12/30(火)の朝に放送されるあさイチ 特別編 鈴木奈穂子が見た台湾の歩みといまは、あさイチの鈴木奈穂子アナウンサーが台湾各地を巡り、今を生きる人々の暮らしや文化、価値観に触れていく紀行ドキュメンタリーの特別編です。
国会中継で短縮放送になってしまった未放送シーンを交えながら、日本統治時代から続く技術を守る職人、戦争の記憶を刻む場所、先住民族の家族や教育の現場など、台湾社会の多様な側面が描かれます。
この記事では、番組で紹介される内容や見どころを整理しながら、鈴木奈穂子アナの視線を通して見えてくる台湾の「いま」を分かりやすくまとめます。
(放送日:2025年12月30日火曜・6:10~6:54 NHK総合)
鈴木奈穂子アナが台湾で出会った人々
この特別編で軸となるのは、鈴木奈穂子アナウンサーが台湾各地を巡りながら出会う「人」の存在です。旅の中で紹介されるのは、日本統治時代から続く技術を守る職人、戦争の記憶を今に伝える場所、独自の文化や言語を大切にする先住民族の家族、そして現代社会の課題と向き合う教育や博物館の現場。
どの場面でも、鈴木アナは答えを押しつけることなく、相手の言葉に優しく耳を傾け、その背景にある思いや価値観を丁寧に受け止めていきます。
国会中継の影響で短縮放送となった初回では十分に伝えきれなかったエピソードも、今回の特別編では未放送シーンとして補足され、台湾社会の多様な姿がより立体的に描かれます。観光名所を巡る旅ではなく、「今を生きる人々の声」に寄り添う旅。その姿勢こそが、この番組全体を貫く大きな特徴です。
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日本統治時代から続く技術と記憶
番組では、台湾の各地に残る日本統治時代から受け継がれてきた技術や建物にも光が当てられます。印象的なのは、長い年月を経てもなお使われ続けているげた作りの技術や、太平洋戦争の記憶を刻む百貨店の存在です。
それらは、過去を懐かしむための展示物ではなく、今の暮らしの中に自然に組み込まれています。番組が丁寧なのは、その歴史を一方的に評価したり、感情を強く揺さぶったりしないところ。人々がどのように受け止め、どのように現在の生活へとつなげているのか、その距離感を大切にして描いています。
初回放送では時間の都合で十分に紹介しきれなかった場面も、今回の特別編では補足され、過去と現在が重なり合う様子が、より落ち着いた視線で伝えられます。
歴史は、忘れ去られるものでも、単純に肯定されるものでもない。台湾の人々が日々の暮らしの中で静かに向き合い続けてきた時間の重なりが、画面越しにも感じられます。
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先住民族パイワン族の暮らしと文化
番組では、台湾に暮らす先住民族のひとつ、パイワン族の家族との出会いも描かれます。石造りの家や、代々受け継がれてきた独自の言語や文化。それらは「守るべき伝統」として展示されているのではなく、今も日常の中で生きている暮らしとして紹介されます。
印象的なのは、文化を特別視しすぎない番組の姿勢です。珍しさや異文化として強調するのではなく、家族の会話や生活の風景を通して、自然にその価値が伝わってくる。鈴木アナもまた、説明役に回るのではなく、相手の言葉を受け止め、静かに耳を傾ける立場でそこにいます。
少数派であること、文化を守り続けること。その重みと同時に、誇りをもって生きる姿が、押しつけがましさなく心に残ります。
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ジェンダー平等と教育の現場
旅の後半では、現代の台湾社会が向き合っているジェンダー平等の取り組みにも焦点が当てられます。
生理への理解を深める月経博物館、小学校で進められているジェンダー平等教育、そしてオールジェンダートイレ導入の背景。どれも特別な主張としてではなく、「なぜ必要なのか」を丁寧に伝える形で紹介されます。
番組が伝えているのは、完璧な社会像ではありません。試行錯誤を重ねながら、少しずつ環境を整えていく現場の姿です。
日本でも少しずつ変化は進んでいるものの、まだ十分とは言えない現実があります。だからこそ、台湾の取り組みを優劣で比べるのではなく、「考えるきっかけ」として差し出している点が、この番組らしいと感じられます。
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まとめ|鈴木奈穂子の視線が映し出す台湾の「いま」
特別編 鈴木奈穂子が見た台湾の歩みといまは、台湾という場所を説明する番組ではありません。職人の手仕事、戦争の記憶を刻む建物、先住民族の暮らし、ジェンダー平等に向き合う教育の現場。それら一つひとつに、「今を生きる人の声」として丁寧に寄り添っていきます。
生理やジェンダーといった話題にも、あさイチらしく踏み込みながら、決して断定せず、考える余白を残す語り口。鈴木奈穂子アナの穏やかな視線があるからこそ、重くなりすぎず、朝の時間に自然と受け取れる内容になっています。
台湾の歩みをたどることは、同時に、私たち自身の社会や価値観を見つめ直すこと。この特別編は、「遠い国の話」ではなく、今ここにつながる物語として、静かに問いを投げかけてくれます。