ゴールにある秘密の「ケミカルトンネル」とは?ダム建設の歴史が隠された貴重な場所?!【帰れマンデー】

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こんにちは鳥巣です。9/16の帰れマンデーでは黒部第四ダム(クロヨン)の非公開エリアにあるという秘密のケミカルトンネルを目指すようです。クロヨンの建設時に重要なテストが行われたという「ケミカルトンネル」はどこにあって何が行われていたのでしょうか?普段は見ることのできないエリアに潜入です。

クロヨンに行くルートは3つ?!

”クロヨン”の愛称で知られる黒部第四ダムですが、GW以降に「立山黒部アルペンルート」の除雪が終わると、富山側からアクセスできるようになり、大町ルートも例年4月中旬頃から開通します。

2024年の10月以降には富山県の宇奈月温泉から向かう「黒部宇奈月キャニオンルート」も公開される予定でしたが、2024年1月1日の能登半島地震の影響で、黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が損傷したため、2025年以降に延期されることになりました。

黒部宇奈月キャニオンルートは2023年に「ブラタモリ」で特集されたこともあります。

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一方の立山黒部アルペンルートは富山駅から、乗り継ぎ時間を考えなくても、5回の乗り換えがあって実に2時間半もかかります。もっとも長野県側からでもJR信濃大町駅から特急バスや路線バス、電気バス(トロリー)を乗り継いで最短でも2時間かかりますから、黒部峡谷がいかに山深くにあるのかがわかります。

黒四建設時には富山の宇奈月側から幅50cmの作業用歩道やエレベーターなどを作りましたが、このルートでは大型の重機は運び込めないため、立山の反対側、長野県大町市側からトンネル(関電トンネル)を掘って黒四ダムにブルドーザーなどの大型重機を運び込みました。このトンネルを掘る物語が、石原裕次郎と三船敏郎が主演の映画「黒部の太陽」です。

1936年(昭和11年)には黒三ダムの建設が始まりますが、幅50cmの歩道では資材も運べませんから、エレベーターとトンネルを掘って現場までの輸送を確保しました。その時には高温地帯や雪崩の襲来など、悲惨な工事だったと言われています。この話はドキュメンタリー小説家の吉村昭さんの「高熱隧道」に詳しく書かれています。

これらの工事用に整備したルートが2024年度(2025年以降に延期)から一般開放されることになり、それが「黒部宇奈月キャニオンルート」というわけです。

黒部宇奈月キャニオンルートは、その成り立ちからして、ダム建設のための工事用ルートですから、ルート見学中に一部の途中下車で絶景を見られる場所がほんの少しはありますが、工程の途中で勝手にツアーを離れて個人行動をすることはできません。

また、工事用に整備されたルートのためほとんどの区間がトンネルになっていて、一部を除いて、コースの途中からのトンネル外の景色・絶景等は見られません。

またこのツアーは、例えば、各旅行会社において、1泊2日の基本コースに、富山県内までの往復の交通、周辺観光、前後の宿泊などを加えた形でツアー商品として企画され、販売されることになります。

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ケミカルトンネルで行われたロックテストとは?

そんなこんなで作られた黒部第三ダムですが、戦後の関西地方の電力不足を補うために計画されたのが黒部第四ダム(通称:クロヨン)です。1956(昭和31)年に着工され、1963(昭和38)年に完成しました。

その建設工事の最中、フランスで同じ構造のアーチダムが、岩盤の強度が足りずに決壊するという事故が起こりました。黒四ダムは外国からも投資資金を集めて建設されていたので、ロックテストを実施して安全性を証明する必要に迫られたわけです。そこでテストを行ったのが「ケミカルトンネル」です。

その結果、安全性が認められてアーチダムという形で建設は続行ということになったのですが、安全に安全を期すためにダム本体の上部の左右が折れ曲がったウイング形状に変更されたといわれています。

黒四ダム(出典:とやま観光ナビ)
黒四ダム(出典:とやま観光ナビ)

ロックテストとは岩盤の強度を調べる実験で、人目につきにくい場所にあるエレベーターで地下に降りるとロックテストが行われたという現場に着きます。

ちなみに「ケミカルトンネル」はコンクリートを打設する際に使用する薬品の試験などがここで行われていたために、そう名付けられたのではないかと言われています。

ロックテストの現場・ケミカルトンネル(出典:デイリーポータル)
ロックテストの現場・ケミカルトンネル(出典:デイリーポータル)

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まとめ

クロヨンに行くルートは3つ?!

GW以降に「立山黒部アルペンルート」の除雪が終わると、黒部ダムへは富山側からアクセスできるようになり、大町ルートも例年4月中旬頃から開通します。2024年の10月以降には富山県の宇奈月温泉から向かう「黒部宇奈月キャニオンルート」も公開される予定でしたが、2024年1月1日の能登半島地震の影響で、黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が損傷したため、2025年以降に延期されることになりました。

ケミカルトンネルで行われたロックテストとは?

建設工事の最中、フランスで同じ構造のアーチダムが、岩盤の強度が足りずに決壊するという事故が起こりました。黒四ダムは外国からも投資資金を集めて建設されていたので、ロックテストを実施して安全性を証明する必要に迫られたわけです。そこでテストを行ったのが「ケミカルトンネル」です。ちなみに「ケミカルトンネル」とは、コンクリートを打設する際に使用する薬品の試験などがここで行われていたために、そう名付けられたのではないかと言われています。

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