あさイチ中継「独自方法!うなぎ養殖」宮崎市の“宮崎方式”とは?砂利・循環・天日干しの工夫

宮崎方式の養鰻場と蒲焼を食べるまどか BLOG
宮崎方式とは、池底に砂利を敷いたり、出荷後に養殖池を天日干しして消毒することで、高品質なうなぎを生産する方法です。
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あさイチで紹介された宮崎市のうなぎ養殖「宮崎方式」は、砂利を敷いた養殖池や循環式の水管理、出荷後の天日干しなど、独自の工夫が特徴です。この記事では、その仕組みや考え方を整理して紹介します。

宮崎市で行われている「宮崎方式」のうなぎ養殖とは?

宮崎市では、「宮崎方式」と呼ばれる独自の方法でうなぎ養殖が行われています。宮崎方式とは、池底に砂利を敷いて養殖池自体にろ過機能を持たせ、出荷後は天日干しで消毒することで、高品質なうなぎを安定して生産する循環式養殖方法です。

この方法の大きな特徴は、養殖池を単なる「水槽」として使うのではなく、水をきれいに保つ仕組みそのものを池の中につくっている点にあります。水は循環させながら使用され、うなぎが育つ環境を安定させることで、ストレスを抑えた養殖が可能になります。

ウナギ養殖場(出典:高木養鰻場)
ウナギ養殖場(出典:高木養鰻場

さらに、出荷が終わったあとは池の水をすべて抜き、洗浄したうえで南国・宮崎の強い日差しを利用して天日干しを行います。これにより、池を清潔な状態に戻し、次の養殖に備えることができます。自然の力と人の工夫を組み合わせたこの方法が、宮崎方式の大きな特徴です。

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なぜ池底に砂利を敷く?養殖池に“ろ過機能”を持たせる理由

宮崎方式でもっとも特徴的なのが、養殖池の底に砂利を敷き詰めている点です。一般的なうなぎ養殖では、池底に砂利を使わない方法も多く、「砂利の上で育てる」という発想はあまり知られていません。

砂利を敷くことで、池の中には水が通りやすい層ができ、汚れや余分な有機物がたまりにくくなります。さらに、砂利の表面には微生物が付着し、水を浄化する働きを担います。これにより、養殖池そのものが自然なろ過装置の役割を果たすのです。

”宮崎方式”養殖池の中の鰻(出典:テレビ宮崎)
”宮崎方式”養殖池の中の鰻(出典:テレビ宮崎)

水質が安定すると、うなぎにとって過ごしやすい環境が保たれ、健康的な成長につながります。また、水を頻繁に入れ替える必要が少なくなるため、循環式養殖との相性も良いのが特徴です。
砂利を敷くという一見シンプルな工夫が、宮崎方式の土台となっています。

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使っている水はどこから?循環式養殖と水質管理の工夫

宮崎方式のうなぎ養殖では、水の質と安定性がとても重視されています。
養殖に使われる水は、主に地下水(井戸水)を利用し、それを池の中で循環させながら使用するのが特徴です。

地下水は年間を通して水温の変化が少なく、不純物も比較的少ないため、うなぎがストレスを感じにくい環境を保ちやすいとされています。こうした水を循環させて使うことで、水を頻繁に入れ替えなくても安定した水質を維持することができます。

また、池底に敷かれた砂利がろ過装置の役割を果たすことで、水中の汚れがたまりにくくなり、循環式養殖との相性が高まります。砂利による自然なろ過と水の循環を組み合わせることで、養殖池全体が清潔に保たれ、うなぎが健やかに育つ環境が整えられています。

このように、宮崎方式では「どんな水を使うか」だけでなく、水をどう循環させ、どう保つかまで含めて養殖環境が考えられています。

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出荷後に池を“天日干し”する理由──宮崎の気候を生かした工夫

宮崎方式では、うなぎの出荷が終わったあと、養殖池の水をすべて抜き、洗浄したうえで天日干しによる消毒が行われます。これは、次の養殖に備えて池を清潔な状態に戻すための重要な工程です。

宮崎県は全国的に見ても日照時間が長く、温暖な気候に恵まれています。こうした自然条件を生かし、機械や薬剤に頼りすぎることなく、太陽の力で池を乾燥・消毒することで、衛生的な養殖環境を整えています。

池を完全に乾かすことで、病原菌や有害な微生物の増殖を抑える効果が期待でき、結果としてうなぎの健康管理にもつながります。また、池を再利用できるため、環境への負荷を抑えながら養殖を続けられる点も特徴です。

この「天日干し」という工程は、特別な設備があるからこそ可能というよりも、宮崎の気候条件を理解し、最大限に活用した結果生まれた工夫だと言えるでしょう。

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エサや稚魚はどうしている?限られた資源を大切に育てる考え方

宮崎方式のうなぎ養殖では、池の構造や水質管理だけでなく、エサや稚魚の扱いについても慎重な考え方が取られています。

与えられるエサは、うなぎの成長段階に合わせて調整され、水を汚しにくい設計が意識されています。循環式養殖では水質の安定が品質に直結するため、エサは単なる栄養補給ではなく、養殖環境全体を保つための要素として位置づけられています。

また、養殖に使われる稚魚は、現在も主に天然のシラスウナギが用いられています。完全養殖の研究は進められているものの、商業ベースではまだ限られており、限られた資源を大切に育てることが前提となっています。

宮崎方式は、効率だけを追求するのではなく、資源や環境と向き合いながら持続的に養殖を続けていくという姿勢に支えられている方法だと言えるでしょう。

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あさイチ中継の見どころと、放送後に気になる人へ

あさイチの中継では、砂利を敷いた養殖池の様子や、水の透明感、そして出荷後に池を天日干しする工程など、宮崎方式ならではの映像が紹介されると考えられます。養殖の現場を通して、うなぎがどのような環境で育てられているのかを知ることができる点が、今回の見どころのひとつです。

放送を見て「実際にどんなうなぎなのか気になる」「食べてみたい」と感じる人もいるかもしれません。番組内で具体的な購入方法まで触れられることはありませんが(NHKですから…)、宮崎市で育てられたうなぎは、生産者や専門店によってオンラインで販売されているケースもあります

髙木養鰻場

番組をきっかけに、養殖の背景や考え方を知ったうえでうなぎを味わってみるのも、ひとつの楽しみ方と言えるでしょう。

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まとめ

宮崎市で行われている「宮崎方式」のうなぎ養殖は、池底に砂利を敷いてろ過機能を持たせ、水を循環させながら育てるという独自の発想に支えられています。出荷後には池を完全に洗浄し、日照時間の長い宮崎の気候を生かして天日干しで消毒することで、清潔な養殖環境を次へとつなげています。

水質管理や池の構造だけでなく、エサや稚魚の扱いにおいても、環境や資源と向き合いながら養殖を続けていく姿勢が貫かれている点も特徴です。効率だけを追うのではなく、安定した品質と持続性を重視した取り組みが、宮崎方式の土台となっています。

あさイチ中継を通して、その現場や工夫を知ることで、うなぎ養殖の背景にある考え方や地域性がより身近に感じられるはずです。放送をきっかけに、宮崎ならではの養殖のあり方に目を向けてみるのも、ひとつの楽しみ方と言えるでしょう。

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