萩の“甘だい”と若狭の“グジ”はどう違う?日本一の産地・萩市の鮮度と技に迫る【うまいッ!】

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萩の“甘だい”と若狭の“グジ”はどう違う?日本一の産地・萩市の鮮度と技に迫る
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日本海を代表する高級白身魚「あまだい」。中でも、山口県・萩市は日本一の水揚げ量を誇る産地として知られ、釣り上げた瞬間からの徹底した鮮度管理や、漁師たちの熟練した“いけじめ”の技によって極上の品質を保っています。

一方で福井の 「若狭ぐじ(ぐじ=あまだいの地方名)」 は、古くから京都の料理人や全国の食通から愛されてきた存在。同じ“あまだい”でありながら、産地・漁法・身質・味わい・料理法 によってその印象は大きく異なります。今回の NHK「うまいッ!」(山口・萩市あまだい特集) では、

・海底に潜むあまだいを狙う漁法の難しさ
・驚くほど手間のかかるエサ付け
・釣った瞬間から始まる鮮度管理の技術
・うろこ料理やフレンチとの融合といった新たな挑戦

…が紹介されます。そこでここでは、萩のあまだいの魅力 を中心に、若狭ぐじとの違い・味わいの差・漁師のこだわり・食べ方の広がりを徹底解説します。

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  1. 甘だいとグジは同じ魚?名前と種類の違いとは?
    1. ■ 甘鯛の3種類
    2. ■ なぜ“グジ”と呼ばれるのか?
    3. ■ 今回のテーマ「萩の甘だい」は若狭グジとどう違う?
  2. なぜ萩は「甘だい日本一の産地」なのか?
    1. ■ 漁場の近さと海底地形が、鮮度と魚質を保証する
    2. ■ 漁法と処理方法へのこだわり ― はえ縄漁と“活じめ+温度管理”
    3. ■ 漁獲量と品質の両立 ― “量より質”を守るための地域の取り組み
    4. ■ まとめ:鮮度・地形・漁法・流通体制――全てが揃った“焼けない宝石”だからこそ日本一
  3. 若狭グジと萩甘だい — 味と身質の違いを比較してみると
    1. ■ 若狭グジ(福井県)の特徴
      1. ● 味・身質
      2. ● 合う調理法
      3. ● 全体の印象
    2. ■ 萩甘だい(山口県)の特徴
      1. ● 味・身質
      2. ● 合う調理法
      3. ● 全体印象
    3. ■ 味の方向性の違い(まとめ)
    4. ■ どちらが優れているのか?
  4. おすすめの料理と相性の良い調理法の違いは?
    1. ■ 若狭グジ(福井:若狭地方)に合う料理
      1. ● 焼き物(若狭焼き)
      2. ● 椀物(吸い物)
      3. ● 昆布締め
    2. ■ 萩の甘だい(山口:萩市)に合う料理
      1. ● 刺身(昆布・藻塩を添えて)
      2. ● うろこ揚げ
      3. ● 炊き込みご飯
      4. ● フレンチでの活用
    3. ■ 比較まとめ
  5. うろこを使った新食感グルメとは?
    1. ■ 甘だいの“うろこ揚げ”とは?
    2. ■ 甘だいの“うろこ焼き”はどうなの?
    3. ■ 甘だいのうろこ料理が話題になる理由
    4. ■ まとめ:甘だいの魅力を最大限に引き出す一品
  6. どこで買える?取り寄せ・通販情報まとめ
    1. ■ 主な通販・オンライン購入先
    2. ⚠ 購入時のチェックポイント
  7. まとめ|萩の甘だいが“日本一”として愛される理由
  8. あわせて読みたい

甘だいとグジは同じ魚?名前と種類の違いとは?

まず最初に整理しておきたいのが、「甘だい」と「グジ」は同じ魚なのか? という疑問です。結論としては、

“甘だい=甘鯛”であり、関西地方を中心に“グジ(ぐじ)”と呼ばれる同じ魚 です。ただし、甘鯛には以下の3種類があり、漁獲地や料理の文化によって呼び分けが行われています。

■ 甘鯛の3種類

種類特徴主な産地
アカアマダイ最も流通量が多い。上品な甘みと柔らかな身。山口・島根・京都・福井など
シロアマダイ最高級とされる。脂乗りがよくとろける食感。福井・山口ほか
キアマダイやや希少。甘味控えめでさっぱり。九州・関西

■ なぜ“グジ”と呼ばれるのか?

