沖縄の魚といえば、マグロやカラフルな南国の魚、グルクンなんかを思い浮かべる人が多いかもしれません。けれど沖縄には、古くから“カツオの町”として栄えてきた地域がありました。離島の座間味諸島などでは戦前はカツオ漁の前線基地として栄えてきた歴史があります。
今回の舞台は沖縄本島北部・本部町。黒潮が流れ込む海でも、この季節になると「初ガツオ」が水揚げされ、地元の人たちの食卓を彩ります。しかも、その味わいは首都圏で食べるカツオのイメージとは少し違います。
鰹の聖地である鹿児島・枕崎のカツオのようにもちもち。ジューシー。鮮度の良さが、そのまま食感になる。そんな沖縄ならではの初ガツオが人気を集めているのです。
その美味しさを支えているのが、「ケンケン漁」と呼ばれる伝統的な曳縄漁。一本一本ていねいに釣り上げ、素早く活け締めにし、冷たい海水で鮮度を守る――。漁師たちの工夫と技術が、“もちもち食感”の秘密でした。
さらに番組では、漁師町ならではのアイデア料理や、琉球フレンチの匠による新作料理も登場。わら焼き。レアフライ。ユッケ丼。そして“火入れの魔術”が生む一皿まで。沖縄の海と人が育ててきた「初ガツオ文化」の奥深さに迫ります。
今回の「食彩の王国」では、南国の海に受け継がれてきた漁師町の知恵と、鮮度が生み出す“もちもちジューシー”な美味しさを巡る旅へ出かけます。
【放送日:2026年5月30日(土)9:30 -9:55・テレビ朝日】
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沖縄でカツオ!? 本部町で受け継がれる“初ガツオ文化”とは?
沖縄の魚と聞くと、多くの人はマグロや南国のカラフルな魚を思い浮かべるかもしれません。けれど沖縄本島北部・本部町には、120年以上受け継がれてきた“カツオ文化”がありました。
本部町は黒潮の恵みを受ける海辺の町。春から初夏にかけて、この海には「初ガツオ」の季節がやってきます。古くから漁師たちは、この時期のカツオを一本一本丁寧に釣り上げ、町の食文化を支えてきました。最盛期には40隻以上の一本釣り漁船が操業し、“カツオの町”として栄えた時代もあったといいます。
沖縄の海は、ただ美しいだけではありません。人が海とともに生きてきた歴史があります。そして本部町では、その海の恵みが今も食卓へつながっていました。
この土地の初ガツオは、本土のイメージとは少し違います。もちもち。ジューシー。鮮度の良さが、そのまま食感になる。その秘密を支えているのが、本部町で受け継がれてきた漁の技術でした。
さらに地元では、刺身だけではなく、わら焼きや漁師飯、さっぱり食べる工夫を凝らした料理まで親しまれています。
観光地として知られる沖縄。けれど本部町には、リゾートの景色だけではない、“海と暮らしの沖縄”が残っていました。沖縄の海には、“カツオの季節”がある。そんな当たり前のようで知られていない文化が、今も静かに受け継がれているのです。
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なぜ“もちもち”なの?「ケンケン漁」が守る鮮度の秘密
沖縄の初ガツオが“もちもちジューシー”と呼ばれる理由。その秘密は、本部町で受け継がれてきた「ケンケン漁」にありました。ケンケン漁は、船の左右に長く張り出した竿から釣り糸を流す「曳縄漁」の一種です。船から左右に張り出した竿に“ヒコーキ”と呼ばれる仕掛けを付け、船を走らせてを仕掛けを水面に小魚のように飛び跳ねさせながらカツオを誘います。

ヒコーキが水面を滑走するときにパシャパシャと音を立てることで、カツオやマグロが「鳥山(とりやま・小魚を狙って海鳥が集まる場所)」があると錯覚して集まってきます。そこで勢いよく食いついたカツオを、一本一本ていねいに釣り上げる。大量の魚を一度に引き上げる網漁とは違い、魚への負担を抑えられることが特徴です。
さらに漁師たちは、釣り上げたカツオをすぐ活け締めにし、冷たい海水へ浸けて鮮度を保ちます。魚は暴れて強いストレスを受けると、マグロと同様に体温で焼けて身質が変わりやすいといわれています。だからこそ、本部町の漁師たちは「鮮度を落とさないこと」に徹底してこだわってきました。その積み重ねが、“もちもち食感”を生み出していたのです。
カツオは鮮度が命。けれど本部町では、その鮮度をただ守るだけではありません。漁そのものが、「美味しく食べてもらうため」に組み立てられていました。黒潮の海で釣り上げる。すぐ締める。すぐ冷やす。沖縄の初ガツオには、漁師たちの長年の知恵と技術が詰まっていたのです。
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わら焼きにユッケ丼!漁師町で生まれた“初ガツオ料理”がおいしそう!
