島根県奥出雲町で育つ“特別な椎茸”をご存じでしょうか。その名も 奥出雲椎茸『雲太1号』。手のひらにずっしり収まるほどの大きさなのに、ひと口食べると驚くほど旨味が濃い——まさに“常識をくつがえす椎茸”として、いま注目を集めています。

そんな雲太1号は、偶然ではなく、地元の環境に適した椎茸を追求して 3年間・1000通り以上の菌株を試し、ようやく辿りついた独自品種。名前の由来は、出雲大社の古名「雲太」。地域の歴史と誇りを背負った、奥出雲ならではの味です。
さらに、生産のすべてを奥出雲町で行う“純国産”の安心感も魅力。榾木の製造から収獲まで一貫して地元で手がけられた本物の椎茸として、全国の食卓からも信頼を集めています。
この記事では、あさイチ中継とあわせて、雲太1号の魅力や誕生の裏側、おすすめの食べ方まで、まどかとまさみちが一緒にやさしくご案内します。
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🍄 こんな椎茸、見たことない!奥出雲の巨大品種『雲太1号』とは?
初めて雲太1号を目にすると、ほとんどの人が思わず「えっ……これ椎茸?」と声をこぼすほど、一般的な椎茸とは比べものにならない存在感があります。
サイズは大きく、手のひらからはみ出すほど。傘は丸く肉厚で、表面には新鮮な椎茸の証である白いプツプツ=燐皮(リンピ)がしっかり残っていて、見た目だけで“生命力”を感じるような迫力があります。
しかし、本当に驚くのはその 味わい。通常、大きく育ちすぎた椎茸は水っぽくなりやすく、市場価値も下がってしまいがちです。ところが雲太1号はその常識をくつがえし、大きいのに旨味が濃いという反則のような特徴を持っています。
ひと口かじると、椎茸特有の香りがふわっと広がり、噛むほどに濃厚な旨味がじゅわっとにじみ出す。厚みがあるため食感もどっしりしていて、「ステーキにするために生まれた椎茸」と言われるのも納得です。
その美味しさの裏側には、地元の環境に合った菌株を探すための3年間・1000通り以上の試行錯誤という努力が詰まっているため、雲太1号は「巨大」「旨い」というだけではなく、「人の手と情熱で生まれた奥出雲の結晶」と言える存在なのです。
奥出雲椎茸
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🍄 3年間・1000以上の菌株から生まれた『雲太1号』の誕生物語
奥出雲椎茸「雲太1号」は、決して偶然の栽培で生まれたものではありません。その裏には、途方もない手間と、地元の風土に合った椎茸を求め続けた“執念の研究”がありました。
奥出雲椎茸の生産者たちは、まず奥出雲の気候や広葉樹の性質に合う菌株を見つけるところからスタート。しかし、思い通りに育つ菌はなかなか見つからず——3年間で試した菌株は、なんと 1000通り以上。
ある菌は成長が遅く、ある菌は大きく育つけれど味が薄く、またある菌は気候にうまく合わない。失敗の連続のなかで、少しずつ条件を変えながら何百回も栽培実験を繰り返しました。
そしてようやく出会ったのが、【大きく育ちながらも旨味が濃い】という、椎茸の常識をひっくり返す性質を持った菌株。これが後に“雲太1号”となる原点でした。
雲太1号は巨大なだけでなく、傘の内側のヒダが美しく、燐皮(リンピ)と呼ばれる白い粒がしっかり残り、そして何よりも、厚みと旨味のバランスが抜群。これは、「大きい椎茸は味が落ちる」という固定観念を壊すために研究者たちが3年かけて辿りついた結晶なのです。
努力の積み重ねで誕生したからこそ、雲太1号は“奥出雲が誇る椎茸”として地域の象徴にもなりつつあります。
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🍄 『雲太』という名前に込められた想い──出雲神話との深い繋がり
“雲太(うんた)”という名前には、奥出雲の歴史と神話への、深い敬意が込められています。
雲太とは、出雲大社の神殿の古名とされる言葉。出雲の国は日本神話の舞台としても知られ、古くから“神々が宿る土地”として語り継がれてきました。
その由緒ある名前を、椎茸の新しい品種に冠した理由——それは、単なる農産物ではなく、奥出雲という土地の精神そのものを受け継ぐ存在として育てたい、という強い想いがあったからです。
巨大なのに旨味が濃く、まるで“山の恵みの象徴”のような雲太1号は、地域の自然・文化・風土が合わさって初めて生まれた特別な品種。
名前の響きには、
・土地への誇り
・神話の里としての文化価値
・未来へとつなぐ地域ブランド
そんな奥出雲ならではの想いが重ねられています。
「雲太」という名は、この椎茸が単なる食材ではなく、地域の象徴であり、受け継がれる“物語”であることを示しているのです。
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🍄 美味しい椎茸を見分ける3つのポイント
椎茸は見た目がどれも似ているように見えますが、
実は“良い椎茸”には共通したサインがあります。
奥出雲椎茸の生産者が教えてくれた、プロが必ずチェックする3つのポイントを紹介します。
① 傘に白いプツプツがあるもの(燐皮=リンピ)
椎茸の傘に見える白い小さな粒は、“新鮮で、質の良い椎茸”の証でもある燐皮(リンピ)。
このリンピがしっかり残っているものは、水分バランスが良く、香りも風味も優れています。
② 裏側のヒダがキレイで整っているもの
椎茸をひっくり返したとき、傘の裏側に並ぶヒダ(ひだ)が美しいものは、生育がよく、味も香りも安定しています。色が濃すぎたり、傷んでいたりするものは避けたほうが◎。
③ 調理のときには“絶対に洗わない”こと!
