こんにちは鳥巣です。7/13の「うまいッ!」では、三重県鳥羽市で進む未利用魚「アイゴ」の利用促進の取り組みが取り上げられるようです。アイゴといえば伊豆のダイビングでも普通に見られる普通種ですが、その身が臭いのと鰭(ヒレ)に毒針があることで、釣り人からも敬遠されている魚です。そんなアイゴはどんな魚なのか調べてみました。
アイゴってどんな魚?
アイゴはスズキ目アイゴ化に属する海水魚です。日本では下北半島以南の、琉球列島を除く温暖な海に生息し、台湾~西オーストラリア沿岸の岩礁域に生息しています。
死後、時間が経つと内臓からアンモニア臭が発生して、臭いが身にも移ってしまうことから、市場にもほとんど出回ることがなく、未利用魚として処分されてしまうことがほとんどです。
近年では、ごく浅いダイビングエリアでも頻繁に見かけるようになりましたが、さして綺麗な魚でもないため、ダイバーにも人気がなく、注目されることもありません。
ただ唯一沖縄県では、旧暦の6月1日、7月1日、8月1日前後の大潮の時に、”スク”と呼ばれるアイゴ類の稚魚の大群が沿岸に押し寄せるので、この時ばかりは家族総出で波打ち際に出かけ、網をかけて大量に収穫する風習があります。
この”スク”を塩漬けにした「スクガラス」は泡盛の酒の肴としても沖縄のオジイ達には親しまれていて、お土産として瓶詰にしたものも出回っていますが、最近の若者には沖縄でもあまり好まれていないようです。
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アイゴって臭いのに食べられるの?下処理はどうする?
伊豆でも大量に発生しているアイゴですが、それは伊勢湾でも似たような状況だそうです。アイゴが増えすぎて沿岸岩礁域の海藻が食べつくされてしまう”磯焼け”は、全国的にも大きな問題になっていますが、私がダイビングをしている東伊豆の海でも、ここ10数年に間で岩場を覆いつくすように生えていた海藻はほとんど姿を消してしまいました。
海藻の森は小さな魚たちの住処であり、幼魚のゆりかごでもあったのですが、それがなくなってしまったことで生態系への影響も懸念されています。
またアイゴのような海藻を食べるタイプの魚の特徴として、腸の中にぱんぱんに海藻が詰まった状態で漁獲されると、磯臭い臭いが身に移りやすいのだといいます。
また背びれ・腹びれには鋭い毒針があるため、漁獲時はもちろん下処理をする際にも十分に注意する必要があります。アイゴの毒針が刺さると、単に腫れるだけでなく、数週間は激しい痛みに襲われるといいます。
それでも漁獲後すぐに氷水で締めてから、新鮮なうちに内臓を傷つけずに取り除くという手間をかければ、タイやヒラメにも負けないほど上品な味わいの白身魚になるのだといいます。
独特の磯臭さを除けば肉質は悪くありません。割と歯ごたえのある白身で、刺身や塩焼き、煮付けなどで食べられます。ショウガや柚子胡椒で臭みを消すといいそうです。
同じように外道や厄介ものとして漁師から嫌われている魚に「ウツボ」がいます。こちらはアイゴと違って小エビやゴカイなどをたべる肉食魚です。テレビなどで紹介されるときには必ず”海のギャング”などと呼ばれていますが、どう猛な歯とは裏腹に割と臆病な魚です。
迂闊に口先に指などを出せば噛みつかれることはあるかもしれませんが、向こうから近づいてきて襲われるようなことはまずありません。
海に人工的に沈められたアオリイカの産卵床(山で切ってきた椎の木の枝を束ねたもの)などで、産卵にやってくるアオリイカを狙っている姿はよく見かけます。しかし20年以上観察していますが、狩りに成功したところは一度も見たことがありません。
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まとめ
アイゴってどんな魚?
アイゴはスズキ目アイゴ化に属する海水魚です。日本では下北半島以南の、琉球列島を除く温暖な海に生息し、台湾~西オーストラリア沿岸の岩礁域に生息しています。死後、時間が経つと内臓からアンモニア臭が発生して、臭いが身にも移ってしまうことから、市場にもほとんど出回ることがなく、未利用魚として処分されてしまうことがほとんどです。
アイゴって臭いのに食べられるの?下処理はどうする?
アイゴのような海藻を食べるタイプの魚は、腸の中にパンパンに海藻が詰まった状態で漁獲されると、磯臭い臭いが身に移りやすいのだそうです。それでも漁獲後すぐに氷水で締めてから、新鮮なうちに内臓を傷つけずに取り除くという手間をかければ、タイやヒラメにも負けないほど上品な味わいの白身魚になるのだといいます。