千葉・柏や平塚の夕焼け小焼けはなぜパンザマストなの?【ナニコレ珍百景】

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こんにちは鳥巣です。日本各地で夕方になると防災無線から「夕焼け小焼け」のメロディーが流れるところは少なくないと思います。ではこのメロディーのことを何と呼んでいますか? 千葉県柏市や我孫子市の一部では「パンザマスト」、神奈川県平塚市では「愛の鐘」と呼んでいます。なぜそんな呼び方になったのか調べてみました。

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柏市で夕方の「夕焼け小焼け」をパンザマストという訳は?

日暮れ時にどこからともなく流れてくる「夕焼け小焼け」のメロディー。外で遊んでいる子どもたちに帰宅を促すためのものですが、千葉県柏市ではこの放送を「パンザマスト」と呼んでいます。市民がそう呼ぶ裏にはかつて起きた悲しい事件が関わっていたのです。

そもそも「パンザーマスト」とは、ドイツ製の先端にアンテナとスピーカーを付けた鋼板製の柱の商品名でした。その形が”鎧(よろい)」に似ていたため、「鎧柱」という意味のドイツ語(panzer säule)を英語読みした商品名になったということです。

これを略した「パンザマスト」あるいは「パンザ」を、防災行政無線やその柱を指す言葉として市職員らが使っていました。

パンザーマスト(けんせつPlazaサイトより)
パンザーマスト(けんせつPlazaサイトより)

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ところが、1981年6月に柏市内の小学校校庭で起こった児童刺殺事件で中学生の少年が逮捕されました。そこで1981年8月から柏市では、日没の時間に合わせて防災行政無線で「夕焼け小焼け」を流すようになったそうです。

この時、子どもたちには、「このメロディーを聞いたら『家に帰りなさい』」と声をかけるという「愛のひと声」運動が始まりました。同時に柏市の広報紙に、この運動を紹介する記事が掲載されたとき、記事内にあった「広報無線屋外受信局(パンザマスト)」という「業界用語」が広く市民に伝わったということです。

これ以降、小学校などで、この放送そのものを指す言葉としてパンザマストが使われるようになりました。いまでも小学校の周辺には「パンザマストを守りましょう」といった看板が立ち、学校便りなどでも「パンザマストがなったら家にかえりましょう」というように使われています。

朝日新聞デジタルより
朝日新聞デジタルより

他の地域の人が聞いても意味がわからないですよね?

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神奈川・平塚では「愛の鐘」と呼んでいる!?

夕焼け小焼けを「愛の鐘」と呼ぶ地域は全国で数ヶ所あるそうで、約70年前に発明された機械「愛の鐘」が指定した時間になると「夕焼け小焼け」のメロディを奏でていました。

愛の鐘が造られた当時、青少年の不良化が社会問題となっていた為に、全国各地の自治体が鐘を鳴らして青少年の帰宅を促そうという「愛の鐘運動」を展開しました。

その時多くの地域で流れていたのが愛の鐘から流れる夕焼け小焼けでした。その当時の名残で今も夕焼け小焼けのことを「愛の鐘」と呼んでいる地域があるそうです。平塚市もその一つなんですね。

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