40年越しの夢はなぜ故郷で叶ったのか?開聞岳を望む古民家料理店に宿る“やり直しの力”【人生の楽園】

開聞岳の見える食堂 BLOG
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若い頃に思い描いた夢を、そのまま叶えられる人は、きっと多くはありません。仕事や家族、暮らしの現実に向き合ううちに、いつの間にか胸の奥へしまい込んでしまった願いを、ふとした風景がもう一度思い出させてくれることがあります。

鹿児島県指宿市で、40年越しの夢を叶えた東川善久さんも、そんなふうにして、もう一度“料理の道”へ戻ってきたひとりでした。

大阪で修業しながら「いつか自分の店を持ちたい」と願い、その後は故郷へ戻って家族を支えながら働き続けた善久さん。いったんは心の奥にしまい込んだ夢が、人生の後半になって再び動き出した背景には、家族の支えと、ふるさとの風景の力があったのかもしれません。

今回の「人生の楽園」は、開聞岳を望む築100年の古民家料理店『Bokko ひなた』を舞台に、40年越しの夢をかたちにした夫婦の物語を見つめる回です。

善久さんがなぜこのタイミングで夢を叶えることができたのか、そしてその場所がなぜ“故郷”でなければならなかったのかを、料理、家族、そして指宿の風景とともにたどっていきます。

【放送日:2026年4月4日(土)18:00 -18:30・テレビ朝日】

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東川善久さんは、なぜ40年越しの夢にもう一度向き合えたのか?

実家が飲食店だった東川善久さんが若い頃に抱いていたのは、「いつか自分の料理店を持ちたい」という夢でした。高校卒業後に大阪の調理師学校へ進み、その後も修業を重ねながら料理の腕を磨いていったのは、その夢がいつも心のどこかにあったからなのでしょう。

けれど人生は、若い頃に思い描いた通りには進まないこともあります。都会での暮らしに疲れ、24歳で故郷へ戻った善久さんは、地元の国民宿舎などで調理の仕事に就き、やがて結婚し、3人の子どもの父となりました。

家族を支え、日々の仕事に向き合ううちに、若い頃の夢は少しずつ遠ざかっていきます。けれど、それは完全に消えてしまったというより、胸の奥にそっとしまい込まれていただけなのかもしれません。

大きな転機となったのは、48歳のときの人事異動でした。料理の現場を離れ、事務職へ移ることになったことで、善久さんにとって唯一のよりどころだった“料理の道”が、急に遠ざかってしまったのです。

そのときあらためて浮かび上がってきたのが、若い頃から抱いていた「自分の店を持ちたい」という思いでした。夢にもう一度向き合えたのは、何か特別な奇跡があったからではなく、しまい込んでいた願いを、人生の節目で見つめ直す時間が訪れたからなのかもしれません。

そしてその背景には、故郷で暮らしてきた時間や、自分を支えてきた料理という仕事への思いが、静かに積み重なっていたのでしょう。

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料理の道を閉ざされたとき、何が善久さんをもう一度動かしたのか?

善久さんにとって、料理はただの仕事ではなく、長いあいだ自分を支えてきた“軸”のようなものだったのではないでしょうか。大阪で修業した若い頃から、帰郷して家族のために働き続けた日々まで、かたちは変わっても、ずっと善久さんの人生の中心には料理がありました。

だからこそ、48歳で事務職への異動を命じられたことは、単なる仕事内容の変化ではなく、自分のよりどころそのものを失うような出来事だったのかもしれません。

毎日の暮らしは続いていく。家族もいる。仕事を辞めるわけにもいかない。けれど心のどこかでは、「このままで本当にいいのだろうか」という思いが、静かに膨らんでいったのではないでしょうか。

そんなとき、人をもう一度動かすのは、必ずしも大きな出来事ばかりではありません。たとえば、昔から見慣れていたふるさとの風景。たとえば、ただそこにある山や空や光。そういうものが、忘れかけていた若い頃の自分を、ふいに呼び戻してくることがあります。

