衛星の時代なのに、なぜ海底ケーブル?|スマホをつなぐ「海の底の生命線」が切れたら?【真相の館】

海底ケーブル敷設船 BLOG
スポンサーリンク

今、みんなが手にしているスマートフォン。メッセージを送り、動画を見て、SNSを開く。私たちはそれを「無線通信」だと思っています。たしかに、スマホから基地局までは電波でつながっています。では、その先は?

海外にあるサーバーへアクセスするとき、私たちのデータの多くは空に浮かぶ通信衛星へ向かうのではありません。向かう先は――海の底です。世界の国際データ通信の99%以上を担っているのは、いまも海底に張り巡らされた光ファイバーケーブル。

衛星が地球を飛び交い、スマホだけで世界中とつながれる時代になっても、私たちの情報社会は何千kmもの海底ケーブルによって支えられているのです。けれど、ここでひとつ気になることがあります。もし、そのケーブルが切られたら?

海底ケーブルは漁業や船の錨、自然災害などによって実際に損傷し、世界では2025年だけでも170件を超える修理が報告されています。一本が切れただけなら、別の経路へ通信を迂回させることもできます。しかし複数の重要なケーブルが同時多発的に失われたら…。

それが事故ではなく、国家間の対立の中で意図的に狙われたものだったら――。もはや「インターネットが遅くなる」というだけの話ではありません。金融、行政、企業活動、そして私たちが毎日使っているスマホまで。

普段は見ることさえない「海の底の生命線」が、世界の暮らしと国家安全保障をつないでいます。NHK『真相の館』が今回迫るのは、「海底ケーブル」。衛星の時代に、なぜ私たちはいまも海底ケーブルを必要としているのでしょう。そして――その見えない生命線が破壊されたとき、世界では何が起こるのでしょうか。

【放送日:2026年8月29日(土)20:30 -21:00・NHK-Eテレ】
【放送日:2026年9月3日(木)22:00 -22:30・NHK-Eテレ】

<広告の下に続きます>

スマホは「無線」なのに、なぜ海底ケーブル?~国際通信を支える光ファイバー

スマートフォンというくらいですから、私たちは普段、スマホの通信を「無線」だと思っています。実際、スマホから基地局までは電波でつながっています。ところが、その先までずっと電波が飛んでいくわけではありません。スマホはトランシーバー(無線機)ではないですからね(笑)

私たちの近くにある基地局から先は陸上の光ファイバーなどを通り、海外へ向かう通信の多くは、やがて海岸へたどり着きます。そこで待っているのが、海底ケーブルです。ITU(国際電気通信連合)によれば、世界の国際データ通信の99%以上は海底ケーブルによって運ばれています。

空には通信衛星が飛び交い、低軌道衛星を使った高速インターネットまで登場している時代。それなのに、世界中のスマホやパソコンをつなぐ国際通信の主役は、いまも海の底に敷かれた光ファイバーなのです。

なぜ、衛星ではないのでしょう? 大きな理由のひとつが、通信できるデータ量の大きさです。海底ケーブルの内部には何本もの光ファイバーが収められ、電気信号ではなく光によって膨大なデータを高速で運んでいます。

さらに、地上と宇宙を往復する衛星通信に比べ、光ファイバーは大容量のデータを低い遅延で安定して運ぶことに向いています。だから動画を見ても、海外のウェブサイトを開いても、クラウドサービスを使っても、私たちは海底ケーブルの存在をほとんど意識しません。意識しなくて済むほど普通につながっていること自体が、海底ケーブルのすごさなのかもしれません。

日本の海底ケーブルの歴史をたどると、1964年には日本とアメリカを結ぶ初の太平洋横断海底ケーブル「TPC-1」が開通しました。神奈川県二宮町から太平洋へ延びていたそのケーブルは、当時は主にKDD(KDDIの前身)の国際電話などを運ぶためのものでした。

そういえば私も高校生のころ、KDDに勤めていた友人のお父さんから、「このあたりから太平洋を横断する海底ケーブルが出ている」という話を聞いた記憶があります。大磯のあたりだったと思っていましたが、いま調べてみると、その少し西にある二宮でした。40年以上前に聞いた話が、まさかいま自分が使っているインターネットへつながってくるとは思いませんでした。

