舞の海関と巡る中央線のぶらり途中下車の旅|ふと立ち寄る先で出会う、小さな驚きとやさしい時間とは?

荻外荘の隣を走る中央線を背景に、珪化木のテーブルで秋のあんバタープリントーストを楽しむまどかの旅のワンシーンを描いたアイキャッチ画像。 BLOG
舞の海関と巡る中央線の“途中下車の旅”。 荻外荘の秋景色を背景に、旅のひとときを楽しむまどかのイメージカット。
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東京駅から、舞の海関のゆったりした旅が始まります。都心の喧騒を抜け、中央線に揺られながら、ふと立ち寄った先で出会うのは、思いがけない驚きと、温かな人の気配。
北斎の知られざる世界、昭和が息づく歴史邸宅、中野の不思議な妖精カエルたち、香ばしいゴマ油が決め手のスイーツ――。そして立川では、数千万年の時を抱いた珪化木や、優しい旨味に満ちた鯛めしが待っているのです。ただ電車に乗って、気になる駅で降りてみる。それだけで見える“街の表情”があります。
中央線の旅は、そんな小さな発見の連続でした。舞の海関の目線とともに、ゆるやかに流れる途中下車のひとときをのぞいてみませんか?

知られざる“もう一つの北斎”に出会う

葛飾北斎の知られざる一面に触れられる特別展です。浮世絵だけでなく、現代マンガにも繋がる“北斎の発想力”を、原画と貴重資料でひも解きます。

葛飾北斎の漫画の原点は、戯画的な要素と多様な表現技法を取り入れた絵手本「北斎漫画」であり、これは現代のマンガやアニメのルーツとされています。

「北斎漫画」は当初は画家の手本として出版されましたが、その中には「集中線」や「ギャグ描写」など現代に通じる表現技法が多く含まれています。また、「冨嶽三十六景」などの作品でも、大胆な構図や西洋の遠近法を取り入れた革新的な表現が、後世の日本のマンガ・アニメ文化に大きな影響を与えました。 
「ぜんぶ北斎のしわざでした展」は、江戸の天才が残した“もうひとつの北斎”に出会える場所でもあります。

CREATIVE MUSEUM TOKYO

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昭和の時間が静かに息づく歴史邸宅

かつて総理大臣だった近衞文麿が暮らした歴史的邸宅です。庭や建物には昭和初期の面影が静かに残り、時間がゆっくり流れるようです。長く非公開だった建物がついに公開されて、貴重な建築遺産を間近で感じられる場所です。

荻外荘は,昭和前期に総理大臣を三度務めた近衞文麿の別邸で、政治会談や組閣が行われた場所でもあります。昭和2年(1927年)に建てた別邸を近衛が昭和12年(1937年)に購入したものです。
近衞は五摂家の筆頭近衞家出身で,貴族院議長などを経て総理大臣となりましたが、終戦後の昭和20年(1945年)に近衛はこの場所で自ら命を絶ちました。近衛が自決した部屋がほぼ当時のまま残っており、2024年12月から一般公開されています。

荻外荘(てきがいそう・旧近衞文麿邸)

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妖精カエルの世界へ迷い込む小さな冒険

妖精のような“カエルたち”が住む、小さくて不思議なお店。精巧なフィギュアや可愛い雑貨が並び、中野らしいサブカルの香りも漂います。見ているだけで心が緩む、童話の世界のような空間です。

ワンダショップ

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ゴマ油が香る、秋限定あんバタープリンの誘惑

中野にある「and K cafe」の秋限定「あんバタープリントースト」は、なんとゴマ油が決め手なんです。熱々のプリンとバターの甘さに、すっと香ばしいゴマ油が重なってクセになる味わいに。中野散策の疲れが一瞬でふわっとほぐれる、癒し系カフェです。

秋限定プリンあんバタートースト(出典:公式Instagram)
秋限定プリンあんバタートースト(出典:公式Instagram)

and K cafe

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数千万年の時を刻む“植物の化石”に触れる

「OAK Petrified Wood」は、“植物の化石=珪化木(けいかぼく)”を専門に扱う、珍しくも美しいインテリアショップです。

珪化木とは、植物の化石の一種で、木化石とも呼ばれます。数億から数千万年前の古代に、水や火山灰に埋もれた樹木が長い年月を経て、地層からの圧力を受け、ケイ素と酸素、水素の化合物であるケイ酸を含む地下水が木の細胞組織に浸透することで、樹木がその形を保ったまま二酸化ケイ素(シリカ)に変わり、石英や水晶のように硬くなって化石化したものです。

数千万年という時を経て石になった木は、石化の過程で樹種や地中のミネラル成分により、それぞれ異なる独特の色や模様を纏い、ひとつとして同じ模様がありません。テーブルやオブジェとしても存在感があり、“自然の彫刻”に触れるような体験ができます。

OAK Petrified Wood(珪化木専門店Oak)

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三度美味しい、やさしさ広がる熟成鯛めし

「鯛めし紅坂」は刺身から茶漬けまで三度も味が楽しめるこだわりの熟成鯛めしのお店です。植物性のエサだけで育てた“クリーンな鯛”を使った、三度楽しめる鯛めしは、まずは刺身、次に薬味と和えて、最後は出汁をかけて茶漬けに——。やさしい旨味が広がる、ぶらり旅の締めにぴったりの一杯です。

看板メニューの “鯛味噌・鯛出汁つき、三度楽しめる紅坂の鯛めし「白寿」”(出典:公式Instagram)
看板メニューの “鯛味噌・鯛出汁つき、三度楽しめる紅坂の鯛めし「白寿」”(出典:公式Instagram)

鯛めし紅坂

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まとめ

中央線に揺られながら、気になる駅でふと降りてみる。それだけで見えてくる街の表情があります。
北斎の知られざる世界、昭和が息づく歴史邸宅、中野の不思議な雑貨や、香ばしい季節のスイーツ。立川では、数千万年の時を超えた珪化木や、やさしい旨味が広がる鯛めしとの出会いがありました。
どの途中下車にも、小さな驚きと温かな人の気配がありました。ただ電車に乗って、気になった場所で立ち止まる。そんなささやかな旅が、日常を少しだけ豊かにしてくれます。
舞の海関の目線に重ねながら、あなたも中央線で“自分だけの途中下車”を見つけてみてはいかがでしょうか?

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