こんにちは鳥巣です。1/21のあさイチではオホーツク海沿岸の紋別市から、傷ついた野生アザラシの保護センター「とっかりセンター」から中継が繋がるようです。もう10年以上前になりますが、私も流氷の押し寄せる紋別を訪れて、流氷観光船「ガリンコ号」に乗ったことがあります。なぜ野生のアザラシが怪我をしたり衰弱してしまうのか?無事に自然に返すために人間に出来ることは何なのかについて調べてみました。
なぜ野生のアザラシがケガをしてしまうのか?
オホーツクもんべつホワイトビーチにある、オホーツクとっかりセンター内のアザラシランドでは、流氷の時期に前後してオホーツク海沿岸に姿を見せるアザラシたちを保護、飼育している日本で唯一の施設です。オホーツク海には4種類のアザラシが生息していますが、現在では2種類(ゴマフアザラシ、ワモンアザラシ)・20頭を超えるアザラシを保護・飼育しています。
では野生のアザラシはなぜ保護が必要なほどのケガをしたり衰弱してしまうのでしょうか?オホーツク海に生息するアザラシは流氷の上で生まれるのですが、独り立ちする前に母親とはぐれて迷子になってしまったり、独り立ち後に餌をうまく獲れなかったりケガをしたりして衰弱した子どものアザラシが、海岸に打ち上がることがあります。
このアザラシたちはオホーツク海で保護された野生で生息していたアザラシです。アザラシランドでは通報があれば保護活動をしているそうです。
①【通報があれば現場に駆け付けます】
とっかりセンターでは、怪我をしたり、弱ったりしているアザラシがいるという通報を受けると、職員が出動します。北は枝幸町から南は網走市まで、現場までは車で2時間以上かかることもあります。
現場に到着したらまず、アザラシの状態を確認します。痩せ具合や怪我をしていないか、動く元気があるか等を見て、保護が必要だと判断されれば、センターへ連れて帰ります。
②【保護収容】
保護されたアザラシは”アザラシペン(アザラシの病院)”の個室に収容して、さらに詳しく検査をします。体重や体長等の計測、心臓や呼吸の音を聴いたり、血液検査をしたりして、症状に合わせた治療を行います。町の獣医さんに往診してもらうこともあります。
保護したばかりのアザラシは、体温の低下を防ぐため、水には入れずに陸上で飼育します。寒い日には、電気マットやペットボトルにお湯を入れた湯たんぽを使い、保温をします。
③【強制給餌】
とっかりセンターでは寄生虫感染を防ぐため、一度冷凍した魚を解凍して与えています。しかし野生のアザラシは、死んでいる魚は餌だと分かりません。そこで、アザラシの口の中に魚を押し込み、「これがごはんだよ」と教えます。これを「強制給餌」と言います。魚の他にも海獣用のミルクや魚のミンチ等、保護したアザラシの週齢に合わせた餌を与え、体力の回復を図ります。
④【水中飼育】
怪我がよくなって体力が戻り、自力で魚を食べられるようになったら、プールに水を張り、泳ぎのリハビリを始めます。久しぶりのたくさんの水に、初めは驚いてしまう子もいますが、すぐに慣れて楽しそうに泳ぎ出します。
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保護したアザラシはみんな治るの?
そういったアザラシが運良く人に発見されると、とっかりセンターに連絡が入り、現場でアザラシの状態を確認して、保護が必要だと判断された子はセンターに連れて帰るというわけです。しかし一般の方が弱っているアザラシを発見したら、
【むやみに近づいたり、触らない!】
全部がケガをしたり衰弱しているアザラシではありません。元気なアザラシが上陸して休んでいるだけのこともあります。たとえ弱っていたとしても、むやみに触ろうとすると、逆に咬まれて怪我をする恐れがあります。
【まずはとっかりセンターへ連絡を!】
そんなアザラシを見かけたら、まずはとっかりセンターへ連絡してください。現場の状況を伺い、必要と判断すれば職員が出動します。とっかりセンターはオホーツクの海を舞台に、アザラシだけを保護・飼育している国内では他にない施設です。昭和62年に4頭のアザラシを保護したことから始まったそうです。
オホーツクとっかりセンター
TEL:0158-24-7563
しかし保護されたアザラシがすべて回復して元気になって海に帰っていくわけではありません。中には保護されても回復せず、残念ながら死んでしまう個体もいるそうです。
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人もアザラシも幸せになるためにどうしたらいい?
とっかりセンターの飼育員の岡崎雅子さんは、10年間にわたって保護したアザラシを野生に帰す活動や、アザラシの飼育に携わってきました。
とっかりセンターの保護活動は、まだまだ試行錯誤の真っ只中です。それでも、とっかりセンターに保護されるアザラシたちは、みんな必死に生きようとしています。それだけはまぎれもない事実です。そして、彼らは人間活動の犠牲者であるかもしれないのに、元気になると私たちに無邪気な姿を見せてくれるといいます。
そんな中で私たちが普段の生活の中でできることといえば、エコバッグやマイボトルを使うことで、不要なプラスチックごみを減らしたり、ごみをきちんと分別したり、エネルギーの無駄遣いに気を付けるなどして、自然環境への負荷を少しでも減らすことだといいます。
こうした小さな取り組みが、アザラシの未来だけでなく、私たち人間の未来も大きく変えていくのです。地球環境や漁業被害など、アザラシが抱える複雑な問題もありますが、お互いに地球に暮らしている仲間なのですから、思いやりの心を忘れずに生きていきたいですね。
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まとめ
なぜ野生のアザラシが怪我をしてしまうのか?
オホーツク海に生息するアザラシは流氷の上で生まれるのですが、独り立ちする前に母親とはぐれて迷子になってしまったり、独り立ち後に餌をうまく獲れなかったりケガをしたりして衰弱した子どものアザラシが、海岸に打ち上がることがあります。
保護したアザラシはみんな治るの?
保護されたアザラシがすべて回復して元気になって海に帰っていくわけではありません。中には保護されても回復せず、残念ながら死んでしまう個体もいるそうです。
人もアザラシも幸せになるためにどうしたらいい?
私たちが普段の生活の中でできることといえば、エコバッグやマイボトルを使うことで、不要なプラスチックごみを減らしたり、ごみをきちんと分別したり、エネルギーの無駄遣いに気を付けるなどして、自然環境への負荷を少しでも減らすことだといいます。こうした小さな取り組みが、アザラシの未来だけでなく、私たち人間の未来も大きく変えていくのです。