佐世保独楽って何?あさイチ中継で話題の喧嘩独楽の歴史と形を解説!

BLOG
スポンサーリンク

長崎県佐世保市の伝統遊び「喧嘩独楽」。ただの独楽遊びかと思いきや、独楽の先端につけた“剣”で相手を攻撃し、勝負を決めることもあるユニークな遊びです。子どもたちは自分の独楽をより強くするため、先端を工夫して競います。その独特な遊び方には、佐世保ならではの文化と町の歴史が隠されています。

誰もがやっていた独楽回し!

お正月の定番遊び

日本の童謡に

♪お正月には凧上げて、独楽を回して遊びましょ♪

とあるように、凧揚げやコマ回しはお正月の子供の遊びの定番でした。そのうちに空は電線で覆われ、コマ回しは「危ないから禁止!」などと大人に止められて、次第にそんな遊びは下火になってしまいました。

それでもボクが子供の頃には、近所の駄菓子屋で買ってきた木製の独楽の軸の先端を彫刻刀で削ってベアリングを仕込み、少しでも友達より長く回るように工夫したりしたものです。

<広告の下に続きます>

”剣”を工夫する子どもたち

佐世保の子供たちは冬場になると、近所の公園などで「コマまわし」をして遊びます。友達同士が集まり、「いきながしょうもんしょうくらべ(息長勝問勝競べ)」の掛け声でどれだけ長く回っているか競い合います。そのあと、早く独楽が倒れた者から順にコマを回します。

ターゲットにするのは回っているコマです。ですから最初の勝負(予選?)で勝った人は最後に投げられるので有利になるわけです。予選で負けると攻められる一方で悲惨です。

自分のコマを狙った相手のコマに「叩きつけて」、回転を阻止したり、弾き飛ばしたりします。これが「喧嘩独楽」のいわれです。

コマの先には、鉄製の「剣(ケン)」が付いていますが、これが相手のコマのてっぺんにうまくヒットすると、相手のコマを真っ二つに割ることもできます。自分のコマが割られたら負けです。そこでいかに自分のコマを強いコマにするかを工夫をするわけです。

駄菓子屋で買ってきた剣を交換して、ヤスリをかけて鋭くしたり、てっぺんにペンキを重ね塗りしたり…子供なりに工夫をするわけです。

しかし相手のコマを割ることができれば剣の部分を貰うことができ、子供にとっては「勲章」でもありました。相手にコマを割られると剣が相手に没収されるので、いろいろ工夫したのだそうです。

<広告の下に続きます>

佐世保の町の風土の話

コマの先に鉄製の剣が付いていれば、独楽を投げて回したときに地面にめり込んでしまって長く回すことが出来なさそうです。

江戸時代の佐世保は平戸藩の一部で、漁師町だった佐世保には数百人しか暮らしていなかったといいます。大きな街道が通っているわけでもないので、地面のほとんどは石畳でもなく土だったのではないかと思われます。そう考えると当時の佐世保独楽には剣は付いていなかったのかもしれません。

<広告の下に続きます>

コマ回しの安全性と当時の時代背景

令和の今だったら、鉄の剣が付いたコマを子供が投げあうなんていうことは「危ない!」と言われて禁止されそうですが、今から数十年前の昭和の頃までは、子供が木の塊のコマを路地で投げあうことは普通に行われていました。

そのことをとやかく言う大人もいませんでしたし、子供にとってはごく普通の日常(冬だけでしたが)のことだったわけです。おおらかな日本、というか今の時代が不自由で生きにくい社会になっているのかもしれません。

しかしそんな社会だったからこそ子供たちも、「自分で考え」、「自分で工夫して」、「自分で作る」という自主性が養われたのかもしれません。

<広告の下に続きます>

佐世保独楽ってどんなコマ?

佐世保独楽は、日本の佐世保市で生まれた伝統的な玩具で約300年の歴史を持っています。元々は漁師たちが暇な時に作っていて初期の独楽はすべてが木製だったといいます。

佐世保独楽で遊んでいるところ(出典:佐世保独楽本舗)
佐世保独楽で遊んでいるところ(出典:佐世保独楽本舗)

やがて地元の職人たちが技術を発展させて、美しい模様や色彩の陶製独楽も作られるようになりました。佐世保独楽は、その優雅な回転と芸術的なデザインが人々の心を惹きつけ、日本全国に広まりました。

<広告の下に続きます>

佐世保独楽(出典:民芸朋友)
佐世保独楽(出典:民芸朋友)

佐世保独楽の形は「ラッキョウ型」と呼ばれていて、ブナ科のマテバシイという木で作られています。

逆さまに持って投げると、ひとりでに起き上がって廻るという日本でも珍しいコマとなっています。

上部の色あがやかな色は「陰陽五行説」に影響されており、青(緑)、赤、黄、白(生地の色)黒の五色で構成されています。

この五色は世界や宇宙を意味すると言われています。独楽の先端には剣(ケン)と呼ばれる独特の形の鋭い鉄が打ち込められています。

文章だけでは伝わりにくいですが、佐世保独楽の形や色の配置はこんな感じです

(出典:佐世保独楽本舗)
(出典:佐世保独楽本舗)

<広告の下に続きます>

まとめ:佐世保の文化としての喧嘩独楽とは?

佐世保の「喧嘩独楽」は、ただの遊びではなく、子どもたちの工夫や地域の文化がぎゅっと詰まった伝統遊びです。独楽の先端に取り付けられた「剣」で競い合うことで、勝負の工夫や戦略性が生まれ、自然と自主性や創意工夫の心が育まれました。

今では昭和の頃のように路地で自由に投げ合うことはほとんどありませんが、当時の子どもたちは自分で考え、作り、工夫することを遊びの中で学んでいました。その精神は、佐世保独楽の形や遊び方に今も受け継がれています。

今回のあさイチ中継では、その伝統や遊びの楽しさをリアルに体感できる様子が紹介されます。画面越しでも、子どもたちの笑い声や工夫の跡を感じることができるでしょう。ぜひ、ご家族や友達と一緒に、中継を通して佐世保の独楽文化を楽しんでみてください。

タイトルとURLをコピーしました