こんにちは鳥巣です。6/12のあさイチでは、京都の絞り染めが紹介されるようです。絞りの柄は夏の浴衣などでも目にしますが、その歴史や国内の産地にはどのようなものがあるのでしょうか?
絞りってなに?どんなやり方?その魅力は?
”絞り”は染物の技法のひとつです。そのやり方には、布地の一部を糸で括る、縫い締める、または板で挟むなどの方法で、その部分に染料が入らないようにして文様を染め出す染色技法です。
日本の着物や小物類で一般的な絞り染めには、染め上がった布にシボという波状や粒状の凹凸があらわれます。この立体的な質感は、平面的に染め上がる友禅や型染など他の染色法とは異なる、絞り染めならではの大きな特色です。
特に職人の手によって、ひとつひとつ手作業で括られる高級な絞り染めの制作には、途方もない時間を必要とします。また、素材や針目、染料のにじみ方など、最後に反物を開いてみるまで、染め上がりが予測できないという、陶芸のような偶然性もあります。このような、同じものが二つとないという事が、作り手にとっても着る人にとっても最大の魅力といえるかもしれません。
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絞り染めの歴史は?日本の有名な絞り染めの産地は?
現在の日本の絞り染めは、京都や名古屋が有名です。京都の「京鹿の子絞り」や、名古屋の有松・鳴海地域の「有松・鳴海絞り」は、それぞれ伝統工芸品に指定されています。
古今和歌集の歌で、百人一首でも有名な、
ちはやぶる神代も聞かず 竜田川からくれなゐに水くくるとは
(現代語訳:遠い昔の神々の時代でさえも聞いたことがない。竜田川が一面に散ったもみじで流れる水を紅色に染めて、絞り染めしぼりぞめにするなんてことは。)
の”水くくる”とは、「くくり染め」にするという意味だと、高校生の時に習った覚えがあります。
絞り染めそのものの歴史はとても古く、日本だけでなく世界各地で発展しました。素朴で原始的な染色の技法として、絞り染めは世界各地で自然発生的に生まれたと考えられています。中央アジアやインド、南米ペルーの遺跡などからも、古代の絞り染めの布が発掘されたり、アフリカや中近東などでもその存在が確認されています。
日本の最古の絞り染めは、法隆寺や正倉院などに現存する奈良時代の染織遺品の中に見られます。中国から伝わり当時の日本で盛んにおこなわれた文様染色法、「三纈(さんけち)」は、いずれも防染方式で文様をあらわす技法です。
三纈(さんけち)とは、「纐纈(こうけち)」という布糸をなどで括って防染する絞り染め、「夾纈(きょうけち)」という文様を彫った板に布を挟んで染める技法、「蝋纈(ろうけち)」という蝋で防染して染める技法のことを指します。中でも布糸などで括って絞る「纐纈」の簡単なものは、中国から伝わる前にも日本に存在していたようです。


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まとめ
絞りってなに?どんなやり方?その魅力は?
”絞り”は染物の技法のひとつです。そのやり方には、布地の一部を糸で括る、縫い締める、または板で挟むなどの方法で、その部分に染料が入らないようにして文様を染め出す染色技法です。日本の着物や小物類で一般的な絞り染めには、染め上がった布にシボという波状や粒状の凹凸があらわれます。この立体的な質感は、平面的に染め上がる友禅や型染など他の染色法とは異なる、絞り染めならではの大きな特色です。
絞り染めの歴史は?日本の有名な絞り染めの産地は?
現在の日本の絞り染めは、京都や名古屋が有名です。京都の「京鹿の子絞り」や、名古屋の有松・鳴海地域の「有松・鳴海絞り」は、それぞれ伝統工芸品に指定されています。絞り染めそのものの歴史はとても古く、古今和歌集の歌にある、「ちはやぶる神代も聞かず 竜田川からくれなゐに水くくるとは」、の”水くくる”とは、「括り染め」にするという意味です。