善久さんにとって、それはきっと、故郷・指宿の風景そのものだったのでしょう。開聞岳を望むあの土地の空気や、ゆっくり流れる時間の中で、「いつか自分の店を持ちたい」と願っていた頃の思いが、もう一度、静かに息を吹き返したのかもしれません。

夢を叶える決断というと、何か劇的な覚悟のように見えることがあります。けれど実際には、自分の中で長く眠っていた気持ちに、ようやく正直になれた瞬間だったのではないでしょうか。そうして善久さんは、57歳で早期退職を決意し、若い頃にしまい込んだ夢へ、もう一度手を伸ばしていくことになります。

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『Bokko ひなた』はどんな店?開聞岳を望む古民家料理店の魅力とは?

善久さんが40年越しの夢をかたちにした場所が、指宿市にある古民家料理店『Bokko ひなた』です。店があるのは、築100年になる叔母の家。長い時間を重ねてきた木のぬくもりや、どこか懐かしさを感じさせるたたずまいが、訪れる人をやさしく迎えてくれます。

新しく整えられた店というよりも、もともとそこにあった暮らしの延長に、そっと料理店がひらいたような空気があるのかもしれません。そしてこの店の大きな魅力のひとつが、なんといっても開聞岳を望む風景です。

鹿児島の南にすっと立つ美しい山を眺めながら、古民家の静かな空間で食事を楽しめる――それだけでも、この店がただの“ランチのお店”ではないことが伝わってきます。店名の『Bokko ひなた』にも、どこか“ひなたぼっこ”のような、あたたかくて力の抜けた時間の気配があります。

忙しい日常の中で、ただお腹を満たすために食べるのではなく、少しだけ立ち止まって、人の手で作られた料理と、その土地の空気に身をゆだねるような時間。『Bokko ひなた』は、そんなふうに人をほっとさせる場所として、地元の人や訪れた人たちに愛されているのかもしれません。

40年越しの夢を叶えた場所が、きらびやかな新店舗でも、都会の人気店でもなく、故郷の風景の中にたたずむ古民家だったというところにも、善久さんらしい“帰ってきた夢”のかたちが表れているように感じます。

bokko ひなた

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「ひなた御膳」とは?地元食材でつくる指宿らしい料理の魅力

『Bokko ひなた』で味わえるのは、ただ“おいしいランチ”というだけではない、その土地で暮らしてきた人の手ざわりが感じられる料理です。看板メニューのひとつが、ランチ限定の「ひなた御膳」。メイン料理は3種類から選べるようになっていて、鹿児島らしい食の魅力が、ひとつの御膳の中にやさしく詰め込まれています。

たとえば、鹿児島のソウルフードともいえる豚の軟骨の味噌煮。じっくり煮込まれたやわらかな食感と、味噌の深いコクが、ごはんと相性のよさそうな一品です。さらに、脂の乗ったブリカマの塩焼きも魅力的。海の近い土地らしい力強さがありながら、焼き魚ならではの素朴なおいしさも感じられそうです。

そしてもうひとつが、鶏の味噌焼き。どこか家庭の食卓にもつながるような親しみがありながら、料理人の手で丁寧に整えられた“ごちそう”として味わえるのが、こういう店のうれしいところかもしれません。

御膳にはそのほかにも、カツオのたたきや、地元の旬の食材を使った手作りのお惣菜が並び、ひと皿ごとに指宿や鹿児島の季節が感じられるような内容になっているようです。

派手さや奇抜さで驚かせる料理ではなく、ちゃんとおいしくて、ちゃんと落ち着く。そんな料理が、古民家の空気や開聞岳の景色と重なることで、『Bokko ひなた』ならではの時間が生まれているのでしょう。

きっとこの「ひなた御膳」は、ただ空腹を満たすための食事ではなく、故郷の風景や、人のぬくもりごと味わうような一膳なのだと思います。

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妻・明美さんや家族は、どうやって40年越しの夢を支えたのか?