京都を中心とした関西圏では、伝統的に甘鯛のことを「グジ」と呼ぶ風習があります。古くから京料理に欠かせない高級魚として扱われ、名前の由来には諸説ありますが、

  • かつては神事・祭礼料理に多く使われ、「供御(くご)」→転じて「グジ」
  • あるいは、体表のざらざらした“ぐじぐじ”した感触から

といわれています。特に 若狭湾で揚がる甘鯛を「若狭グジ」 と呼び、京都まで運ぶ「鯖街道と同様の流通文化」が根付いたことで名声が高まりました。

■ 今回のテーマ「萩の甘だい」は若狭グジとどう違う?

若狭グジ(福井)萩の甘だい(山口)
京料理文化と深く結びついた歴史性日本一の水揚げ量と徹底した鮮度管理
柔らかく上品、淡い味わい身に張りがあり、旨味と甘味が濃い傾向
流通・ブランド性が強い漁法・保鮮技術が進化している

地方によって味わいの印象や流通の文脈が変わり、同じ甘鯛でも“別の魅力”として語られる、非常に奥深い魚です。

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なぜ萩は「甘だい日本一の産地」なのか?

■ 漁場の近さと海底地形が、鮮度と魚質を保証する

  • 萩で水揚げされる甘だいは、漁場が近く「日帰り漁」が主流。だから、獲れた魚をすぐに水揚げできる。
    → 鮮度が落ちにくく、“魚特有の旨味”や身の透明感を保ちやすい。
  • 萩沖の海域は砂泥底。甘だいはこのような底質で餌をとる魚で、海底の環境が適しているため、質の高い個体が育ちやすいのです。

この「漁場の近さ × 海底地形の適合」が、まず“高頻度&高質量の水揚げ”を可能にしていて、それが「日本一」という土台になっているといえるでしょう。

■ 漁法と処理方法へのこだわり ― はえ縄漁と“活じめ+温度管理”

  • 萩では伝統的な延縄漁(はえ縄漁)で1尾ずつ丁寧に釣り上げることが多く、魚体へのダメージが少なく、鮮度を維持しやすい。
  • 加えて、漁師たちは水揚げ後すぐに“活じめ(=神経締め・血抜き)”を行うことで、身の鮮度と旨味を守る。これにより「水揚げ直後でも鮮度バツグンの甘だい」が流通する。
  • さらに、出荷までの温度管理も徹底。「鮮度が命」の魚だからこそ、氷水に入れてすばやく冷却・保冷され、都市部の市場にも質を落とさず届く仕組みが整っている。

この“漁→活じめ→冷却・輸送”までの一連の流れがしっかりしているので、「萩の甘だい=味・身質・鮮度で他を圧倒」する状態を維持できているというわけです。

■ 漁獲量と品質の両立 ― “量より質”を守るための地域の取り組み

  • 山口県は全体で甘だいの水揚げ量全国トップクラス。
  • その中でも萩市が占める割合は非常に高く、県内の甘だい流通を牽引。
  • とはいえ、“水揚げ量だけ”を追うのではなく、
    「ひとつひとつ丁寧に釣る」→「活じめ」→「温度管理」→「鮮度保持」

という、この“品質第一”のこだわりが、量と質を両立させる、萩の甘だい流通の強みになっているといえるでしょう。

■ まとめ:鮮度・地形・漁法・流通体制――全てが揃った“焼けない宝石”だからこそ日本一

漁場の近さ、海の底質、伝統漁法、活じめ/温度管理、流通体制。この複数の要素が重なり合って、初めて「鮮度の良い甘だい」が大量に、しかし高品質に流通する。

だからこそ、萩の甘だいは「日本一大量かつ高鮮度・高品質」を誇る産地として、今も全国に名を馳せているというわけです。

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若狭グジと萩甘だい — 味と身質の違いを比較してみると

同じ「アマダイ(甘鯛)」という魚でも、若狭(福井)で“グジ”と呼ばれる甘だい と、水揚げ量日本一を誇る山口・萩の甘だい は、漁場環境や鮮度管理の違いによって、味や食感に明確な違いがあります。ここでは、その特徴を整理します。

