今回のNHK「あさイチ」では、埼玉県熊谷市の銘菓「五家宝(ごかぼう)」が中継で紹介されます。これは熊谷にある老舗の菓子舗から中継されるのかもしれません。
五家宝は、もち米を固めた芯に水飴を絡め、香ばしいきな粉をまぶした素朴な和菓子。江戸時代から熊谷で親しまれてきた伝統菓子として知られています。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、写真を載せておきますね。

五家宝(出典:紅葉屋本店公式サイト)
この記事では、熊谷名物・五家宝の特徴や魅力、番組で紹介された内容についてまとめていきます。
【放送日:2026年3月10日(火)8:15 -9:55・NHK-総合】
五家宝とは?熊谷に伝わる江戸時代の銘菓
五家宝(ごかぼう)は、埼玉県熊谷市を代表する伝統菓子のひとつです。もち米を固めた芯に水飴を絡め、香ばしいきな粉をまぶした素朴な和菓子で、江戸時代から続く銘菓として知られています。
棒状の形が特徴で、きな粉の香ばしさとやさしい甘さが広がるどこか懐かしい味わい。シンプルな材料で作られるお菓子ながら、熊谷では長く親しまれてきた名物菓子として、今も多くの和菓子店で作り続けられています。
見た目は素朴ですが、もち米・水飴・きな粉という日本らしい素材を生かしたお菓子で、熊谷の食文化を語るうえで欠かせない存在となっています。
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五家宝の発祥と歴史
江戸の頃から熊谷の銘菓として親しまれている五家宝ですが、その由来は定かではありません。
江戸時代後期の狂歌、洒落本の作家・大田南畝(蜀山人)の随筆「奴師労之」に、安永期(1772~80)に将軍家治公の日光社参に随行した際に、道中に「五荷棒」と呼ばれる菓子があったことや、更に四十数年後、友人から「武州忍領北秩父辺の菓子」として、「五かぼう」というものを送られたという記録があります。
これが残っている文献の最古の記録ですが、写真なんてなかった時代ですから、これが現在の五家宝と同じものかどうかは何とも言えません。
当時は現在のように高価だった砂糖をふんだんに使うことは出来ませんから、コメや麦のでんぷんを麦芽の酵素で発酵させて甘くした”水あめ”を使ったところが庶民の食べ物として長く受け継がれてきた要因かもしれません。
有名なのが水あめ売りです。笛を吹きながら町を歩く行商で、子どもに水あめを売ったり飴細工をしたりする人たちです。このような穀物から作れる甘味を使って、もち米ときな粉などの庶民でも手に入りやすい材料で作ったことで、地方でも作れるし江戸でも売られていたのだと思われます。
確かなことはわかりませんが、江戸中期以降に北関東で作り始められたということだけは確かなようです。五家宝が現在のような味、形になったのは、明治期以降と言われています。天保14年、玉井村(現熊谷市)に生まれた高橋忠五郎という人が、原材料や製法に改良を加えて、現在の五家宝の基を作ったということです。
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なぜ熊谷名物になった?五家宝と地域文化
五家宝が熊谷の名物として広まった背景には、町の歴史が関係しているといわれています。熊谷は江戸時代、江戸と京都を結ぶ中山道の宿場町として栄え、多くの旅人や商人が行き交う交通の要所でした。
つまり江戸から北へ旅する人たちが必ず通る道です。そこは旅人や商人、職人、武士まど、いろいろな人が行き交う場所でした。こういった場所では、自然とあるものが生まれます。それは持ち運べる食べ物。五家宝は
・棒状
・腹持ちがいい
・比較的日持ちする
という旅人に便利な特徴があります。こうした宿場町では、持ち運びやすく日持ちする菓子で、旅人の土産として人気を集めることが多く、五家宝もその一つだったと考えられています。棒状で食べやすくもち米ならではの食感や、水あめの甘さと粘りにきな粉の香り。
それは道中の行動食にもうってつけだったことから、きな粉の香ばしさとやさしい甘さが楽しめる五家宝は、旅の途中の甘味や土産として広まり、やがて熊谷を代表する銘菓として知られるようになったと考えられます。