40年越しの夢を叶えた善久さんの歩みは、決してひとりだけでたどり着いたものではありませんでした。そのすぐそばには、いつも家族の存在があったのだと思います。

故郷へ戻った善久さんが再会したのは、中学時代の後輩だった明美さん。その後ふたりは結婚し、3人の男の子に恵まれました。けれど、料理の仕事は決して楽なものではありません。土日も出勤する忙しい毎日の中で、善久さんは家族とゆっくり過ごす時間を、なかなか持てなかったといいます。

それでも善久さんが料理の道を離れずに働き続けてこられたのは、その暮らしを支えてくれる家族の存在があったからこそだったのでしょう。そして人生の後半になって、若い頃にしまい込んだ夢にもう一度手を伸ばそうとしたとき、その背中を押してくれたのもまた、明美さんの賛同でした。

夢を叶えるというと、つい「本人の決断」や「勇気」ばかりに目が向きがちです。けれど本当は、その挑戦を“いいよ”と受け止めてくれる誰かがいることも、同じくらい大きな力なのかもしれません。

『Bokko ひなた』という場所には、善久さんが長いあいだ積み重ねてきた料理人としての時間だけでなく、家族とともに歩いてきた人生そのものが、静かに重なっているように感じられます。

だからこそこの店は、ただ夢を叶えた“お店”というだけではなく、夫婦と家族がたどり着いた、ひとつの居場所として、あたたかい空気をまとっているのかもしれません。

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人生の楽園「ひなたぼっこで和む料理店」の見どころは?

今回の「人生の楽園」“ひなたぼっこで和む料理店 〜鹿児島・指宿市〜”の見どころは、40年越しの夢を叶えた料理人の物語を通して、人生の後半にもう一度、自分の居場所をつくることのあたたかさを感じられるところにあります。

夢を叶える話というと、どうしても華やかな成功や大きな転身が語られがちです。けれど今回描かれるのは、もっと静かで、もっと暮らしに近い“やり直し”のかたちです。

若い頃に抱いた夢を、仕事や家族のためにいったん胸の奥へしまい込みながらも、人生の節目でふたたび拾い上げていく――その流れには、年齢を重ねたからこそ見えてくる希望のようなものがあります。

さらにこの回では、開聞岳を望む指宿の風景や、築100年の古民家、地元食材を生かした料理、そして家族や仲間とのつながりが、ひとつのやさしい時間として丁寧に重なっていくはずです。

ただ「おいしそう」「素敵なお店」というだけで終わらず、人はなぜ故郷で夢を叶えたくなるのか。なぜ人生の後半で“自分の場所”を持ちたくなるのか。そんなことまで、静かに考えさせてくれる回になるのかもしれません。

派手さはなくても、見終わったあとに心のどこかが少しあたたかくなる。今回の「人生の楽園」は、そんなふうに、“ひなたぼっこ”のようなやさしさを残してくれる物語になりそうです。

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まとめ|やりなおすのに遅すぎることはない

若い頃に思い描いた夢を、そのままの形で叶えられる人は、決して多くはありません。けれど、いったん胸の奥にしまい込んだその思いが、人生のどこかのタイミングで、もう一度静かに動き出すことがあります。

東川善久さんが40年越しに叶えた料理店『Bokko ひなた』は、ただ夢を実現した場所というだけではなく、故郷の風景や、家族とともに歩んできた時間が、やさしく重なり合った“帰ってきた夢”のかたちなのかもしれません。

開聞岳を望む古民家で味わう料理や、そこに流れる穏やかな時間は、訪れる人にとっても、どこか自分の中の大切なものを思い出させてくれるようです。

人生は、思い通りに進まないことも多いけれど、それでもどこかで立ち止まり、もう一度自分の歩きたい道を選び直すことはできる。今回の「人生の楽園」は、そんな静かな希望を、“ひなたぼっこ”のようなやさしさで伝えてくれる物語でした。

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