こんにちは鳥巣です。8/4放送の「帰れマンデー」では、高尾山にあるという謎の洞窟がゴールです。タカトシ&ゲストが“秘境バス旅”で向かった先にあったのは…高尾山にある“江の島に続く”という不思議な洞窟でした。
江の島まで続くと噂される高尾山の「謎の洞窟」は「福徳弁財天洞」!?
福徳弁財天洞は高尾山の本社である「高尾山薬王院有喜寺」の大本坊の裏手にひっそりとある「福徳弁財天洞」だと思われます。
これは「子供の頃から何度も来ている」という地元の人ですら「存在を知らない」というくらいですから”謎”なのもうなづけます。
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江の島まで続くと噂される「高尾山の洞窟」は本当に存在するのか?
高尾山薬王院有喜寺本堂前の階段を下りて左に折れると、すぐ右に薬王院大本坊へ行ける小道があります。あまり人のいない、小さな道なので見逃しやすいようです。

この小道の先にある大本坊の奥には、福徳弁財天、通称穴弁天という洞窟があります。ここは弁天様を祀る洞窟で、琵琶を持った弁天様が洞窟の前に鎮座していらっしゃいます。丸印の場所にこの看板があるので、看板の矢印の方に進みます。

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鳥居の奥にひっそりとたたずむ福徳弁財天洞ってどんなところ?
山頂や薬王院にはあんなに沢山の人がいたのに、ここはひっそりしています。ハッキリ言って誰もいません。あまりの静けさに少々ビビりつつ、鳥居の目の前まで行くと、弁財天様がいました。鳥居の奥が「福徳弁財天」です。


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その先の階段を上ったところには洞窟の口が開いています。その名は「福徳弁財天洞」。入口はかなり狭く、大人だと屈んで入っていくのがやっとの大きさです。誰かが先に入っていたら、すれ違えないほどです。

福徳弁財天の洞窟は、地下水で湿っています。江ノ島の江ノ島岩屋ほどではありませんが、やはり弁天様の洞窟は暗くて湿っているものらしいです。洞窟は真っ暗で立って進めないほど天井が低いです。でも商売繁盛、福徳円満の御利益があるそうです。
入って数メートルの位置に鎮座する、腕が八本の八臂弁財天像。この弁天様は最近になって作られたもののようで、まだ真新しいです。この柵の向こうにも洞窟が続いていて湘南の江の島まで繋がっているという神話があるそうです。かつては40mもある洞窟だったそうですが、2004年の崩落で立ち入り禁止になってしまったそうです。

薬王院用度部(広報部)の尾形功さんに「ところでこの洞窟、まだまだ先があるようですがいったいどこまでつながっているんでしょうか?」と尋ねたところきっぱりと「江の島です。」と答えられていましたがそのあとに「ウソです(笑)。」と笑ってお話しされていました。
尾形さんによれば「私が入山したころは本当にそう言われていたんですよ。」とのことでした。一種の神話として人々の間で言い伝えられてきたことのようです。
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福徳弁財天洞の伝承と、江の島・岩屋洞窟に秘められた見えない繋がりとは?
高尾山の福徳弁財天も江の島の岩屋にある江島弁財天も同じ弁財天です。弁財天といえば「瀬織津姫(せおりつひめ)」です。瀬織津姫は大祓詞(おおはらえのことば)では祓戸四神の一柱として、罪や穢れを祓う神として登場します。
一説には神代の昔、瀬織津姫は封印された神といわれていますが、古事記や日本書紀にも記述がないことや、持統天皇が自身の正当性を確立するために、天照大御神を女神として祀る際に都合の悪い存在として、瀬織津姫を意図的に歴史から抹消したという説が有力です。
また、瀬織津姫の持つ強大な力が、権力者にとって脅威であったため、封印されたという説もあります。いずれにしても瀬織津姫と弁財天は、それぞれ異なる神様ですが、同一視されることがあります。
瀬織津姫は大祓詞に登場する水の神で、罪穢れを祓う力を持つとされ、弁財天は七福神の一柱で、音楽や弁才、財福を司る女神です。両方とも”水の神”ということになっていますね。
多くの弁天様は海や湖、池など水があるところに祀られていますが、高尾山頂という一見、水とは縁のなさそうな場所に祀られているのも不思議です。
もしかしたら瀬織津姫には”山の神”や”火の神”という側面もあったのではないかと思って調べてみましたが、今のところ瀬織津姫と火や山との関係は見つけられませんでした。
しかし大祓詞(おおはらえのことば)では、瀬織津姫が「渓流の瀬に坐し、祓われた穢れを大海原に運び清める」とされ、日常生活で知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを祓い清め、心身の浄化を願うとされています。
そう考えると渓流が多く、山とはいえ水場が多くある高尾山から祓われた罪や穢れを大海原に運び清めるために江の島と繋がっているという言い伝えが残ったのかもしれません。
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まとめ
高尾山の深奥にひっそりと佇む「福徳弁財天洞」。江の島まで続くという“神話”は、単なる噂ではなく、信仰や自然信仰、そして人々の想像力が織りなした物語かもしれません。
同じ「弁財天」を祀る高尾山と江の島。その不思議な共通点と、“水の神”である瀬織津姫とのつながりを知れば知るほど、この洞窟がたんなる観光地ではなく、心の穢れを祓い清める“現代の禊(みそぎ)”の場として見えてくる気がします。
真夏の暑さを忘れるような神秘の空間で、過去の罪や疲れた心をそっと流してくれる――そんな場所が高尾山の奥にあることに、私たちはちょっとした“奇跡”を感じるのかもしれません。
タカアンドトシとゲストたちがどんな旅をして、どんな発見をしたのか?
ぜひ「帰れマンデー」を通して、“神話の扉”を一緒に覗いてみてくださいね。