うまいッ!きんめだい(千葉・勝浦)の内容は?立縄漁と絶品料理とは?

釣り上げられたキンメ BLOG
たくさん獲るよりも、獲り続けられるようにする。その姿勢こそが、勝浦のきんめだいのおいしさを支える、いちばん大きな理由かもしれません。
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2025年1月4日放送のうまいッ!では、旬を迎えた「きんめだい」を求めて、千葉県の漁師町・勝浦市が舞台となります。

真っ赤な体と金色に輝く目を持つ、“めでたい魚”きんめだい。勝浦では、全国有数の水揚げを誇りながらも、「とらない努力」を掲げ、資源を守る漁が続けられてきました。

その中心にあるのが、深海に生息するきんめだいを傷つけず、新鮮なまま釣り上げる立縄漁。番組では、外房沖での漁に同行し、漁師の技と知恵、そして家庭でも楽しめる絶品料理が紹介されます。

この記事では、番組の内容をもとに、勝浦のきんめだいがなぜおいしいのか、立縄漁と資源管理の工夫、見どころを分かりやすくまとめます。

【放送日:2026年1月4日(日)11:30 -11:53・NHK 総合】

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千葉・勝浦市が“きんめだいの名産地”である理由

千葉県勝浦市が、きんめだいの名産地として知られる理由は、単に水揚げ量が多いからではありません。勝浦沖は、急に水深が深くなる海底地形が特徴で、深海に生息するきんめだいにとって適した漁場が広がっています。

こうした自然条件に加え、勝浦では長年にわたり、資源を守りながら獲る漁が続けられてきました。番組で紹介されるのが、千葉県が掲げる「とらない努力」という考え方。操業時間を制限したり、漁のルールを自ら定めたりすることで、きんめだいの資源量を維持し、安定した水揚げにつなげています。

その結果、全国トップクラスの漁獲高を保ちながら、品質の高いきんめだいを出荷できる産地として、勝浦の名前が知られるようになりました。

「たくさん獲る」よりも、「獲り続けられるようにする」

その姿勢こそが、勝浦のきんめだいのおいしさを支える、いちばん大きな理由といえそうです。

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立縄漁とは?延縄漁との違いは?

きんめだい漁では伊豆・稲取などで行われている一本釣りなどの漁もありますが、勝浦では立縄漁(たてなわりょう)という漁法が使われています。これは名前のとおり、仕掛けを海底に向かって“垂直”に下ろす漁法です。

1本の幹縄(みきなわ)に、複数の枝針と疑似餌を付け、深海まで一気に下ろして魚がかかるのを待ちます。狙うのは、海底付近に生息するきんめだいなどの深海魚。魚群探知機で魚の位置を確認しながら、時間差で丁寧に引き上げていくのが特徴です。

この漁法の大きな利点は、一本釣りのように魚を傷つけにくく、鮮度を保ったまま水揚げできること。1匹ずつ釣り上げるため、活け締めで出荷されることが多く、品質の高いきんめだいにつながっています。

立縄漁と延縄漁(出典:伊豆半島ジオパーク)
立縄漁と延縄漁(出典:伊豆半島ジオパーク)

一方で、よく知られている延縄漁(はえなわりょう)は、幹縄を海面や海底に対して水平方向(横)に長く張る漁法です。マグロやカジキなど、広い範囲を回遊する魚を狙うのに向いています。簡単に言うと、

  • 立縄漁:縦に仕掛ける → 深海の根魚(きんめだいなど)
  • 延縄漁:横に仕掛ける → 回遊魚(マグロなど)

という違いがあります。同じ「釣り針を使う漁」でも、魚の生態や暮らしに合わせて、仕掛けの形や向きがまったく異なります。立縄漁は、きんめだいの生き方に寄り添った、とても理にかなった漁法だといえます。

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漁に同行!立縄漁で釣り上げるきんめだいの現場とは?

番組では、食材ハンターの渡辺早織さんが、外房沖で行われるきんめだい漁に同行します。まだ暗さの残る海で始まる操業。長い幹縄を慎重に海へ下ろし、魚群探知機できんめだいの位置を確かめながら、タイミングを見て引き上げていきます。一気に大量に獲るのではなく、1匹ずつ丁寧に向き合う漁であることが、画面越しにもはっきり伝わってきます。

水面に姿を現すのは、真っ赤な体に金色に輝く目をしたきんめだい。傷がつかないよう細心の注意を払い、すぐに処理を施して鮮度を保つ——その一連の動きに、漁師の長年の経験と技が凝縮されています。

印象的なのは、「たくさん獲ること」よりも「いい状態で届けること」を大切にする姿勢。立縄漁という漁法が、きんめだいの命と価値の両方を守っていることが、現場の様子から実感できます。

海の条件に合わせ、時間や量を自ら制限しながら続ける漁。その積み重ねが、勝浦のきんめだいの信頼とおいしさを支えているのです。

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BBQでも楽しめる!きんめだいの絶品料理

きんめだいといえば煮つけ——そう思っている人も多いかもしれません。もちろん定番の煮つけは外せませんが、番組ではそれだけにとどまらない、素材の良さを生かした料理が紹介されます。

立縄漁で1匹ずつ丁寧に釣り上げられたきんめだいは、身にうまみがあり、脂の質も上品。新鮮だからこそ、焼き物や蒸し料理、シンプルな味付けでも主役になります。例えば、

漁師が独自に行う「焼く前の湯通し・氷締め」で皮の香りと旨味を凝縮させ、炭火で半生焼き、酢橘・ウニ・海苔・黄身醤油で仕上げる独特の技法が特徴で、脂の乗った旬のキンメダイを最高の状態で味わえます。この地元漁師秘伝の調理法でキンメダイの風味は格別、漁港の朝市で新鮮な食材と共に堪能するのが醍醐味です。 

漁師の秘伝の技とは
  • 焼く前に熱湯をかけ、一瞬で脂を浮かせ、氷で締めることで皮の香りを閉じ込める。
  • 皮目に針を打ち、香りを逃がさず凝縮させる。
  • 炭火で半生に焼き上げ、酢橘を絞った瞬間に立ち上る香りが絶品
  • ウニ、海苔、黄身醤油で仕上げる、漁師ならではの贅沢な味わい。

番組で登場する料理は、特別な道具や技術が必要なものではなく、家庭のBBQでも試しやすい工夫が詰まっているのもポイント。きんめだい本来の甘みや食感を生かすことで、「煮つけ以外にも、こんな楽しみ方があるんだ」と気づかせてくれます。

漁の現場で大切に扱われた魚が、台所でも無理なく生かされる。その流れが見えることで、勝浦のきんめだいが“ごちそう”であると同時に、日々の食卓にも寄り添う魚であることが伝わってきます。

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まとめ|立縄漁が支える勝浦のきんめだいのおいしさ

うまいッ!「めでたい!食べたい!きんめだい 〜千葉・勝浦市〜」は、旬の味を紹介するだけの番組ではありません。深海魚・きんめだいの生態に合わせた立縄漁、操業時間を制限するなどの“とらない努力”、そして、漁師の経験が詰まった秘伝の調理法。それらが積み重なって、勝浦のきんめだいのおいしさは守られてきました。

立縄漁によって傷なく水揚げされた魚は、煮つけだけでなく、焼き物やシンプルな料理でも実力を発揮。家庭の台所でも無理なく楽しめる一方で、産地ならではの工夫や知恵が、その味わいをいっそう引き立てます。

「おいしい」には、理由がある。勝浦のきんめだいは、自然・漁師・食卓をつなぐ工夫の積み重ねから生まれた、まさに“旬のごちそう”です。

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