周期表のその先へ|未知の元素を追う科学者たちの挑戦【フロンティア】

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元素はどこまで存在するのだろうか?
学校で学んだ周期表には、水素から始まり現在確認されている118番元素「オガネソン」までが並んでいる。けれど科学者たちの探究は、そこで終わってはいない。その先に未知の元素は存在するのか?周期表はさらに広がるのか?今、世界中の研究者たちがその答えを求めて挑戦を続けている。

中でも注目を集めたのが、日本の研究チームによって発見された113番元素「ニホニウム」だ。しかしニホニウムをはじめとする超重元素は、自然界にはほとんど存在せず、人工的に作り出されても一瞬で別の元素へと姿を変えてしまう。それでも科学者たちは、まだ見ぬ元素の存在を信じて実験を繰り返している。

今回の「フロンティア」では、周期表のその先に広がる未知の世界へと迫る。目に見えないほど小さな原子核の世界で、人類は今も新たなフロンティアを探し続けているのである。

【放送日:2026年6月2日(火)21:50 -22:50・NHK-BSP4K】
【放送日:2026年6月5日(金)14:00 -14:59・NHK-BSP4K】

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周期表はどこまで続く?現在見つかっている118元素とは

私たちの身の回りにある物質は、すべて元素からできている。空気中の酸素。体を作る炭素やカルシウム。建物や機械に使われる鉄やアルミニウム。それらはすべて、異なる元素の組み合わせによって成り立っている。こうした元素を整理したものが、理科の授業でもおなじみの「周期表」だ。

現在、正式に認められている元素は118種類。最も軽い1番元素の水素から、2016年に国際純正・応用化学連合(IUPAC)が正式認定した118番元素オガネソンまでが並んでいる。

周期表を見ると、まるで元素の世界がすべて解明されたようにも見える。しかし実際には、そこが終着点ではない。むしろ科学者たちは今、「119番元素は存在するのか」「120番元素は作れるのか」という新たな問いに挑んでいるのである。そもそも周期表は、元素が発見されるたびに広がってきた。

かつては存在すら知られていなかった元素が次々と見つかり、人類は物質の地図を少しずつ完成させてきたのである。そして現在、その地図の端に立っているのが118番元素オガネソンだ。だが地図の端に立ったからこそ、新たな疑問も生まれる。

周期表は本当にここで終わりなのか。それとも、この先にも未知の元素が待っているのだろうか。科学者たちは今、その答えを求めて周期表のさらに先へと歩み続けている。

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日本が発見したニホニウムとは?113番元素誕生の物語

周期表の歴史に、日本の名前が刻まれている。その名は「ニホニウム」。元素記号はNh、原子番号は113。2016年に正式認定された、日本の研究チームが発見した元素である。ニホニウムという名前は、「日本」を意味するラテン語由来の名称から付けられた。アジアで初めて命名権を獲得した元素としても大きな注目を集めた。

しかし、この発見は決して簡単なものではなかった。ニホニウムは超重元素のひとつであり、自然界にはほとんど存在しない。研究施設の加速器を使い、原子同士を高速で衝突させることで人工的に作り出される。しかも誕生しても長くは存在できない。

原子核が非常に不安定なため、すぐに別の元素へと崩壊してしまうのである。研究者たちは、そのわずかな痕跡を何年にもわたって追い続けた。観測された崩壊のパターンを丹念に分析し、「確かに113番元素が存在した」と証明するために膨大な時間と努力を重ねたのである。

そしてついに、日本の研究チームは世界で初めて113番元素の発見者として認められた。ニホニウムは、私たちが普段目にする金属や気体のような元素ではない。その存在時間は極めて短く、実際の性質もまだ多くが謎に包まれている。

それでも人類は、その一瞬の痕跡の中に新しい知識を見いだした。ニホニウムの発見は、新たな元素を見つけたというだけでなく、人類が周期表の地平線をさらに押し広げた瞬間だったのである。

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超重元素はなぜすぐ消えるのか?原子核に隠された謎

ニホニウムをはじめとする超重元素には、大きな特徴がある。それは、誕生してもすぐに別の元素へ変わってしまうことだ。なぜ超重元素は長く存在できないのだろうか。その答えは、原子核の中に隠されている。

