トルコには、まるで物語の世界から抜け出してきたような風景が数多く残されています。高さ50メートルにも達する奇岩群「妖精の煙突」、山肌が淡いピンクや緑、黄色に染まる「虹の丘」、青く輝く水をたたえた「純白の丘」、そして湖底で今も静かに成長を続ける「水中摩天楼」――。そのどれもが幻想的で美しく、一見すると現実の風景とは思えません。
しかし、その美しさの裏には、はるか昔に起きた大陸同士の激しい衝突や巨大な火山活動という、地球規模のドラマが隠されていました。
ヨーロッパとアジアを結ぶ国・トルコ。その大地には、数千万年という気の遠くなるような時間をかけて地球が描き続けてきた壮大な芸術作品が刻まれています。
今回の『驚き!地球!グレートネイチャー』は、幻想の絶景群を巡りながら、その美しさを生み出した大地誕生の秘密に迫る旅です。
【放送日:2026年6月23日(火)17:00 -17:30・NHK-BS】
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妖精の煙突とは何か?|トルコを代表する不思議な奇岩群
トルコの幻想的な絶景として知られるのが、カッパドキアに広がる奇岩群「妖精の煙突」です。細長い塔のような岩が大地から何本も立ち上がり、高いものでは50メートルにも達するといいます。その姿は、まるで妖精が住むために作った煙突のようにも見えます。この不思議な地形を生み出したのは、太古の火山活動でした。
かつてこの地域では大規模な噴火が起こり、火山灰や噴出物が厚く積もりました。それが長い年月をかけて固まり、やわらかな凝灰岩の大地となります。その後、雨や風による侵食が進みました。しかし場所によっては、上に硬い岩が残り、その下のやわらかい岩を守るように覆いました。
すると周囲の岩は削られていく一方で、硬い岩に守られた部分だけが柱のように残ります。こうして、帽子をかぶったような不思議な奇岩「妖精の煙突」が生まれたのです。

可愛らしい名前とは裏腹に、その背景には激しい火山活動と、気の遠くなるような時間をかけた侵食の歴史があります。トルコの大地に立ち並ぶ妖精の煙突は、自然が作り上げた幻想の彫刻ともいえるでしょう。
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虹の丘の正体とは?|パステルカラーに染まる大地
トルコには、まるで誰かが大地に絵の具を流したかのような不思議な風景があります。それが「虹の丘」です。山肌には淡いピンクや黄色、緑、紫などの色彩が広がり、自然が作り出したとは思えないほど幻想的な景観を見せています。まるで巨大な水彩画の中に迷い込んだような世界です。

しかし、この美しい色彩は偶然生まれたものではありません。その背景には、大陸衝突による地殻変動や火山活動、そして長い年月をかけた風化の働きがあると考えられています。
岩石や鉱物は種類によって異なる色を持っています。それらが地層の中で複雑に重なり合い、さらに風雨によって削られることで、鮮やかな模様が姿を現したのです。
幻想的な色彩に目を奪われますが、その一つひとつの色は地球の歴史そのもの。虹の丘は、大地が何千万年もの時間をかけて描き上げた巨大な絵画なのかもしれません。
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純白の丘と青い水|大地が生んだ奇跡の景観
トルコの絶景を語る上で欠かせないのが、真っ白な丘と青く輝く水が織りなす幻想的な風景です。まるで雪が積もったようにも見えるその斜面は、実は石灰分を豊富に含んだ温泉水によって作られました。地下深くから湧き出した温泉水は、地表へ流れ出る過程で石灰分を少しずつ沈殿させていきます。
これはトルコ南西部にある世界遺産「パムッカレ」です。トルコ語で「綿の城」を意味し、炭酸カルシウムを含んだ温泉が長い年月をかけて作り出した、純白の棚田のような石灰棚が広がる幻想的な絶景スポットです。
その営みが何千年、何万年と繰り返された結果、白い棚のような地形が幾重にも積み重なり、現在の壮大な景観が生まれたのです。そこに湛えられた水は空の色を映し込み、鮮やかな青やターコイズブルーに輝きます。