もちろん、当時のケーブルと現在の海底ケーブルでは、運べる情報量も技術もまるで違います。それでも、海を越えて人と人をつなぐため、海底に一本の線を延ばす。その基本的な発想は変わっていません。そして現在、その「一本の線」の中を走っているのは、電話の声だけではありません。

動画も、SNSも、仕事のデータも、そして私たちがスマホから何気なく送った短いメッセージも、国境を越えるときには海底の光ファイバーを通っているかもしれません。そう考えると、「インターネット」や「クラウド」という言葉から受ける印象とは、ずいぶん違って見えてきます。

世界の情報は、「クラウド」という空のどこかに浮かんでいるわけではない。デジタル社会は、驚くほど物理的な「線」の上にできているのです。では、その何千kmにも及ぶ光ファイバーを、いったいどうやって太平洋の海底へ敷いているのでしょう。次は、海底ケーブルを積んだ巨大な船へ乗り込んでみましょう。

<広告の下に続きます>

何千kmものケーブルを、どうやって海底へ沈める?~巨大な敷設船と深海の光ファイバー

海底ケーブルが何千kmも続いていると聞いて、最初に浮かんだ疑問がありました。「そんなに長いケーブル、船に積めるの?」太平洋の真ん中までケーブルを沈めながら進んで、「船長、ケーブルがなくなりました!」

なんてことになったら大変です。

ところが海底ケーブルを敷設する専用船には、本当に何千kmものケーブルを収納するための巨大なケーブルタンクが備えられています。たとえばKDDIの海底ケーブル敷設船には、船内に円筒形の巨大なケーブルタンクがあり、そこへ海底ケーブルを何重にも巻くように積み込んでいきます。

そして敷設するときには、船があらかじめ調査されたルートをゆっくり進みながら、船尾からケーブルを少しずつ海へ送り出します。深い海では、そのケーブルが自らの重さによって何千mもの海底へ沈んでいきます。

ただ沈めればいいわけでもありません。船が速すぎればケーブルには強い力がかかり、遅すぎれば海底に余分なケーブルがたまってしまう。海底には海溝もあれば斜面もあります。そのため船では、水深や海底地形、船の速度などを見ながら、ケーブルにかかる張力を調整して敷設していきます。

さらに海岸に近い浅い海では、船の錨や底引き網などの漁具によってケーブルが傷つく危険があります。そこで専用の埋設機を使い、海底に溝を作ってケーブルを埋めることもあります。私たちがスマホで何気なく送っているデータのために、海の上ではこんな大掛かりな工事が行われているのです。

では、敷設したあと何十年もの間、ダイバーがケーブルに沿って潜って定期点検しているのでしょうか。もちろん、そんなことはできません。太平洋を横断するケーブルを端から端まで人間が目視するなんて、とても現実的ではありません。

海底ケーブルは陸上の設備から通信状態を監視し、異常が起きれば測定によって障害が発生した場所を絞り込みます。そして修理が必要になれば、再びケーブル船の出番です。深海では、特殊な器具を海底へ降ろしてケーブルを引っかけ、何千mもの海底から船上まで引き揚げることがあります。

故障した部分を取り除き、船に積んである予備のケーブルをつなぐ。内部の細い光ファイバーも一本ずつ接続し、通信試験を行って問題がなければ、再び海へ戻します。考えてみれば、不思議な光景です。AIもクラウドもSNSも、目には見えない「デジタルの世界」の出来事のように感じます。

けれど、その世界を支えているものが壊れれば、最後は人間が船で現場まで行き、海底からケーブルを引き揚げて修理する。世界最先端の情報社会を支えているのは、驚くほど巨大で、地道で、物理的な仕事なのです。そして、そのケーブルを敷くには莫大な費用がかかります。船を動かし、ケーブルを製造し、海底を調査し、故障すれば修理する。

