストハウス 〜長野・飯田市〜」は、そんな遠山郷の日々を通して、私たちが忘れかけていた“小さなつながり”の温かさを、静かに教えてくれているようでした。
山の時間は、今日もゆっくり流れています。そしてその時間は、これからも誰かと誰かを、少しずつ近づけていくのかもしれません。
