鯉のぼりに“お母さん”がいない理由とは?由来と鴻巣の進化系こいのぼりも紹介!

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🎏こどもの日の象徴「鯉のぼり」。でも童謡を思い出すと…「お父さんと子どもたち」しか出てこないことに気づきませんか?実は、鯉のぼりに“お母さん”がいないのには深い理由があるんです。
この記事では、鯉のぼりの由来や歴史をたどりながら、“お母さん不在”の秘密を解説します。さらに埼玉・鴻巣市で生まれた職人技の「進化系こいのぼり」についても紹介。伝統と現代が交差する鯉のぼりの物語を、一緒に見ていきましょう。

第1章|鯉のぼりの由来はどこから?

鯉のぼりの風習が広まったのは、江戸時代の中頃といわれています。
もともと武家では、端午の節句が近づくと、家の前に幟(のぼり)や旗指物(はたさしもの)を立てる習わしがありました。これは「家の繁栄」や「男子の出世」を願う象徴だったのです。やがて町人たちがこの風習を取り入れるときに、中国の故事「登竜門」をヒントにしました。

旗指物の一例(出典:名古屋刀剣博物館)
旗指物の一例(出典:名古屋刀剣博物館)

急流を登り切った鯉は竜になる──という言い伝えを重ね合わせ、幟を鯉の形にしたのが「鯉のぼり」の始まりです。空に舞い上がる鯉のぼりは、ただの飾りではなく「子どもが健やかに成長し、将来大きく羽ばたきますように」という願いそのもの。江戸の町に風にたなびく鯉の姿は、親たちの祈りを映し出していたのでしょう。

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第2章|なぜ鯉のぼりに“お母さん”はいないのか?

童謡「やねよりたかい こいのぼり〜♪」で歌われる鯉のぼり。そこに登場するのは「お父さん」と「子どもたち」だけで、“お母さん”が出てこないことに、ふと違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか?
実は、この背景には古くからの風習と、こどもの日の本来の意味が関係しているのです。

こどもの日は「母に感謝する日」だった

今でこそ5月5日は「男の子の日」と思われがちですが、もともとは「子どもの成長を願い、母に感謝する日」でした。
この日ばかりは母親が家事を休み、外に出かけて羽を伸ばすことが許された特別な日。家に残るのは父親と子どもたちだけ──。だからこそ、鯉のぼりに描かれるのも「お父さん」と「子どもたち」だけだったのです。

時代を映す“家族観”の象徴

昭和の頃には「家を守る父と、それに続く子どもたち」という価値観がごく自然に受け入れられていました。けれど今の時代から見ると「お母さんがいない」というのは少し不思議に映りますよね。その違和感こそ、家族観や社会の価値観が時代とともに変わってきた証なのかもしれません。

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第3章|鴻巣の“進化系こいのぼり”

埼玉県鴻巣市は、昔から「鯉のぼりのまち」として知られています。端午の節句が近づくと、大空を彩る無数の鯉のぼりが街を飾り、その規模の大きさから「鴻巣びっくりひな祭り」と並んで春の風物詩になっています。そんな鴻巣で近年生まれたのが、職人が一匹ずつ手描きで仕上げる「進化系こいのぼり」です。

進化系こいのぼり(出典:hinowa公式サイト)
進化系こいのぼり(出典:hinowa公式サイト)

職人技が生む“一点もの”

通常の鯉のぼりは型染めで大量生産されますが、進化系こいのぼりは筆で描かれるため、色の濃淡や筆のかすれ具合が一つひとつ違います。同じものは二つとない、世界に一匹だけの鯉のぼり。家に飾れば、まるでアート作品のように存在感を放ちます。

現代の暮らしに合う素材

さらに使われている生地は、昔ながらの木綿ではなく、軽くて風になびきやすく、耐久性に優れたポリエステル。屋外でも長く飾れるよう工夫されているのも特徴です。

街を彩るイベントも

鴻巣では毎年、数千匹もの鯉のぼりが川や街路を泳ぐイベントが開かれます。青空に舞う鯉たちの群れは、子どもの健やかな成長を願う親たちの思いを受け継ぎながら、現代のまちを華やかに彩ります。

手描き鯉のぼり工房 hinowa

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まとめ|鯉のぼりに込められた願いは今も未来へ

鯉のぼりは、江戸の町人が「登竜門」の故事に願いを重ねて広めた風習でした。
そこには「子どもが健やかに育ち、やがて大きく羽ばたいてほしい」という親の想いが込められています。

“お母さん”が登場しない理由には、かつての風習や価値観が映し出されていましたが、その根底にあるのは「家族を思う気持ち」です。
現代ならきっとお母さんも一緒に描いていいよね!──そんな子どもの声が聞こえてきそうです。

そして今、鴻巣で生まれた進化系こいのぼりは、伝統を受け継ぎながらも現代の暮らしに寄り添う形で、新しい風を吹き込んでいます。

春風にたなびく鯉のぼりを見上げるとき、そこには過去から未来へと続く“祈りのバトン”が感じられるはず。あなたも今年の春、空を泳ぐ鯉の姿に、未来への希望を重ねてみませんか?

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