では――。これだけ巨大なインフラを、いったい誰がお金を出して造っているのでしょう。国でしょうか。通信会社でしょうか。それとも、私たちが毎日のように利用している巨大IT企業なのでしょうか。次に気になってくるのは、海底ケーブルの技術ではなく、「このケーブルは誰のものなのか?」という問題です。

<広告の下に続きます>

世界をつなぐ海底ケーブルは、いったい誰のもの?~巨大IT企業が握る「通信の道」

何千kmもの海底ケーブルを造り、専用船で海へ運び、深海へ沈める。それだけでも莫大な費用がかかりそうです。では、そのお金はいったい誰が出しているのでしょう?これほど重要な通信インフラなのだから、国が造って所有していると思うかもしれません。

ところが、世界の海底ケーブルの多くは民間企業によって造られ、所有・運用されています。一本のケーブルを一社で所有する場合もあれば、通信会社やクラウド事業者など複数の企業がコンソーシアムを組み、共同で所有する場合もあります。かつて、その中心にいたのはKDDのような国際通信を担う通信会社でした。

ところが、インターネットの普及によって大量のデータが国境を越えるようになると、思いがけない企業が「通信の道」そのものを持つようになりました。Google、Meta、Microsoft、Amazon。私たちが検索し、SNSを使い、クラウドへデータを預け、ネットショッピングをするたびに名前を目にする、アメリカの巨大IT企業です。

CSIS(戦略国際問題研究所)によると、この4社だけで現在、世界の海底ケーブル帯域のおよそ半分を所有、またはリースしています。ここで注意したいのは、「世界の海底ケーブルの半分を4社が所有している」という意味ではないことです。

ケーブルそのものを単独・共同所有するケースだけでなく、他社のケーブルから長期間にわたって大きな通信容量を確保するケースも含まれます。実際、TeleGeographyが2026年8月に更新した資料を見ると、Google、Meta、Microsoft、Amazonは、単独所有、共同所有、大口の通信容量購入など、さまざまな形で世界各地の海底ケーブルへ関わっています。

なぜ、IT企業がわざわざ海底ケーブルまで持つのでしょう。理由を考えてみれば、意外と単純です。世界中に巨大なデータセンターを持ち、その間で膨大なデータをやり取りする企業にとって、海底ケーブルは誰かから借りるだけの「通信回線」ではなくなったからです。

自分たちが使う道路なら、道路そのものを造ってしまおう。そんな時代になったのです。日本も無関係ではありません。日本につながる国際海底ケーブルにも、KDDIやNTTなどの通信事業者だけでなく、Googleなどの巨大IT企業が関わっています。たとえば日本とカナダを結ぶ「Topaz」はGoogleが開発し、NECが供給した海底ケーブルです。

ここまで知ると、少し不思議な気持ちになります。道路や港、鉄道なら「国の重要なインフラ」という感覚があります。ところが、世界中の経済活動や行政、金融、そして私たちのスマホまで支えている「通信の道」では、民間企業が極めて大きな役割を担っているのです。

では、少し極端なことを考えてみましょう。もし将来、日本とアメリカの関係が大きく悪化して、アメリカ政府が自国企業に、「日本との通信には協力するな」と言い始めたら、どうなるのでしょう?もちろん、大統領が一言命令すれば日本のインターネットが突然止まる、というほど単純な仕組みではありません。

海底ケーブルには複数の所有者や利用者がいて、通信経路も複数あります。それでも、世界の通信容量の大きな部分を特定の国の巨大企業が所有・利用しているという事実は、海底ケーブルが単なる民間ビジネスではなく、経済安全保障にも深く関わるインフラであることを示しています。

そして問題は、誰が「通信の道」を持っているのかだけではありません。海底ケーブルを製造する企業。敷設する企業。修理する船。ケーブルが陸へ上がってくる国。そのどこかに大きな問題が起これば、世界の通信にも影響が及ぶ可能性があります。

普段、私たちはそんなことを考えずにスマホを使っています。しかし、その画面の向こうには、国境を越えて所有され、利用され、管理されている巨大な物理インフラがあります。世界をつないでいる「道」を誰が持つのか。それ自体が、国家にとって無視できない問題になっているのです。

そして――。所有者がいる「道」なら、当然それを守らなければなりません。地上の道路なら、壊された場所を見つけるのは難しくないでしょう。でも海底ケーブルがあるのは、誰の目も届かない深い海の底です。もし、その「通信の道」が意図的に切断されたら。私たちのスマホは、そして世界は、どうなるのでしょう?

