三重県鳥羽市の沖合、伊勢湾の入口に浮かぶ神島は、古くから「神が宿る島」として大切にされてきました。スーパーや飲食店が一軒もない小さな島には、ゆっくりと流れる「島の時間」が今も息づいています。
『小さな旅』では、神島を愛する漁師や、50年以上にわたって野菜を無料で配り続ける男性との出会いを通して、人と人との温かなつながりや、島ならではの暮らしを見つめます。神が宿る島で育まれてきた、変わらない時間の流れをたどる旅へ出かけます。
【放送日:2026年7月17日(金)11:05 -11:30・NHK-総合】
【放送日:2026年7月18日(土)6:05 -6:30・NHK-BSP4K】
【放送日:2026年7月24日(金)9:00 -9:25・NHK-BSP4K】
<広告の下に続きます>
神島とは?「神が宿る島」と呼ばれる理由
三重県鳥羽市の沖合、伊勢湾の入口に浮かぶ神島は、周囲およそ4キロほどの小さな島です。古くから航海の安全を願う人々にとって大切な場所とされ、「神が宿る島」として語り継がれてきました。
島にはスーパーや飲食店が一軒もありません。それでも島で暮らす人々は、豊かな海の恵みや互いに支え合う暮らしを大切にしながら、ゆっくりと流れる時間を紡いでいます。
神島は、文豪・三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台としても知られ、多くの人が憧れを抱く島でもあります。青い海と白い灯台、どこまでも広がる空、そして昔から変わらない人々の営みは、訪れる人の心を静かに癒やしてくれます。
『小さな旅』では、そんな神島で暮らす人々の日常に寄り添いながら、「島の時間」が育んできた温かなつながりを見つめていきます。島へ渡る船に揺られていると、日常の慌ただしさも少しずつ遠ざかり、神島ならではの穏やかな時間が静かに始まります。
<広告の下に続きます>
神島を愛する漁師が見つけた新しい居場所
神島で最初に出会うのは、この島を愛して暮らす一人の漁師です。
番組予告によると、この漁師の男性はもともと人づきあいが得意ではなかったそうです。しかし神島で暮らし始めてからは、島ならではの人と人との距離の近さに心地よさを感じるようになりました。
人口の少ない島では、誰かが困っていれば自然と声をかけ、助け合うことが当たり前になります。都会では「近すぎる」と感じてしまう距離も、神島では安心して暮らしていくための大切なつながりとして受け継がれてきました。
漁師という仕事もまた、一人では成り立ちません。海の様子を伝え合い、ときには力を合わせながら漁へ向かう。その積み重ねの中で、人との関わりが少しずつ暮らしの一部になっていったのかもしれません。
『小さな旅』は、派手な出来事ではなく、一人の漁師が神島で見つけた「居場所」を静かに映し出します。その穏やかな笑顔からは、島で流れる時間が人の心までゆっくりとほどいてくれることが伝わってくるようです。
<広告の下に続きます>
野菜を50年以上配り続ける男性と島の絆
神島では、50年以上にわたって島の人々へ野菜を無料で配り続けている男性がいます。スーパーがない神島では、新鮮な野菜は決して当たり前の存在ではありません。だからこそ、その野菜は食べ物としてだけではなく、人と人とをつなぐ温かな贈り物にもなっているのでしょう。
番組では、この男性から対岸の町との少し不思議な交流も紹介されます。神島は海の幸に恵まれた島ですが、対岸の田原市には豊かな畑が広がっています。長い年月の中で、魚と野菜、それぞれの土地の恵みを分かち合うような交流が育まれてきたのでしょう。その交流については放送を見てのお楽しみです。しかし、お金だけでは表せない人と人とのつながりが、神島には今も息づいていることは間違いありません。
『小さな旅』は、一人の男性が野菜を配り続ける姿を通して、「与えること」と「支え合うこと」の意味を静かに映し出します。その優しさは島の人々だけでなく、対岸の町へも広がり、半世紀以上にわたる温かな絆を育んできたのでしょう。
<広告の下に続きます>
スーパーも飲食店もない島に流れる「島の時間」
神島にはスーパーも飲食店もありません。都会で暮らしていると不便に思える環境ですが、島ではそれが特別なことではなく、ごく当たり前の日常として受け入れられています。
足りないものがあれば誰かが声をかけ、海で獲れた魚や畑で育てた野菜を分け合う。暮らしは「買う」だけではなく、「支え合う」ことで成り立っています。島で流れる時間は、効率よりも人とのつながりを大切にしているようです。
人と人との距離が近いからこそ、お互いの暮らしが自然と見え、助け合いも生まれます。漁師が海の恵みを届け、野菜を育てる人が季節の実りを分ける。その積み重ねが、神島らしい穏やかな日常を支えてきました。
『小さな旅』が映し出すのは、便利さを求める暮らしではありません。ゆっくりと流れる時間の中で、人と自然、人と人が寄り添いながら生きる姿です。
島の時間は、時計の針がゆっくり進むという意味ではありません。互いを思いやる気持ちが暮らしの中に息づいているからこそ、訪れた人はどこか懐かしく、心がほどけていくような時間を感じるのでしょう。
<広告の下に続きます>
神が宿る島で見つけた、変わらない豊かさ
神島には、スーパーも飲食店もありません。不便に思える暮らしの中で、人々は互いに支え合い、海や畑の恵みを分かち合いながら毎日を重ねています。
便利さだけを求めれば、島の暮らしは決して効率のよいものではないかもしれません。それでも神島には、人と人とのつながりや、自然とともに生きる喜び、お金では測れない豊かさが今も息づいています。
漁師が見つけた新しい居場所。半世紀以上にわたり野菜を配り続ける男性の優しさ。そして島全体を包み込む穏やかな時間。その一つひとつが、「神が宿る島」と呼ばれてきた理由を、静かに語りかけているようです。
『小さな旅』は、神島の美しい風景だけではなく、そこで暮らす人々の心を映し出します。変わりゆく時代の中でも、変わらず受け継がれてきた思いや助け合いの心は、私たちが忙しい日常の中で、いつの間にか置き忘れてしまった大切なものを思い出させてくれるのでしょう。
島を離れる船がゆっくりと港を離れるころ、振り返る神島は夕暮れの海に静かに浮かんでいます。その景色とともに持ち帰るのは、お土産ではなく、「人と人が寄り添って暮らす豊かさ」なのかもしれません。