お正月のひととき、誰にも急かされず、静かに旅の気分を味わいたい——そんな人に向けた特番がゆったり温泉ひとり旅 心ほぐれる山陰山陽編です。番組では、山陰・山陽に点在する個性豊かな温泉地を訪ね、ひとりで湯につかり、土地の空気や人の温もりに触れていきます。
派手な演出はなく、俳優たちの穏やかな語りとともに進む、心を休ませるような温泉旅が描かれます。この記事では、番組で紹介される温泉地や見どころを、落ち着いた視点で分かりやすくまとめます。
(放送日:2026年1月1日(元旦)13:18 -14:47・NHK BSP-4K)
島根・温泉津温泉(ゆのつ)
最初に訪れるのは、島根県の日本海側にある温泉津温泉。世界遺産・石見銀山の玄関口として知られる、港町の面影を残した温泉地です。
温泉津という名前のとおり、湯のある場所(津・港)と人の暮らしが、昔から自然に溶け合ってきた町。石畳の通りや木造の建物が並び、時間がゆっくり流れているような空気があります。
番組では、歴史を刻んできた湯船につかりながら、「古きものを受け継ぐ」ということの意味に、そっと触れていきます。
新しく整えられた温泉ではなく、使われ続けてきた湯だからこそ伝わる、静かな心地よさが印象的です。派手な景色や驚きはありません。
けれど、何も足さず、何も削らずに守られてきた湯が、旅の最初にふさわしい落ち着きを与えてくれます。
<広告の下に続きます>
広島・大崎上島 きのえ温泉
次に向かうのは、瀬戸内海に浮かぶ島、大崎上島。船でしか渡れないこの島にあるのが、きのえ温泉です。
穏やかな海に囲まれた高台に位置し、湯船からは瀬戸内海を一望。空と海が溶け合うような景色が広がり、「日本一に選ばれた絶景風呂」として知られています。
温泉津温泉の落ち着いた佇まいとは対照的に、ここで印象に残るのは、ひらけた開放感。何も考えず、ただ景色を眺めながら湯につかる時間が、心をゆっくりほどいていきます。
番組では、ひとりでこの絶景を独占する贅沢さとともに、島ならではの静けさが丁寧に映し出されます。人の気配はあるのに、騒がしくない。そんな距離感が、この温泉地の魅力です。
同じ「ひとり旅」でも、湯の表情が変わるだけで、心のほどけ方も変わっていく——そんなことに気づかせてくれる一湯です。
<広告の下に続きます>
鳥取・岩井温泉(カニと人情)
旅の締めくくりに訪れるのは、鳥取県東部にある岩井温泉。山陰最古の温泉ともいわれ、長い時間をかけて人の暮らしと結びついてきた温泉地です。
ここで印象的なのは、湯そのものだけではありません。番組では、地元の人たちとの交流や、冬の味覚であるカニ料理を囲むひとときが丁寧に描かれます。
温泉に入り、同じ食卓を囲み、言葉を交わす——観光地というより、「人の暮らしの延長線にある温泉」という空気が伝わってきます。
温泉津やきのえ温泉が、ひとりで静かに自分と向き合う湯だとしたら、岩井温泉は、人との距離が少し近づく湯。ひとり旅でありながら、誰かと心を通わせる場面があることで、旅の終わりに、ほっとした余韻が残ります。
<広告の下に続きます>
まとめ|この番組はどんな人に向いている?
ゆったり温泉ひとり旅 心ほぐれる山陰山陽編は、刺激的な展開や情報量の多さを楽しむ番組ではありません。ひとりで温泉に浸かり、景色を眺め、土地の空気に身をゆだねる——そんな時間を、静かに味わう番組です。
そのため、
・お正月を家でゆっくり過ごしたい人
・にぎやかな旅番組に少し疲れている人
・ひとりの時間を大切にしたい人
に、特に向いています。
温泉津の歴史ある湯、大崎上島の開放的な絶景風呂、岩井温泉で触れる人の温もり。どの場所も派手ではありませんが、見終わったあと、心が少し軽くなるような余韻が残ります。
出かけなくても、遠くへ行かなくても、旅をした気分になれる——お正月にそっと寄り添ってくれる、そんな一時間です。