<広告の下に続きます>

海底ケーブルが破壊されたら、世界はどうなる?~事故と工作の境界線

世界の通信を支える海底ケーブル。もし、その一本が突然切れたら――。スマートフォンはつながらなくなり、インターネットも止まってしまうのでしょうか?

実際には、海底ケーブルが一本切れただけで、世界のインターネットが止まるわけではありません。国際通信網には何本もの海底ケーブルが張り巡らされ、ひとつの経路に障害が起きれば、別の経路へ通信を迂回できるようになっています。そもそも海底ケーブルの損傷自体は、それほど珍しいことではありません。

世界では毎年150~200件程度の海底ケーブル障害が発生しており、その多くは漁業や船舶の錨など、人間の活動によるものです。もちろん地震や海底地滑りといった自然災害で損傷することもあります。だから一本切れたからといって、すぐに「攻撃された」と考えることはできません。

問題は、重要な海底ケーブルが複数、同じ時期に切断されたらどうなるのかということです。迂回できる通信容量が足りなくなれば、通信速度の低下や接続障害が起こる可能性があります。そして海底ケーブルを通っているのは、SNSや動画だけではありません。

企業のデータ通信、クラウドサービス、国際的な金融取引など、現代社会を動かす膨大な情報が海を越えています。海底ケーブルが「国家安全保障」にまで関わるといわれる理由は、ここにあります。近年、その危うさを感じさせる出来事がバルト海などで相次いでいます。

2024年12月、フィンランドとエストニアを結ぶ海底電力ケーブル「Estlink 2」と複数の通信ケーブルが損傷しました。フィンランド当局は、現場付近を航行していたタンカー「Eagle S」を捜査。海底からは長距離にわたって錨を引きずった痕跡が確認され、回収された錨は同船のものと判断されました。

2025年にフィンランド国家捜査局は捜査を終了し、船長ら乗組員を犯罪容疑の対象としています。「Eagle S」は、ロシア産石油を運ぶいわゆる「影の船団」との関連が指摘されてきた船でもあります。そう聞けば、「ロシアによる破壊工作だったのでは?」と疑いたくなります。

しかし、ここには大きな壁があります。ケーブルが船の錨によって切れたことと、国家が意図的に切断させたことは、同じではありません。実際、バルト海周辺で起きた一連のインフラ損傷について、エストニア当局は、現時点でそれらを国家による意図的な破壊工作と断定できる証拠は確認されていないとの見方を示しています。

ここに、海底ケーブルを守る難しさがあります。道路を爆破すれば、攻撃されたことは比較的分かりやすいでしょう。しかし海底ケーブルは、深い海の底にあります。船が錨を引きずって切断したとしても、それが操作ミスだったのか、重大な過失だったのか、それとも最初からケーブルを狙った行為だったのか。海底で起きた出来事だけを見て、すぐに判断することは容易ではありません。

そして国家が関与した「工作」だったとするなら、さらに難しい問題が生まれます。誰がやったのかを証明できなければ、誰に責任を問えばいいのでしょう。これは海底ケーブルだけに限らない、現代の「グレーゾーン」と呼ばれる安全保障問題にもつながります。

戦争を宣言してミサイルを撃ち込むのではない。事故にも見える形で、相手国の社会を支える重要インフラへ圧力をかける。もしそんなことが可能なら、海底ケーブルの脆弱性は、単に「切れやすい」という物理的な問題だけではなくなります。

しかもケーブルは、何千kmにもわたって海底を走っています。そのすべてを軍艦で警備することなどできません。一本なら迂回できる。壊れれば修理もできる。けれど、「誰かが意図的に、複数の生命線を狙ったら?」そこまで考えたとき、海底ケーブルは通信会社だけの設備ではなくなります。

世界の経済と社会を支える重要インフラであり、国家が守らなければならない「海の底の生命線」になるのです。では、これほど長く、深く、しかも誰の目にも触れない海底ケーブルを――。いったい誰が、どうやって守ればいいのでしょう?

