秋の日本海は、静かにその“赤い宝石”を揺らしています。
新潟県糸魚川市。そこには、知る人ぞ知る「ベニズワイガニ」の産地力が眠っています。漁場から直送されるそのカニは、高級ズワイガニと比べて価格的なハードルが低め。ですが、その味わいも質も他の産地と比べて決して引けを取りません。
1月〜2月の禁漁期を除くと、ほぼ一年中楽しめるという恵まれた環境。そして、道の駅「マリンドリーム能生」の“かにや横丁”では、買ってその場で豪快に食べる旅ならではの体験も待っています。
11/4の「あさイチ中継」では、この地のカニに迫ります。読者にお届けしたいのは――“お値打ちに、極上を味わう”その瞬間。糸魚川が教えてくれる、海と人が紡ぐ冬の味覚の物語です。
第1章 糸魚川が誇るベニズワイガニの産地力
新潟県糸魚川市――北アルプスを背に日本海に面したこの地は、古くから“山と海が出会うまち”として知られてきました。そんな自然条件が育むのが、糸魚川のベニズワイガニです。この海域は水深800〜1,200mという深海の冷たい海流が流れるエリアで、カニの身が引き締まり、甘みをたたえる絶好の漁場。
漁港から漁場までの距離が短いのも特徴で、水揚げから市場に出るまでの時間が少なく、“とれたての味”をそのまま届けられる環境が整っています。
なかでも人気を集めているのが、道の駅「マリンドリーム能生」。併設の「かにや横丁」には地元漁師直営の店が軒を連ね、朝獲れのベニズワイガニをその場で茹でて、湯気の立つまま豪快に食べられる――まさに“漁港グルメの聖地”です。
旅人たちは、浜風と湯気に包まれながら、カニの殻を割る音に秋の到来を感じる。それが糸魚川の、そして日本海の“旬の風景”なのです。
道の駅「マリンドリーム能生」
- 新潟県糸魚川市能生小泊3596-2
- TEL:025-566-3456
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:なし
- URL:http://www.marine-dream.net/
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第2章 高級ズワイガニと比べて“お得に美味しい”選ばれる理由
糸魚川のベニズワイガニが注目される理由は、なんといっても“コスパの良さ”。
同じズワイガニ属でも、福井や鳥取で知られる「本ズワイガニ」と比べると、漁期が長く、漁獲量も安定しているため、価格が手ごろでありながら味に妥協がないのが魅力です。
水深1,000m前後という深海で獲れるベニズワイガニは、その環境ゆえに身にたっぷりと水分を含み、繊細でやわらかく、ほんのりとした甘みをたたえます。“ジューシーなズワイガニ”とも呼ばれるその身質は、まさに「お値段以上の幸福感」。
さらに、糸魚川では水揚げ後すぐに港で選別し、生のまま、もしくは茹でた状態で販売されるため、“新鮮で水っぽくない”カニに出会える確率が高いのも特徴。こうした徹底した鮮度管理が、“高級ズワイガニに負けない味”を支えているのです。見分け方のコツとしては、
- 手に持った時にズッシリと重いもの
- 甲羅にツヤがあるもの
- 腹側の殻が白く、身詰まりが良さそうなもの
を選ぶとハズレが少ないといわれています。
観光客だけでなく、地元の人も“ちょっと贅沢したい日”には糸魚川のベニズワイガニを買って帰る。それが、この町の冬の風物詩になっているのです。
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第3章 糸魚川ならではの漁期・旬・食べ方の特徴
糸魚川のベニズワイガニが他の地域とひと味違うのは、「漁期が長く、ほぼ一年を通して味わえる」というところ。一般的な本ズワイガニが冬限定なのに対して、ベニズワイガニは水深の深い漁場で獲れるため、漁が可能な期間が長く、秋から初冬にかけて特に脂がのります。
この海域は、日本海でも数少ない“冷たい海洋深層水”が湧き上がるエリア。そのため、漁師たちは古くから「糸魚川のベニは身が締まって甘い」と口をそろえます。深海の冷たさと豊富な栄養分が、カニの身にみずみずしさと旨みを与えるのです。
そしてもうひとつ、糸魚川ならではの魅力が“食べ方”。港近くでは、茹でたてのカニを豪快に手づかみで食べるのが定番。一方で、地元の食堂や旅館では、甲羅焼きや味噌汁など“和の味”に仕立てた一品も人気です。
獲れたてを生かす調理法が多いのは、鮮度に自信がある地域だからこそ。漁師町の人々にとって、ベニズワイガニは特別なごちそうであり、日常の誇りでもあります。その食文化が、今も港の湯気とともに息づいています。
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第4章 糸魚川で味わう“直送感”と“旅グルメ体験”
糸魚川の魅力は、ただカニが美味しいだけではありません。“港で揚がったものを、そのままの状態で味わえる”という、リアルな“直送感”が旅人を惹きつけています。
その中心となっているのが、道の駅「マリンドリーム能生」。ここには日本海側最大級といわれる「かにや横丁」があり、ずらりと並んだ浜焼きの香りが旅の気分を一気に高めます。
店頭には、漁港で今まさに水揚げされたばかりのベニズワイガニが並び、注文するとその場で茹でてもらえる――まさに“港の厨房”。買ったカニを浜風にあたりながら豪快に食べる瞬間、旅人たちは自然と笑顔になります。
塩気の効いた海風と、カニの甘みが混ざり合って、それだけで「糸魚川まで来て良かった」と思える。また、地元の飲食店では“カニ汁定食”や“カニ飯”といった家庭的なメニューも人気。観光客だけでなく地元の人にも愛される味があるのが、この街のもう一つの強みです。
糸魚川のベニズワイガニは、食材というより“体験”として記憶に残ります。その“直送の喜び”こそ、旅人が何度もこの港町を訪れる理由なのです。
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第5章 今こそ訪れたい“旬の時”のおすすめポイント
今、糸魚川の海は一年でいちばん華やぐ季節を迎えています。秋風が山を越えて港に届くこの時期は、ベニズワイガニの身がいちばん甘く、食卓でも観光でも“旬の主役”として輝く瞬間です。
ベニズワイガニの解禁は9月。冬の声が聞こえるころには身が締まり、味噌も濃厚になっていきます。年末年始には贈答品としても人気で、港町の市場には「お歳暮発送中!」の文字が並びます。
旅先で楽しむなら、やっぱり朝いちばんの漁港と直売所。“その日の一番カニ”を手に入れたら、道の駅で茹でたてを食べるのがおすすめです。お昼前には観光バスも到着して混み合うので、朝の時間帯に行くと、よりゆったり楽しめます。
そしてもうひとつ。糸魚川のカニ旅は「食べる」だけじゃなく「出会う」旅でもあります。漁師の人の手の温もり、港に立ちこめる潮の香り、カニを囲んで笑う家族の声――そんな“人と海の距離の近さ”が、糸魚川の一番のごちそうです。
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まとめ
今回の「あさイチ中継」が伝えてくれるのは、高級食材でありながら身近に楽しめる“糸魚川のベニズワイガニ”。漁期の長さ、鮮度の良さ、そして港の体験型グルメ――そのすべてがそろった糸魚川は、この秋いちばん“行きたくなる港町”かもしれません。