元素の種類を決めているのは、原子核の中にある陽子の数だ。たとえば水素は陽子が1個。炭素は6個。鉄は26個。そしてニホニウムは113個もの陽子を持っている。ここで問題になるのが、陽子同士の反発である。

陽子はプラスの電気を帯びているため、本来なら互いに反発し合う。それにもかかわらず原子核がまとまっているのは、「強い核力」と呼ばれる力が働いているからだ。強い核力は、原子核の中で陽子や中性子を強力に結びつけている。

しかし元素が重くなるにつれて陽子の数は増え、反発する力も大きくなっていく。やがて原子核は不安定になり、自らの形を保てなくなる。その結果、放射線を放出しながら別の元素へと変化していくのである。半減期と呼ばれるもので、超重元素が一瞬で消えてしまうのは、このためだ。

では、さらに重い元素は絶対に存在できないのだろうか。実は研究者たちはそうは考えていない。理論上、特定の陽子数や中性子数を持つ原子核は、超重元素であっても比較的安定する可能性があると考えられている。それが「安定の島」という仮説だ。

もしその島が本当に存在するなら、現在知られている超重元素よりも長く生きる未知の元素が見つかるかもしれない。だからこそ科学者たちは今も、周期表のその先を目指して研究を続けているのである。

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周期表のその先へ|未知の元素を探す世界最前線

現在、周期表の最後に並ぶ元素は118番元素オガネソンである。しかし研究者たちは、その先に未知の元素が存在する可能性を信じている。目標となるのは119番元素、そして120番元素だ。もし発見されれば、周期表は新たな行へと広がることになる。だが、その挑戦は容易ではない。

元素が重くなるほど原子核は不安定になり、作り出すこと自体が極めて難しくなるからだ。研究者たちは巨大な加速器を使い、原子核同士を高速で衝突させる。その中で、ごくまれに新しい超重元素が誕生する可能性がある。しかし成功確率は途方もなく低い。

何兆回、何京回という衝突の中で、わずか数個しか生成されないことも珍しくない。さらに誕生したとしても、その存在時間はほんの一瞬だ。研究者たちは崩壊の痕跡を丹念に追いながら、「確かに未知の元素が生まれた」という証拠を探している。

まるで誰も見たことのない生き物を探す探検家のように。あるいは、地図に描かれていない島を探して航海する冒険家のように。周期表は完成した表(地図)ではない。むしろその端に立った今だからこそ、人類は新たな未知へ挑戦しているのである。

世界各国の研究施設では今日も、まだ名前のない元素を求めた実験が続けられている。周期表のその先には何があるのか。その答えを知る者はまだ誰もいない。

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「安定の島」は存在するのか?元素研究が描く未来

未知の元素を探す研究者たちが目指しているのは、単に周期表を一つ先へ伸ばすことだけではない。その先には、「安定の島」と呼ばれる理論上の領域が存在すると考えられている。

現在知られている超重元素の多くは極めて不安定で、誕生してもすぐに崩壊してしまう。しかし原子核の構造を詳しく研究すると、特定の陽子数や中性子数を持つ原子核は、周囲の超重元素よりも比較的安定する可能性が示されている。

もしその予想が正しければ、超重元素の海の中に、まるで島のように長く存在できる元素が現れるかもしれない。それが「安定の島」である。もちろん、その島が本当に存在するかどうかはまだ分かっていない。

どの元素がそこにあるのか。どれほど安定なのか。あるいは私たちの予想とはまったく異なる姿をしているのか。その答えは誰も知らない。だからこそ研究者たちは挑戦を続けている。巨大な加速器を使い、何年にもわたる実験を繰り返しながら、まだ見ぬ元素の痕跡を探し続けているのである。

周期表は完成した知識の一覧表ではない。むしろ未知へ向かうための地図なのだ。人類はこれまで元素を一つひとつ発見しながら、物質の世界を理解してきた。そして今、その地図の端に立ちながら、さらに先にある景色を見ようとしている。

安定の島には、まだ誰もたどり着いていない。しかしその存在を信じる限り、人類の探究もまた終わることはないのである。

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