■ 若狭グジ(福井県)の特徴

● 味・身質

  • 上品で淡白な白身
  • しっとりとした柔らかさで、繊細な口どけ
  • 雑味がなく、出汁にすると澄んだ旨みが広がる

● 合う調理法

  • 若狭名物「昆布締め」「若狭焼き(幽庵焼き系)」など、
    素材の持つ繊細さを生かす料理
  • 吸い物や蒸し料理など、だしと相性が良い

● 全体の印象

「淡く上品、静かに広がる旨味」
和食との親和性が非常に高い、静かな高級感を持つ味わい。


■ 萩甘だい(山口県)の特徴

● 味・身質

  • 身に弾力があり、旨味成分が濃い
  • 繊維がしっかりしていて、焼いても煮ても形が崩れにくい
  • 釣り&活じめにより、鮮度の高さが食感に反映される

● 合う調理法

  • 焼き物(うろこ焼き)
  • フレンチやイタリアンのソース料理
  • 揚げ物メニューにも相性が良い(皮目の香ばしさが生きる)

● 全体印象

「力強い旨味、食感の存在感、鮮度が味に直結するタイプ」

■ 味の方向性の違い(まとめ)

産地評価・特徴料理との相性
若狭グジ(福井)上品で淡白、繊細和食、出汁を生かす料理
萩甘だい(山口)味が濃く力強い、身に張りがある洋食・焼き物・揚げ物

■ どちらが優れているのか?

答えはシンプルで、目的(食べたい料理)によって美味しさの方向性が違う、ということです。

  • 「しっとり上品、口の中で溶ける白身」を楽しむなら若狭グジ
  • 「力強い味と食感、鮮度の存在感」を楽しむなら萩甘だい

実際に、今回の番組でも萩の甘だいは、フレンチや揚げ料理など「強い料理」に採用されているのがその証明と言えます。

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おすすめの料理と相性の良い調理法の違いは?

甘だい(アマダイ)は、産地によって味わいの方向性が異なるため、相性の良い調理法も変わります。ここでは、若狭グジと萩甘だいそれぞれの特徴を活かす代表的な料理を整理します。

■ 若狭グジ(福井:若狭地方)に合う料理

若狭グジは、淡白で上品、繊細な旨味が特徴。脂は控えめで、柔らかい白身の優しい風味を楽しむ魚です。

● 焼き物(若狭焼き)

若狭地方の伝統で、うろこをつけたまま焼くことで身を乾燥から守り、ふっくらと仕上げます。京都でも“京料理の最高級素材”として扱われる理由がここにあります。

● 椀物(吸い物)

淡い旨味と上品な香りを楽しめる、グジの代表的な料理。

● 昆布締め

昆布の旨味が加わることで、身の甘さがより明確になります。

▶ 結論:シンプルな調理で素材の繊細な味を引き立てるのが最適


■ 萩の甘だい(山口:萩市)に合う料理

萩の甘だいは、若狭と比べて旨味が強く、身が締まりやすい傾向にあります。鮮度管理が徹底されているため、刺身でも十分美味しくいただけます。

● 刺身(昆布・藻塩を添えて)

“鮮度の良さそのもの”を楽しめる代表料理。わずかに皮下の脂が感じられ、噛むほど旨味が強くなります。

● うろこ揚げ

甘だい特有の“うろこのパリパリ食感”と、身のふっくら感が楽しめる名物料理。萩の飲食店では多く採用されています。

● 炊き込みご飯

旨味が強いため、出汁の中でも風味が負けずしっかり存在感を残します。

● フレンチでの活用

萩では近年、フレンチと融合した調理が注目されています。バターやクリームなどの濃厚ソースにも負けない力強さが魅力です。

▶ 結論:油・焼き・揚げ・洋風など力強い調理と相性が良い

■ 比較まとめ

産地 / 名称主な味の印象合う料理調理の方向性
若狭グジ(福井)淡白・上品・繊細若狭焼き、椀物、昆布締め素材の味をそのまま
萩の甘だい力強い旨味・食感しっかり刺身、うろこ揚げ、炊き込み、洋風しっかり調理・香ばしさ

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うろこを使った新食感グルメとは?

「うまいッ!」の中で紹介された特色のひとつが、甘だいの“うろこ”を活かした新食感グルメ です。通常の魚料理では、下処理の際にうろこは取り除くのが一般的ですが、甘だいは うろこそのものが大きく、厚く、しっかりしているため、工夫次第でまったく新しい食感として楽しむことができます。

■ 甘だいの“うろこ揚げ”とは?

