琵琶の音色を支える滋賀・長浜の“見えない職人”|丸三ハシモトの弦づくり【あさイチ・いまオシ生中継】

工房で琵琶を弾く和服の女の子 BLOG
琵琶の音色を支える滋賀・長浜の“見えない職人”の弦づくりを伝えます
スポンサーリンク

静かに張られた一本の弦。その震えが生む音色は、時に言葉よりも深く、人の心を揺らします。

日本の伝統楽器 「琵琶」
その豊かな響きを支えているのは、舞台の上でも客席からも見えない場所で、ただひたすらに弦と向き合い続ける職人たちの手しごとです。

滋賀県・長浜市にある丸三ハシモト株式会社。100年以上にわたり、琵琶の弦を作り続けてきた小さな工房。一本の弦を作り上げるには、素材を育て、丁寧に撚り、気温や湿度と対話しながら、目に見えない狂いすら許さない繊細な作業が続きます。

弦を乾燥させている工房(出典:NIHONMONO)
弦を乾燥させている工房(出典:NIHONMONO)

12/1のNHKの「あさイチ」中継 では、その静かな工房から、“音の根っこを支える職人の世界” が届けられます。この記事では、弦づくりの背景と、見えないところで音を支える仕事の尊さを、やさしく紐解いていきます。

<広告の下に続きます>

✍️ 琵琶の音色はどこから生まれる?“弦”という存在の重要性

琵琶の音色——それは、ただの「音」ではありません。
胸の奥に深く届いて、余韻が静かに波のように広がっていく響き。その震えの源は、一本の弦の命 にあります。

弦がわずかに細くても、ほんの少し硬くても柔らかくても、音の表情はまったく変わってしまう。奏者がどれほど指を鍛え、技を磨いても、その土台となる弦が整っていなければ、音楽は成り立たないのです。

琵琶(出典:東京国立博物館)
琵琶(出典:東京国立博物館)

けれど、舞台の上からその存在を見ることはできません。楽器の裏側に、静かに張られた細い糸があるだけ。だからこそ弦づくりは、表には出ない領域で音を支える仕事。
光を浴びることはなくても、その質が音のすべてを決める——まさに“影の主役”といえる存在です。

一本の弦が震えたとき、その振動が楽器全体に広がり、空間を揺らし、人の心を震わせる。音の根っこは、ここにあります。

<広告の下に続きます>

✍️ 丸三ハシモト株式会社とは?|100年以上続く弦づくりの歴史

滋賀県・長浜市。琵琶湖の北に位置する、古くから職人文化が息づく街に、静かに佇む小さな工房があります。

「丸三ハシモト株式会社」。創業は明治時代。100年以上にわたり、琵琶に命を吹き込む弦を作り続けてきた弦づくりの専門メーカーです。琵琶だけでなく、三味線、琴、胡弓など、日本の伝統音楽を支える多くの楽器の弦を製造してきました。

もともとは、蚕の繭から糸を取り、職人が一本一本撚り合わせていく作業から始まった弦づくり。時代が移り変わり、材料も技術も変化していっても、“音を支える質だけは決して落とさない”という信念は、一度も揺らいだことがありません。

舞台上で名前が紹介されることはなく、拍手を浴びることもありません。しかし奏者の手から生まれる音の根底には、必ずこの工房の仕事が息づいているのです。弦がなければ音は生まれません。その誇りだけを胸に、今日も静かな工房で、職人たちの手が動き続けています。

それは、ただの弦の製造ではなく——

「音楽の土台を支えるための使命」。

長く続く歴史は、その想いを受け継いできた証です。

<広告の下に続きます>

✍️ 琵琶の弦はどう作られる?一本の糸が音になるまで

一本の弦が生まれるまでの道のりは、想像以上に長く、そして繊細です。
弦の素材となる糸を選び、均一な太さになるよう整え、何本もの細い糸を丁寧に撚り合わせていく。すべての工程は、わずかな誤差さえ許されない世界です。