また、熊谷周辺は米や大豆などの農産物が豊かな地域で、もち米やきな粉といった五家宝の材料が身近に手に入ったことも、菓子づくりが根付いた理由の一つかもしれません。
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五家宝の原材料と特徴
五家宝は、もち米・水あめ・きな粉というシンプルな材料で作られる和菓子です。まず芯になるのは、もち米を加工して固めた部分。ここが独特の軽い食感を生み、五家宝の土台になります。その周りに絡めるのが水あめ。やさしい甘さを加えるとともに、外側のきな粉をまとわせる役割をしています。
仕上げにたっぷりとまぶされるのが香ばしいきな粉。口に入れた瞬間にふわっと広がる大豆の風味が、五家宝の素朴な味わいを引き立てています。
シンプルな材料ながら、それぞれが役割を持つことで独特の食感と香りが生まれ、熊谷の伝統菓子として長く親しまれてきました。
さらに言えば、水あめの主成分は麦芽糖(マルトース)。砂糖(ショ糖)より甘さは穏やかで、粘度が高いのが特徴です。それともち米をきな粉がしっかり抱え込むと、結果としてあの独特の“歯にくっつく体験”が生まれるわけです。これが逆に”腹持ちがいい”と思わせる食感の物理学にもなっているわけです。
江戸の菓子職人は、化学式を知らなくても経験でそれを使いこなしていました。職人の知恵ってすばらしいですね。
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五家宝はどんな味?素朴でどこか懐かしい甘さ
五家宝は、きな粉の香ばしさと水あめのやさしい甘さが特徴の素朴な和菓子です。派手な甘さではなく、どこか懐かしい味わいが広がります。でも材料が、もち米と水あめなので”歯にくっついて食べにくい”という欠点もあります。でもそれは逆に、
・ゆっくり溶ける
・口の中に長く残る
・満足感が続く
という長所にもなるわけです。また、水あめを使っているため、少し粘りのある独特の食感も特徴のひとつ。口の中でゆっくりと甘さが広がるため、少量でも満足感がありわけです。シンプルな材料で作られる五家宝ですが、その素朴な甘さと香ばしさは、どこかほっとするような味わいとして、今も多くの人に愛されています。
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熊谷周辺で五家宝を買える老舗店
熊谷周辺には五家宝を作る老舗和菓子店がいくつもあり、店ごとに味わいや食感が少しずつ異なります。基本の材料は同じでも、もち米の加工方法や水あめの量、きな粉の風味などに違いがあり、それぞれに個性があります。
中でも熊谷の老舗として知られる紅葉屋本店などでは、香ばしいきな粉の風味が際立つ五家宝が人気。食べ比べてみると、同じ五家宝でも店ごとに微妙な味の違いが楽しめます。
一方、他の老舗では
・甘さが少し強い
・食感が軽い
など個性があって、見た目はほぼ同じなのに食べると微妙に違うなんていう通ならではの楽しみ方もできるわけです。
五家寳本舗 堀内製菓
- 埼玉県熊谷市本町2丁目15
- TEL:048-522-1556
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:日曜
- URL:https://www.gokabo.jp/
紅葉屋本店
- 埼玉県熊谷市佐谷田3247−1
- TEL:048-521-0376
- 営業時間:9:00~16:30
- 定休日:土・日曜
- URL:https://momijiyahonten.com/
武蔵屋本店
- 埼玉県加須市不動岡2丁目6−44
- TEL:0480-61-0172
- 営業時間:8:30~16:00
- 定休日:月曜
- URL:https://www.musashiyahonten.co.jp/
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まとめ|五家宝の名前の由来は?
五家宝という名前の由来にはいくつかの説があります。
穀物の恵みを意味する「五穀」から来たという説や、熊谷の菓子職人たちの「家の宝」という意味から名付けられたという説などがあり、はっきりした由来は定かではありません。こうした諸説が語られていることも、江戸時代から続く伝統菓子らしいエピソードといえそうです。


