京すだれってなに?その歴史は?すだれと御簾(みす)の違いはなに?御簾は何のため?【あさイチ】

BLOG
スポンサーリンク

こんにちは鳥巣です。6/9のあさイチでは京都・亀岡から京すだれが中継されるようです。すだれと京すだれってどこが違うのでしょうか?また平安の昔から使われていたという御簾(みす)との違いは何なのでしょうか?簡単にまとめてみました。

京すだれと普通のすだれの違いは?

簡単に言うと、すだれは日よけや目隠しとして広く用いられる一般的なもので、京すだれはより装飾的で高級な内装として使用されるものです。要するに京すだれは室内で使うことを目的にしたお洒落な高級品で、普通のすだれは屋外に出しっぱなしにしてもいい使い捨ての廉価品というところでしょうか?確かに部屋の真ん中に普通のすだれをかけている家はあまり見ません。

京すだれのメリットは京都の職人による丁寧な手仕事で作られているため品質が高く、和室などの雰囲気に合わせて、様々なデザインの京すだれを選ぶことができるということでしょうか?最近では和室の雰囲気を高めるインテリアとして使われているようです。

京すだれでは、編み方や糸の種類、材料が違うようです。編み糸は、普通のすだれではタコ糸のような綿の糸を使っていますが、京すだれでは麻糸などを使っています。長さ・大きさ・取り付け場所によって違いはありますが、京すだれは大体5~7年位は使えるようです。

<広告の下に続きます>

すだれが使われるようになった歴史とは?

では簾(すだれ)は、いつどのようにして誕生して、現在までどのような歴史を辿ってきたのでしょうか?中国と韓国の文献を見ると、簾は中国を発端として日本へ伝来した可能性が高いといわれています。

中国では、前漢の時代(紀元前180〜157年頃)には簾の記述があります。また韓国ではその約500年後の文献(「三国遣事」)に簾の記述があるので、(356〜402年頃)には存在していたのではないかと考えられています。

一方の日本では、「簾」という言葉が最初に登場するのは、日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」です。ですから遣隋使や遣唐使、朝鮮半島との貿易によって日本にもたらされたのではないかと考えるのが自然です。

簾を作るには、「菰桁(こもげた)」という道具を使っていたと考えられています。「菰桁」は、筵(むしろ)や俵(たわら)、蓑(みの)などを作る際にも使われてきました。簾が日本にもたらされる以前の弥生・古墳時代から、「菰桁」は使われていたと考えられています。ただし、これで本当に簾を作っていたのかどうかは分かっていません。

菰桁(こもげた)(出典:すだれ資料館)
菰桁(こもげた)(出典:すだれ資料館)

簾の名の由来は、「簀垂れ(すだれ)※」から発生したという説と、住む所の「巣」の出入口に垂れ下げて、雨風邪気を避けたことから発生した説の二つが有力です。(※「簀」とは竹や葦などを編んで作った敷物)

<広告の下に続きます>

中世日本のすだれの進化系とは?

古くから、南九州から畿内に移住してきた「隼人(はやと)」と呼ばれる人々がいました。現在の亀岡市には、奈良時代に九州から移住してきた大住隼人がいたという文献も見つかっています。隼人は、宮中で守護にあたるほかに、朝廷で用いる竹細工の役務がありました。

竹細工の中には、簾も存在したと思われます。こうして宮中などで使用される簾は、神聖な室内装飾として登場したと考えられます。

多くの御簾が使われていた貴族達の建物(出典:すだれ資料館)
多くの御簾が使われていた貴族達の建物(出典:すだれ資料館)

そして、平安時代の「寝殿造」や、室町時代の「書院造」などの日本的な建築様式の発達に伴い、御簾(みす)が登場しました。御簾は室内から外の庭と一体化した空間を作り出し、外部からの侵入を拒む心理的距離をおくという作用も併せ持つとともに、神と人、高貴と庶民を隔てる屏障具として用いられていたようです。

清少納言の「枕草子」を読むと、平安貴族にとって簾に囲まれた世界は、精神的安らぎをもたらす空間だったと推測されますし、紫式部の「源氏物語」でも、御簾は一年を通じて利用され、四季折々の風情に応じて室内を演出していた様子が伺えます。

テレビの時代劇などを見ると、お屋敷の御簾の向こう側に、やんごとなき方(天皇や将軍など)を姿が、ぼんやり見えるという場面をご覧になった方もいるのではないでしょうか?

平安貴族の様子を伝える屏風絵(出典:すだれ資料館)
平安貴族の様子を伝える屏風絵(出典:すだれ資料館)

その後、江戸時代には宮廷で用いられていた御簾が庶民の間にも広がり、葦や藁などの安価な材料で作られるものが、「よしず」や「すだれ」などの屋外の日よけなどとして広がっていったのではないかと考えられます。

<広告の下に続きます>

まとめ

京すだれと普通のすだれの違いは?

簡単に言うと、すだれは日よけや目隠しとして広く用いられる一般的なもので、京すだれはより装飾的で高級な内装として使用されるものです。要するに京すだれは室内で使うことを目的にしたお洒落な高級品で、普通のすだれは屋外に出しっぱなしにしてもいい使い捨ての廉価品というところでしょうか?

すだれが使われるようになった歴史とは?

中国では、前漢(紀元前180〜157年頃)の時代には簾の記述がありますし、韓国ではその約500年後の文献に簾の記述がありますが、日本で、「簾」という言葉が最初に登場するのは、日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」です。ですから遣隋使や遣唐使、朝鮮半島との貿易によって日本にもたらされたのではないかと考えるのが自然です。

中世日本のすだれの進化系とは?

平安時代の「寝殿造」や、室町時代の「書院造」などの日本的な建築様式の発達に伴い、御簾(みす)が登場しました。御簾は神と人、高貴と庶民を隔てる屏障具として用いられていたようですが、江戸時代には宮廷で用いられていた御簾が庶民の間にも広がり、葦や藁などの安価な材料で作られるものが、「よしず」や「すだれ」などの屋外の日よけなどとして広がっていったのではないでしょうか?

<広告の下に続きます>

タイトルとURLをコピーしました