本部町の初ガツオは、鮮度が良いからこそ、さまざまな料理で楽しめます。那覇の和食店では、もちもちの身を豪快にわら焼きに。表面を香ばしく焼き上げながら、中はレアに仕上げることで、初ガツオならではのジューシーな食感が際立ちます。
さらに、サクッと軽やかな衣をまとわせた“レアフライ”も登場。火を通しすぎないからこそ、カツオのやわらかな旨みが残る。鮮度への自信が感じられる一皿です。
一方、本部町の人気料理店では、地元ならではの食べ方も紹介されます。甘辛だれを絡めたユッケ丼。暑い季節でもさっぱり食べられる刺身の工夫。さらに、漁師の賄いから生まれた料理まで。
さしみ亭
- 沖縄県国頭郡本部町大浜882−7
- TEL:0980-47-5523
- 営業時間:11:00~14:30、17:00~20:00(火曜はランチのみ)
- 定休日:水曜
- URL:https://www.instagram.com/sashimitei5523
漁師町では、カツオを“どう美味しく食べるか”が、長い時間をかけて磨かれてきました。沖縄の海は暑い。だからこそ、脂だけではなく、鮮度や食感を生かす知恵が育まれてきたのかもしれません。
もちもち、香ばしい、さっぱり! 同じ初ガツオなのに、料理によってまったく違う表情を見せる。それもまた、本部町のカツオ文化の魅力でした。そして料理の奥には、いつも漁師たちの海があります。丁寧に釣り上げる。すぐ締める。鮮度を守る。その積み重ねが、沖縄の初ガツオを“ごちそう”へ変えていたのです。
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なぜ今“カツオの町復活”なのか?本部町が挑む新しい未来
本部町のカツオ漁には、120年以上の歴史があります。かつては40隻以上の一本釣り漁船が操業し、“カツオの町”として活気にあふれていた時代もありました。けれど今、その風景は少しずつ変わり始めています。漁師の高齢化。後継者不足。海の環境変化。全国の漁師町と同じように、本部町もまた大きな課題に向き合っていました。
かつて土佐や枕崎などで盛んだった大型の一本釣り漁も、燃料費や人手の問題から厳しさを増しているといわれます。沖縄のカツオ漁も例外ではありません。だからこそ本部町では、“どうすればカツオ文化を次の世代へつなげられるか”が大きなテーマになっていました。
ただ魚を獲るだけではなく、「本部町のカツオ」を知ってもらう。食べてもらう。町へ来てもらう。そのために地元では、新しい料理や加工品づくりにも力を入れています。市場。飲食店。漁師。料理人。それぞれが少しずつ手を取り合いながら、“カツオの町復活”へ動き始めているのです。
今回番組に登場する琉球フレンチの新作料理も、その挑戦のひとつ。伝統を守るだけではなく、新しい料理へつなげていく。それは「昔の町へ戻る」ことではありません。
海とともに生きてきた文化を、今の時代に合わせて育て直すことなのかもしれません。魚を守ることは、町を守ることでもある。本部町の初ガツオには、そんな未来への願いも込められていました。
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琉球フレンチが変える初ガツオ――沖縄の海が生む新しい食文化
本部町の初ガツオに、新しい可能性を見出している料理人もいます。那覇で“琉球フレンチ”を手がける島袋司シェフです。沖縄の食材をフランス料理の技法で表現しながらも、その根底にあるのは“沖縄の味”。今回シェフは、本部町の漁師たちを訪ね、鮮度抜群の初ガツオを味わいます。
塩だけで食べる刺身。アラから取った出汁。漁師町で受け継がれてきた素朴な料理。そこから着想を得ながら、新しい一皿を生み出していきます。ひとつは、漁師飯をヒントにした料理。もうひとつは、沖縄ならではの苦みを持つ食材と合わせた一皿。
そして番組で語られるのが、“火入れの魔術”です。火を入れすぎれば硬くなる。けれど弱すぎれば旨みが開かない。そのわずかな境界を見極めながら、初ガツオの“もちもち感”を最大限に引き出していきます。
沖縄料理というと、ゴーヤー、ラフテー、沖縄そば、骨汁…。そんな郷土料理を思い浮かべる人も多いかもしれません。けれど今、沖縄の料理人たちは、伝統を守るだけではなく、新しい表現へ踏み出しています。
漁師町の知恵。南国の海。島野菜。そしてフランス料理の技法。それぞれが重なり合いながら、“沖縄でしか生まれない料理”が形になっていく。沖縄の初ガツオは、伝統を受け継ぎながら、次の食文化へ進もうとしていました。
【亜熱帯ガストロノミーが味わえる唯一無二のレストラン】フレンチレストラン ラトリエ
- 沖縄県那覇市久米2丁目23−21 シャトー久米 1階
- TEL:098-862-8167
- 営業時間:12:00~14:00、18:00~22:00(火・水・木曜はディナーのみ)
- 定休日:月曜
- https://www.latelier-okinawa.com

