杞柳(きりゅう)細工と柳行李って違うの?何に使うもの?いつ頃からあるの?柳行李のいいところは?【あさイチ】

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こんにちは鳥巣です。1/28のあさイチのいまオシLIVEでは、兵庫・豊岡の杞柳(きりゅう)細工の工房から中継されるようです。柳行李は聞いたことはあっても持っていたことはありませんし、杞柳(きりゅう)細工は全く聞いたことがありませんでした。そこで今回は杞柳(きりゅう)細工や柳行李について調べてみました。

杞柳(きりゅう)細工と柳行李は違うの?

行李(こうり)とは、柳や竹で編んだ箱形の入れ物です。杞柳(きりゅう)細工も柳行李も同じコリヤナギで編んだ籠のことで、その歴史は古く、約1,200年前には作られていました。奈良の正倉院には、現在とほとんど変わらない形の行李が残されているそうです。この頃は、文箱・衣装入れ・小物入れとしてごく一部の上層階級の人々だけに使われていましたが、江戸時代になると、大名から町人まで広く使われるようになりました。

昔、祖母の家の押し入れには古びた行李がいくつも入っていた記憶があります。いたずらをして押し入れに閉じ込められたときに、「なんだろう?」と思った記憶だけがあります。

昔は主に、旅行や引っ越しの時に、荷物を入れて運ぶのに用いられました。もっとも行李を持って旅行した記憶はありません。旅行の時はトランクやスーツケースでしたから、”昔のスーツケース”のようなものかもしれません。

柳行李(出典:「最上川を中心に環境を考えよう」)
柳行李(出典:「最上川を中心に環境を考えよう」)

中でも柳行李の材料となるのは、その名の通り「コリヤナギ(ヤナギ科の落葉低木)」だそうです。コリヤナギの樹皮をはいで、樹液を水洗いで落としたあと、天日で乾燥させたものを編んで作られています。街角で見かける柳の木とはずいぶん違います。

コリヤナギ
コリヤナギ

柳行李は、柳の木の持つ特性で、水に浸すと柔らかく曲げやすくなり、それを乾かせば堅くなるという性質をつかって、麻糸で編み上げられています。その後、縁や角を布や皮などで補強して作られています。

他にも用途によって、武士が鎧をしまっていた鎧櫃(よろいびつ)や陣笠(じんがさ)、お城に出仕するときの裃(かみしも)を収納する入れ物として使ったり、商人が行商するときに使う小間物行李や富山の薬売りが持った薬屋行李(水戸黄門の「飛猿」も使っていた)、商店で大福帳を入れておく帖行李、などサイズや用途も様々だったようです。大名の参勤交代などでも使われていたようです。

明治時代には、手にさげて歩く行李カバンや、大正時代にはバスケットとして、昭和時代には、戦時中は軍用行李や飯行李、戦後は買物篭としてたくさん作られました。そういえば実家にあった買い物籠は、籐や柳で編んだ篭だったような気がします。

その後、合成樹脂のスーツケースやコンビニ袋に取って代わられて、最近ではその姿を見るのはアニメ「サザエさん」で、サザエさんが夕方の買い物に行くときにぶら下げている姿しか見なくなりました。

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豊岡の行李かばんの歴史は?

手にさげて持ち歩く行李カバンは、明治14年に現在の兵庫県豊岡市で誕生したと言われています。中に入れた荷物が傷ついたり痛んだりしないように、本体にもフタにも、内側に和紙が貼られています。持ってみるととても軽く、スーツケースやトランクと形がよく似ていて、大きさもスーツケースほどの大きさです。数十年前に作られたものだと思われますが、まだまだ収納の役割は果たしてくれます。

行李カバン(出典:「最上川を中心に環境を考えよう」)
行李カバン(出典:「最上川を中心に環境を考えよう」)

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柳行李を使うメリットは?

それでは柳行李を使うメリットとは何でしょうか?

  • 丈夫で軽いこと落としても壊れにくく、旅行や引っ越しに重宝されました。
  • 収納量を調節できるフタのかぶせ方で、収納量を増やすことができます。
  • 適度に水分を吸収したり保持したりできるこの性質をうまく利用したのが、ご飯やおにぎりを入れた飯行李です。ご飯が傷むのを防いで、美味しさを保ってくれます。また驚くべきことに、水分を吸収した行李は編んだ柳が膨張することで、お茶漬けを食べることや、水を汲むこともできるそうです。また薬売りの商いでは、薬を湿気から守り、薬の変質を防いでくれました。江戸時代の飛脚などは依頼された大切な品物を雨などから守るために用いました。
  • 衣類を守る湿気によるカビや、柳の木の持つ成分で、虫喰いから大切な衣類を守れます。しかも大量に収納できます。
  • 汚れたら洗えて、風合いも良い古くなったり汚れたら洗うことができて、乾かして使える丈夫さがあります。

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まとめ

杞柳(きりゅう)細工と柳行李は違うの?

行李とは、柳や竹で編んだ箱形の入れ物です。杞柳細工も柳行李も基本は同じコリヤナギで編んだ籠のことです。呼び方が違うだけのようです。柳行李の歴史は古く、約1,200年前には作られていました。奈良の正倉院には、現在とほとんど変わらない形の行李が残されているそうです。

豊岡の行李かばんの歴史は?

手にさげて持ち歩く行李カバンは、明治14年に現在の兵庫県豊岡市で誕生したと言われています。中に入れた荷物が傷ついたり痛んだりしないように、本体にもフタにも、内側に和紙が貼られています。

柳行李を使うメリットは?

  • 丈夫で軽いこと
  • 収納量を調節できる
  • 適度に水分を吸収したり保持したりできる
  • 衣類を守る
  • 汚れたら洗えて、風合いも良い

などがあります。先人の知恵は素晴らしいですね。

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