甘だいの皮目にうろこを“あえて残したまま”調理し、高温の油でさっと揚げることで、うろこがカリッと立ち上がり、香ばしい食感になる料理 です。

特徴

  • 外側はパリパリ・サクサク
  • 中の身はふわっと柔らかい
  • 皮の香ばしさと濃い旨味がしっかり感じられる

この「外はパリ、中はふわ」の食感が、甘だいの旨味を際立たせ、“唯一無二の食体験” を生み出します。

■ 甘だいの“うろこ焼き”はどうなの?

うろこ揚げよりも油を控えめに、フライパンや鉄板で皮目をしっかり焼き付ける調理法です。

  • 皮目を香ばしく仕上げる
  • うろこに含まれるゼラチン質が溶けコクが増す
  • 香りと旨味が強くなるため、白ワインや和食にも相性抜群

番組では、シェフが身の柔らかさを生かしつつ、“うろこの香ばしさ”と“身の甘味”を共存させるプロの技を披露していました。

■ 甘だいのうろこ料理が話題になる理由

ポイント内容
鮮度が命の魚だからこそ可能うろこを残す調理は鮮度が高い個体のみ
技術が必要温度・油・焼き方が難しく職人技が光る
見た目のインパクト美しく立ち上がったうろこが芸術的
食感のギャップパリパリとふわふわのコントラストが強烈

こうした理由で、“うろこ料理”が甘だいの象徴的な一皿になっているわけです。

■ まとめ:甘だいの魅力を最大限に引き出す一品

うろこを使った料理は、

  • 鮮度の高さ
  • 熟練の調理技術
  • 甘だいの深い旨味

この3つすべてが揃って初めて実現できる、まさに “産地と職人の誇りが詰まった一皿” です。

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どこで買える?取り寄せ・通販情報まとめ

萩の甘だい(アマダイ/グジ)は、遠く離れていても 通販や取り寄せ で手に入ることが増えてきています。ここでは主な通販先や注意点を紹介してみます。

■ 主な通販・オンライン購入先

  • 萩の地魚を扱う地場通販サイト
    たとえば、地元の水産仲買や加工業者が運営するサイトでは、鮮魚・開きもの・フィレなどの形で萩産甘だいを扱っていることがあります。 萩GoChi はぎのごちそう+1
  • 産地直送・海鮮通販ショップ
    全国発送対応のショップで、甘だいの開き干しや冷凍フィレ、干物などが購入可能。

⚠ 購入時のチェックポイント

通販で鮮魚を頼むときは、以下の点に注意してください。

  • 鮮度が命なので、「発送のタイミング」「配送方法(クール便など)」「受け取り日時の指定」ができるかどうか?
  • 鱗付き/鱗取り済み/開き干し/フィレなど、どの状態で送られてくるかを確認します
  • 価格のほかに「送料」や「保冷代」がかかる場合があるので、合計金額をよくチェックしてください
  • 冷凍・干物の場合は、解凍方法や保存方法が明記されているか確認するのがおすすめです

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まとめ|萩の甘だいが“日本一”として愛される理由

甘だい(アマダイ/グジ)は、古くから高級魚として知られる白身魚ですが、産地によって味わいや魅力が大きく異なる魚です。中でも 山口県・萩市は日本一の水揚げ量を誇る産地として知られ、鮮度と品質への徹底したこだわりが高い評価を得ています。萩の甘だいは、

  • 漁場が港から近く、短時間で水揚げできる
  • 海底の砂泥底という理想的な環境が魚を育てる
  • はえ縄漁によるていねいな漁法
  • すぐに行われる活じめ処理と温度管理
  • 地域全体で品質を守り抜く取り組み

といった複数の要素が重なり、鮮度が良く、身質がしっかりして旨味が強い独自の味わいを実現しています。また、甘だいの魅力は料理の幅にもあります。刺身、塩焼き、炊き込みご飯、フレンチとの融合、そして“うろこを揚げた新食感料理”など、調理法ごとに違った味わいを楽しめるのも特徴です。

同じ白身魚でも、若狭のグジは上品で淡白、萩の甘だいは旨みが力強いという違いがあり、食べ比べる楽しさもあります。

産地のこだわりと技術、そして地域の誇りが詰まった 萩の甘だい。「鮮度が命」の価値を、ぜひ一度味わってみてください。

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