ジブリ映画「コクリコ坂から」の挿入歌でカルチェラタンの学生たちが合唱している歌はなに?

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こんにちは鳥巣です。先日、テレビでジブリアニメの「コクリコ坂から」をやっていたので久しぶりに観てみました。映画全般でウィスパーボイスで人気の手嶌葵さんの歌が流れるのですが、映画の中で、明治時代に建てられたという古い部室団地「カルチェラタン」の取り壊しに反対していた学生たちが、全員で合唱していた曲が気になったので調べてみました。
結論からいうと、「紺色のうねりが」という曲でした。
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「紺色のうねりが」 作詞:宮崎駿/宮崎吾朗 原案:宮沢賢治 作曲:谷山浩子

YouTubeにもUPされていたのでリンクしておきます。

この歌詞の原案は宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩のようです。
この詩の全文をフムフムさんのBLOGより転載させていただきました。
<広告の下に続く>

「生徒諸君に寄せる」宮沢賢治

中等学校生徒諸君

諸君はこの颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか

それは一つの送られた光線であり決せられた南の風である
諸君はこの時代に強ひられ
率ゐられて奴隷のやうに忍従することを欲するか

今日の歴史や地史の資料からのみ論ずるならば
われらの祖先乃至はわれらに至るまで
すべての信仰や特性はただ誤解から生じたとさへ見え
しかも科学はいまだに暗くわれらに自殺と自棄のみをしか保証せぬ

むしろ諸君よ更にあらたな正しい時代をつくれ
諸君よ紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか

じつに諸君は此の地平線に於けるあらゆる形の
山嶽でなければならぬ宙宇は絶えずわれらによって変化する
誰が誰よりどうだとか誰の仕事がどうしたとか
そんなことを言ってゐるひまがあるか

新たな詩人よ雲から光から嵐から
透明なエネルギーを得て人と地球によるべき形を暗示せよ

新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則からこの銀河系を解き放て
衝動のやうにさへ行はれるすべての農業労働を
冷く透明な解析によってその藍いろの影といっしょに舞踏の範囲にまで高めよ

新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を素晴らしく美しい構成に変へよ
新しい時代のダーヴヰンよ
更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って
銀河系空間の外にも至り
透明に深く正しい地史と
増訂された生物学をわれらに示せ

おほよそ統計に従はば諸君のなかには少くとも
千人の天才がなければならぬ
素質ある諸君はただにこれらを刻み出すべきである

潮や風……

あらゆる自然の力を用ひ尽くして
諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ
ああ諸君はいまこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか”

<広告下に続く>

戦前の学生はこんなにも大人びた思想を自然に受け入れていたのですね。
「きけわだつみのこえ」を読んだ時にも感じましたが
今の私たちのなんと軽薄で優柔不断なことかと
精神に喝を入れられた思いがします。

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