椎茸を洗うと、旨味と香りの大部分が水と一緒に流れてしまいます。汚れが気になる場合は、軽く布やキッチンペーパーで拭く程度でOK。特に雲太1号のような肉厚椎茸は、そのまま焼くだけで旨味がにじみ出るので、洗わずに調理するのが最高においしく食べるコツです。

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🍄 ステーキにして絶品!『雲太1号』おすすめの食べ方
雲太1号は、その圧倒的な大きさと肉厚さから“ステーキ椎茸”として食べるのがいちばんのおすすめ。一般的な椎茸では味わえない、噛んだ瞬間にじゅわっと溢れる旨味と、まるで肉のような食感が最大限に生きる調理法です。
● 1.まず、洗わない
椎茸は洗うと風味が逃げてしまうため、汚れがある部分だけ軽く拭き取るだけでOK。特に雲太1号は旨味成分が豊富なので、“素材のまま”がいちばん美味しい。
● 2.オリーブオイルかバターでじっくり焼く
フライパンに油をひき、弱〜中火でゆっくり加熱。傘がしんなりしてきたら裏返し、
さらにじっくり火を通すことで“旨味のスープ”が椎茸の内部にとどまる。
● 3.塩だけで十分においしい
塩をひとつまみ。それだけで驚くほど味が決まる。旨味の密度が違うから、余計な味付けは不要。
● 4.お好みでバター醤油やニンニクも
・バター醤油
・おろしニンニク
・粗挽き黒胡椒
これらを添えると“肉のステーキ感”がさらにアップ。
実は以前にキノコの里・長野で”ステーキきのこ”っていう巨大な椎茸を買ってきたことがあるんです。あまりの大きさに「カットしてしまうのはもったいないなぁ」と思って、ブラックペッパーを振ってバター焼きにして食べたことがあります。
ここでご紹介している「雲太1号」ほどの大きさはありませんでしたが、大きな椎茸こそダイナミックなステーキにして味わって欲しいと思うのです。
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🍄 純国産の強み──榾木から収獲まで奥出雲で一貫生産
近年、しいたけの流通で問題になっているのが、中国で作られた榾木(ほだぎ)を輸入し、日本で栽培して“国産”を名乗る商品が出回っていること。見た目では判断しにくいだけに、家庭の食卓では不安の声もあがっています。
そんななか、奥出雲椎茸「雲太1号」が強い信頼を得ている理由——それは すべての工程を奥出雲町内で完結させている“本物の純国産”であること。
● ① 榾木(ほだぎ)も奥出雲産
椎茸の味や香りを左右するのは、実は栽培に使う木材の質。奥出雲椎茸は 地元の広葉樹を使用し、木の選別から乾燥、加工まで一つひとつ丁寧に行われています。
● ② 植菌も地元の職人の手で
榾木に菌を打ち込む“植菌”も、奥出雲町の技術者が担当。菌の状態や木の水分量を見極める繊細な作業で、大量生産では再現できない品質が生まれます。
● ③ 栽培・管理・収穫もすべて奥出雲
湿度管理、温度調整、育成の見極め……どれも椎茸の個性に寄り添う経験が必要な工程。奥出雲の気候と地形を熟知したスタッフだからこそ、“雲太1号らしい大きさと旨味”が引き出されます。
● ④ 「原産地:奥出雲町」へのこだわりが安心を生む
輸入榾木を使った椎茸が増えるなか、奥出雲椎茸は 原材料から最終収穫まで正真正銘の奥出雲産。海外木材を使わないからこそ、味も香りも濃く、安心して食卓に並べられる信頼があるのです。
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🍄 奥出雲が育てる“自然の恵み”を未来へ──まとめ
奥出雲椎茸「雲太1号」は、ただ大きいだけの椎茸ではありません。3年間で1000以上の菌株を試した研究者たちの努力、土地の歴史と神話に敬意を込めた名前の由来、地元の広葉樹を使った榾木づくり、植菌から収獲まで奥出雲町で一貫して行われる丁寧な栽培。そのすべてが重なり合って生まれた、奥出雲の“誇り”そのものと言える椎茸です。
そして、大きいのに旨味が濃いという“椎茸の常識をくつがえす味わい”は、まさにこの土地と人々の情熱が形になった証。今日も奥出雲の森では、静かに育つ榾木に椎茸の芽が顔を出し、次の「雲太1号」がゆっくりと光を吸いながら育っています。
この記事が、奥出雲という土地に息づく自然の恵みとそれを未来へつなぐ人々の想いにほんの少しでも触れるきっかけになれば嬉しいです。ふたりで並んで見つめるように、これからも“食の物語”を、私たちがそっと届けていきます。