<広告の下に続きます>

誰が「海の底の生命線」を守るのか?~民間インフラが国家安全保障になる日

海底ケーブルが国家安全保障に関わるほど重要なら、軍艦や監視船で守ればいい。そう考えたくなります。しかし、世界の海底ケーブルは総延長170万kmを超えています。そのすべてを24時間監視することなど、現実的ではありません。

しかも前章で見てきたように、海底ケーブルが損傷する原因の多くは、船の錨や漁業、自然災害などです。怪しい船をすべて排除すればいい、という単純な問題でもありません。では、誰が守るのでしょう? その答えはおそらく、「誰か一人では守れない」ということなのだと思います。

海底ケーブルを所有・運用する通信会社やIT企業。ケーブルを敷設し、故障すれば深海から引き揚げて修理する企業。船舶の航行を管理する海事当局。犯罪の可能性があれば捜査する警察や沿岸警備機関。そして重要インフラとして国全体の安全保障を考える政府。

さらにケーブルは国境を越えて延びており公海上に設置されている部分も多いため、一つの国だけで完結する問題でもありません。実際、ITU(国際電気通信連合)とICPC(国際ケーブル保護委員会)は2024年、「海底ケーブル強靱性に関する国際諮問機関」を設立しました。

参加しているのは政府だけではありません。規制当局、海底ケーブル事業者、通信会社、ケーブル船の運航会社、国際機関など、海底ケーブルに関わる官民のさまざまな組織です。2026年にまとめられた提言でも、政府と事業者の情報共有、損傷リスクの把握、監視、迅速な修理、通信経路の多様化などが重視されています。

ここで大切なのは、「絶対に切らせない」ことだけが、海底ケーブルを守ることではないということです。どれほど警戒しても、事故や地震までなくすことはできません。

ならば一本が切れても、別のケーブルへ通信を逃がせるようにしておく。同じ場所にケーブルを集中させず、異なるルートを確保する。故障地点をすぐに特定できるようにする。そして修理船と予備のケーブルを用意し、できるだけ早く復旧できる体制を整えておく。「切れないインフラ」ではなく、「切れてもつながり続けるインフラ」をつくる。それが、海底ケーブルを守るもう一つの方法なのです。

2025年に採択された国際的な宣言でも、海底ケーブルの経路や陸揚げ地点を地理的に分散させることや、迅速な修理体制を整えることが重要だとされています。考えてみれば、不思議なインフラです。造るのも民間企業。所有するのも、多くの場合は民間企業。故障すれば、民間のケーブル船が海へ出て修理する。

けれど、それが失われれば企業だけでなく、金融、行政、医療、教育、そして国家の活動にまで影響が及びます。ITUも海底ケーブルを、こうした社会活動を支える重要インフラとして位置づけています。民間企業の設備でありながら、社会全体で守らなければならない。ここに、海底ケーブルというインフラの少し特殊な姿があります。

そして私たちは、その存在を普段ほとんど意識していません。朝、スマホを手に取る。ニュースを見る。検索する。SNSを開く。誰かへ短いメッセージを送る。画面の向こう側へ情報が届くまでに、どんな道を通ったのかなんて考えもしません。

けれど、国境を越えるその通信のどこかで、私たちの言葉が光となって、暗い海の底を走っているかもしれません。衛星が空を飛び交う時代になっても、世界はまだ、何千kmもの物理的な線によってつながっています。そして、その線があるからこそ。私たちは今日も、「つながるのが当たり前」だと思ってスマホを使うことができるのです。

海底ケーブルとは、世界のどこかにある特殊な設備ではありません。それは普段は見えないまま、私たちの日常を足元から支えている――「海の底の生命線」そのものなのです。


湘南ひらつかITサポートセンターをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

湘南ひらつかITサポートセンターをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました