秋吉台のカルスト台地や鍾乳洞はどうやって出来上がった?【ブラタモリ#251】

ブラタモリ
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こんにちは鳥巣です。10月21日のブラタモリでは満を持して山口県・秋吉台のカルスト台地が取り上げられます。カルスト台地の秋吉台や、その地下にある鍾乳洞の秋芳洞は修学旅行の時にも訪れたことがありますが、そのスケールの大きさに驚かされました。今回は山口県の山の中にこんな不思議な地形が出来上がったわけについてまとめてみました。

秋吉台
秋吉台

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秋吉台はかつて海の底にあった!?

現在は山口県の山の中に、白い石(岩)と草原の広がる秋吉台ですが、約8,000万年前には太平洋の海底にありました。

Googleマップ
出典:Googleマップ

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どうして太平洋の海底がこんな山の中にあるのかというと、地球の表面を覆う岩盤はプレートと呼ばれて、地下深くのマントル(マグマのようなもの)の対流によってゆっくりと移動していると考えられています。

日本列島の周辺には、アジア大陸が乗っているユーラシアプレート、北米大陸から南下してくる北米プレート、太平洋の北米大陸近くの海嶺から西に向けて移動してくる太平洋プレート、南太平洋から北上してくるフィリピン海プレートの4つのプレートがせめぎ合っていると考えられています。

産業総合研究所
出典:産業総合研究所

それぞれのプレートは、地下のマントル対流の動きによって移動していますが、その境界線ではそれぞれの動きが作用しあって複雑な動きをします。

琉球列島から南海トラフを通って伊豆半島に向かっているフィリピン海プレートは、本来は北に向かって動いていますが、東からやってくる太平洋プレートがその下に潜り込もうとするために、全体として北西方向の力を受けてユーラシアプレートの下に潜り込もうとします。

なぜ海洋プレートは大陸プレートのしたの潜り込むのかといえば、海洋プレートは長い間、深海の水圧を受け続けてきたために密度が高くなって大陸プレートより重くなっているからです。
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海洋プレートの上にはハワイ諸島のような火山島や、地殻変動で隆起した島などがあります。南の暖かい海ではそれらの島の周りに珊瑚礁が発達します。日本でも沖縄などの南方の島々では、島の周りを珊瑚礁が囲ってラグーンなどを作ります。

その島々はやがてプレートの沈降によって次第に海の中に沈んでいきますが、珊瑚は生き物なので自分の骨格(珊瑚礁)の上に新たに骨格をつくって成長していきます。

YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より
出典:YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より

海底深くに沈んでしまった珊瑚礁は太陽に光も届かなくなってやがて死んでしまいますが、その炭酸カルシウムの骨格だけは残って石灰岩のいう岩石になります。
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それらの岩石はプレートの上に乗っているのでプレートの動きとともに移動して、やがて大陸プレートの淵にぶつかります。その時、石灰岩でできた珊瑚礁の成れの果ては、上側にある大陸プレートにこそぎ取られて隆起して陸地になったりする訳です。

出典:YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より
出典:YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より

これが地殻変動などでさらに隆起して地表に顔を出したのがカルスト台地という訳です。これが中国山地の山の中に秋吉台が出来上がった理由です。

カルスト台地には、溜まった土壌の上に草木が育ちますが地下の石灰岩の侵食は続くので、草原の上に白い石灰岩が点々と広がる風景が広がります。これを海外ではピナクル、日本では羊群原や墓石地形などと呼ばれています。(現在の景観を保つために秋吉台では野焼きが行われているそうです)
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秋吉台の地下に広大な鍾乳洞が広がっているわけは?

カルスト台地の下には石灰岩の大きな塊があります(というよりそんな場所がカルスト台地になった訳です)。そんな石灰岩にも地殻変動や気候変動などでヒビが入ると、その隙間から雨などの水分が染み込んでいきます。

実は石灰岩(炭酸カルシウム・CaCO3)は他の岩石と比べて水に溶けやすい性質を持っています。岩の隙間から染み込んだ水は石灰岩を内部からも溶かしていきます。やがて石灰岩の隙間は溶かされて洞窟になります。こうしてカルスト台地の地下には鍾乳洞ができるのです。

出典:YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より
出典:YouTube 地理ライダー「秋吉台のカルスト地形」より

石灰岩の洞窟は水の流れによってさらに大きくなって鍾乳洞になります。カルスト台地の上からは絶えず水が染み込んでくるので、洞窟の天井からも炭酸カルシウムの溶け込んだ水が滴り落ちてきます。

その水滴に含まれている炭酸カルシウムが析出して天井部分に固まったものを「鍾乳石」、ポタポタと滴り落ちた下側のところに析出した柱を「石筍(せきじゅん)」といい、やがて鍾乳石と石筍がくっついて柱になったものを「石柱(せきちゅう)」といいます。これらが成長するスピードはとても遅く、1センチ大きくなるのに500年ほどかかるといいます。

地表のカルスト台地でも水による侵食は絶えず進んでいるので、カルスト台地には大小の山や谷が出来上がります。この中で小さなものを「ドリーネ」、ドリーネが複数繋がったものを「ウバーレ」といい直径数100mになります。

このウバーレが結合して数kmにわたって窪地になった地形を「ポリエ(溶食盆地)」といいますが、ポリエも水の力で侵食され続けているので、やがて地下の鍾乳洞の天井が崩れて、川として地表に現れることになります。

中国大陸などでは深さが数100mに及ぶ石灰岩台地の竪穴がいくつも発見されています。

石灰岩台地にできた竪穴
石灰岩台地にできた竪穴

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秋芳台や秋芳洞はこれからどうなっていくのか?

こうした竪穴もやがては崩れて、隣の竪穴と繋がって深い谷のような地形になるでしょう。

石灰岩台地の谷
石灰岩台地の谷

秋吉台でも、さらに侵食が進めばカルスト台地全体が侵食されて、今の鍾乳洞の天井はほとんどが崩れ落ちて、石灰岩の岩山のような地形になるでしょう。そっともそうなるまでには数1000万年の歳月がかかるでしょう。その間にはまた海底で珊瑚礁が育って、海洋プレートに運ばれて大陸プレートにぶち当たってこそげ落とされ… 悠久の歴史が繰り返されるのかもしれません。

石灰岩の岩山
石灰岩の岩山

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秋吉台のまとめ

秋吉台はかつて海の底にあった!?

秋吉台は、約8,000万年前には太平洋の海底にあった珊瑚礁が海洋プレートの移動とともに、大陸側のユーラシアプレートに衝突してこそぎ取られて、付加体として地表に姿を現した石灰岩の成れの果てです。

秋吉台の地下に広大な鍾乳洞が広がっているわけは?

石灰岩の大地は雨など水による侵食を受けやすいために、長年にわたって染み込んだ雨水が石灰岩の炭酸カルシウムを溶かして、大きな洞窟や鍾乳洞を作り出しました。

秋芳台や秋芳洞はこれからどうなっていくのか?

この先も雨水によるカルスト台地の侵食が進めば、やがて鍾乳洞の天井は崩れ落ちて谷となり、周辺のカルスト台地だった場所も雨水の侵食によって石灰岩の岩山が広がる光景になることでしょう。もっともそうなるまでには数千万年の歳月がかかるかもしれません。

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