糸の張り、湿度、温度、撚りの角度——どれかがほんの少し違うだけで、弦の響きはまったく別の表情になってしまいます。

職人は、張り詰めた静けさの中、糸の触感、音、指先に伝わる微かな震えに集中し続けます。まるで、目に見えない音を手探りで形にするように。

技術だけでは作れない、長年の経験と感覚の積み重ね。そして、集中力と緊張感が途切れない作業。弦を撚りながら、職人は何度も耳を澄まします。

「まだ硬い」
「少し締め直す」
「あと半歩、柔らかさが必要」

その判断は、数字ではなく、五感すべての総合によって決まります。やがて一本の弦が完成したとき、それはただの糸ではなく——

音の命が宿った線 になるのです。

そしてその弦が琵琶に張られたとき、初めて音楽が生まれます。一本の音が震えて、空気を震わせ、心を震わせる。その瞬間のためだけに、長い工程と緊張の時間があるのです。

<広告の下に続きます>

✍️ 職人の手がつくる音|見えない努力が響きを変える

琵琶の音は、決して“偶然”には生まれません。弦の材料、撚りの強さ、湿度、温度、どれかひとつでも狂えば、音は濁り、伸びが消え、余韻が途切れてしまいます。だから職人たちは、耳と指先と心を研ぎ澄ませて、一本一本の弦に向き合います。

目の前にあるのは、ただの細い糸の束。でもその先には、舞台で演奏する奏者がいて、観客の心を震わせる音楽があります。

失敗すれば、音は二度と戻らない。だからこそ、一本の弦が完成したときの重さは、言葉にならないほど深い。

音は、機械だけでは作れません。人の指先の温度、経験の蓄積、集中力の持続、素材と対話する感性——そのすべてが宿って、初めて“音”になるのです。

そしてその仕事は、決して表舞台には立つことはなく拍手を受けることもない。でも——

音には、作り手の姿が必ず映る。

職人の手が震えていれば、音も震える。迷いがあれば、音も揺らぐ。だから、弦づくりは技術であると同時に、心の仕事でもあるのです。

<広告の下に続きます>

✍️ NHK『あさイチ』中継の見どころ|何を知って見ると面白い?

NHK「あさイチ」 では、滋賀・長浜市の工房から、琵琶の弦づくりの現場が生中継されます。一般にはほとんど知られることのない、“音が生まれる前の世界” にカメラが入る貴重な機会。事前に少しだけ知っておくだけで、番組の見え方がまったく変わります。

🎻 見どころ①|緊張が張りつめる工房の空気

工房には、物音ひとつ立てられないほどの静寂があります。職人の指先の動き、糸の触れる小さな音、そのすべてが張りつめた集中の証。テレビの画面越しでも、その緊張と呼吸の深さを感じられるはずです。

🪡 見どころ②|素材と向き合う手の動き

糸を撚り合わせ、真っすぐな一本の線に育てていく作業。カメラが寄った瞬間に見える指先は、道具というより “音の最初の奏者” です。機械では絶対に再現できない、職人の手の感覚に注目です。

🎼 見どころ③|弦が初めて“音”になる瞬間

完成した弦が張られ、初めて音が鳴る瞬間——そこには、長い工程と静かな時間がすべて凝縮されています。その一音を聴くだけで、心の底がじわっと震えるはずです。

📺 見どころ④|知識を持って観ると、番組が物語になる

何も知らなければ、ただの「弦を作る作業」に見えるかもしれません。でも——背景を知れば、命を吹き込む瞬間の物語として響くのです。見えない努力が、音を支えているという事実。その視点で観ると、中継のすべてが輝いて見えます。

※生中継のため放送内容は変更になることがあります。

<広告の下に続きます>

✍️ まとめ|音は、人の手からしか生まれない

琵琶の音色は、ただ楽器を鳴らすことで生まれるものではありません。
素材を選び、糸を撚り、湿度と温度と対話しながら、一本の弦を育てる——その見えない時間と努力の結晶です。
舞台の照明に照らされる奏者の背後には、必ず、音の根っこを支えている職人たちがいます。拍手は届かなくても、名前が紹介されなくても、彼らがいなければ音楽は始まらない。

音には、作り手の想いが宿る。

一本の弦が震えて空気を揺らし、その震えが人の心に触れたとき——そこには、確かに“人の手の温度”が存在しています。便利さや効率が優先される今の時代でも、人が手をかけることの価値は、音となって、確かに未来へ届いていくはずです。

音は、人の手からしか生まれない。

その静かな真実を、この記事と番組を通して、そっと伝えられたらとても嬉しく思います。

タイトルとURLをコピーしました