純白の大地と青い水。その組み合わせはあまりにも美しく、まるで地球が自ら描いた芸術作品のようです。しかし、その美しさの背景には活発な地殻活動があります。
地下から熱と水を送り続ける地球の力がなければ、この景観は生まれませんでした。静かで穏やかな風景に見えますが、その奥には今も動き続ける地球のエネルギーが息づいているのです。
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湖底に育つ水中摩天楼|今も成長を続ける地球の造形
トルコの幻想的な絶景は地上だけではありません。ある湖の底では、まるで高層ビル群のような奇妙な構造物が今も静かに成長を続けています。その姿は「水中摩天楼」と呼ばれ、まるで失われた都市の遺跡が湖底に眠っているかのようです。しかし、それは人間が作った建造物ではありません。
地下から湧き出す鉱物を豊富に含んだ水が、長い時間をかけて沈殿を繰り返し、少しずつ塔のような形を作り上げてきたのです。その成長は非常にゆっくりです。人の一生ではほとんど変化がわからないほどの速度かもしれません。それでも地球は休むことなく造形を続けています。

湖底に立ち並ぶ塔は、まるで地球自身が建築家となって設計した未来都市のようにも見えます。妖精の煙突が風と雨の彫刻だとすれば、水中摩天楼は水と鉱物が作る建築作品です。その静かな成長は、今もなお地球が新しい景色を生み出し続けていることを教えてくれます。
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なぜ絶景が集中するのか?|大陸衝突と火山活動の舞台裏
トルコには、なぜこれほど多くの絶景が集まっているのでしょうか。妖精の煙突、虹の丘、純白の丘、そして水中摩天楼。一見すると、それぞれ別の場所に存在する無関係な景観のようにも見えます。しかし、その背景には共通する大きな物語がありました。
それは大陸同士の衝突と火山活動です。トルコはヨーロッパとアジアの境界に位置し、地球規模で見ても非常に活発な地殻変動の舞台となっています。巨大なプレートが押し合い、ぶつかり合うことで山脈が生まれ、地下深くではマグマが活動を続けてきました。
その結果として、火山灰が積もって妖精の煙突の材料となり、地下から湧き出す鉱物を含んだ水が純白の丘や水中摩天楼を育て、複雑な地層や鉱物が虹の丘の色彩を生み出したのです。
私たちが目にする幻想的な景色は、偶然の産物ではありません。その一つひとつが、何千万年にもわたる地球の活動によって作り出された作品なのです。妖精の煙突も、虹の丘も、純白の丘も、それぞれ異なる絶景に見えます。けれどその奥には、同じ地球の鼓動が流れていました。
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幻想の風景はこうして生まれた|トルコが語る大地誕生の物語
トルコで出会った絶景は、どれも現実とは思えないほど幻想的でした。妖精の煙突。虹色に染まる丘。純白の大地と青く輝く水。そして湖底で静かに成長を続ける水中摩天楼。それぞれ異なる姿をしていますが、その背景には共通する壮大な物語があります。
それは、大陸同士の衝突と火山活動によって形づくられた地球の歴史です。プレートがぶつかり合い、大地が押し上げられる。地下ではマグマが活動し、火山灰や鉱物が広大な土地を覆う。さらに風や雨、地下水が長い時間をかけて大地を削り、新たな景観を生み出していく。
その気の遠くなるような営みの積み重ねが、私たちを驚かせる絶景となって現れていたのです。目の前に広がる幻想的な風景は、決して偶然の産物ではありません。そこには何百万年、何千万年という地球時間が刻まれています。
トルコの絶景群は、まるで地球自身が描いた巨大な芸術作品でした。そしてその作品は、完成して終わったわけではありません。今も地下では大地が動き、水が流れ、岩が削られ、新しい景色が生まれ続けています。幻想の風景を巡る旅の果てに見えてきたのは、美しい絶景の向こうで脈打ち続ける地球そのものの姿でした。