「インテル入ってる」に騙されてない?

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ベンチマークってなに?

サラリーマンだった頃から新商品を開発したり営業活動をしていると上司から「ベンチマークはどうなんだ?」と質問されることがよくありました。「ベンチマーク(benchmark)」とは英語で「基準」などを表す単語で、ビジネスの世界では「他社はどうなんだ?」「業界平均はどうなんだ?」といった意味で使われていました。つまり平均以下の成績だと「お前は全然頑張ってない!」と非難されるわけで、あまり聞きたくない単語でした。

営業や企画の仕事をする前はシステム開発(いわゆるIT系)にいたので、ここでいういうベンチマークとはハードウェア(機械)やソフトウェア(ソフト)の性能を評価する基準として使われていましたが、私の仕事はコンピュータを製造することではなかったので、主にソフトウェアの設計やプログラミングによる性能差を比較するときに使われていました。

そもそもシステムでは、他社のソフトと自社で開発したソフトでは目的も機能も違うので単純に比較することはできませんが、お客様や上司はトラブルが起きた時だけ犯人探しをするように「そもそもベンチマークはどうなんだ!」と怒鳴り込んでくるわけです。それは言ってみれば「カレーと唐揚げはどっちが美味しいのか?」を比べろと言うようなもので、好みの問題であって比べられるものじゃないのですが、どうしてもトラブルの犯人を見つけたい立場の人から見ればいいか悪いかの基準を決めたかったわけです。まったくもってイヤな世界ですね。

CPUの各種ベンチマーク

話は変わりますが最近、パソコンのベンチマーク比較にハマってます。ご存知のようにパソコンにはCPU(中央演算装置)やハードディスク(最近はSSD・ソリッド ステート ドライブを使うことが多いですが)、メモリ、USBなんかの部品を部品を組み合わせることで出来上がっていて、それぞれの部品にも性能差があります。例えばCPUでいえばインテルのCore i5とかCore i7なんていうのを聞いたことのある方も多いでしょう。「コアが 5つあるのがCore i5で7個なのがi7」なんていう人もいますが全然違います。これはただのシリーズ名で、トヨタのクラウンとアルファードみたいなもんです。一般に「Core i5よりCore i7の方が性能がいい」と思われていますがそれは全くアテになりません。古いCore i7より最新型のCore i 5の方が格段に性能が良かったりするわけです。それじゃあどうやって性能を比較すればいいのかというときに出てくるのが「ベンチマーク」というわけです。

今では便利なことにネットを探すとCinebenchやCrystal Disk Markといったベンチマークの計測ソフトが無料で手に入りますし、CPU性能などは同じ条件で比較したサイトなどもありますからそれを参考にすることもできます。その数字と自分のパソコンで測った数字を比較して「なんだよ遅せーな!」などと文句を言いながら遅い部品を取り替えて改造することもできるわけです。

そんなことをしなくても普通のWindowsパソコンなら「(Control)+(Alt)+(Delete)」のキーを同時に押せばWindowsに標準で入っている「タスクマネージャー」というソフトが起動しますので左側にある「パフォーマンス」タブを開けばCPUやメモリ、ディスクなどの使用状況がリアルタイムのグラフで表示されますから、それを見れば自分のパソコンのボトルネックがおおよそわかります。

もちろんベンチマークの数字だけでパソコンの性能が決まるわけではありませんが、30分かかる処理が10分で終わるようになれば少なくともイライラは少なくなるのではないでしょうか?

そんな数字を見ていると、例えば普段から使うことの多いUSBも、今まで使われることの多かったA型という長方形の端子にもUSB2.0(黒)とかUSB3.1 GEN1(青)GEN2(緑)といった規格があったり、最近ではスマホやパソコンにもよく使われるUSB-C型は黒いUSB端子の 5倍くらいのデータ転送速度があることもわかります。パソコンの内部でHDDやSSDを接続しているSATA(シリアルATA)という接続よりもM.2というメモリカードを取り付けるような規格だと理論上は6倍のスピードでデータ転送ができたりします。これの違いでパソコンの処理のスピードが格段に変わります。古いパソコンのHDDをSSDに交換したら抜群に早くなった、なんていうのもよく聞く話です。そしてこれらのテクノロジーは日進月歩なのです。

セールストークに騙されていませんか?

それでも大手量販店などに飾ってあるパソコンの前に「超高速!Intel Core i7搭載!」なんていう広告もよく見かけますが、実はあまり根拠がなかったりするわけです。古い初期型のCore i7より新型のCore i 5の方が10倍以上も性能が良かったりします。でもそんな甘いセールストークにうかうかと乗せられてしまう人のなんと多いことか。

結局、人は複雑でわかりにくいものだと理解しにくいので単純化されたブランド名や型番で判断するしかないわけです。でもそんなことでコロッと騙されてしまうのってちょっと悔しくないですか?

だから今、私はパソコンのベンチマークくらいはちょっと理解しておきたいなって思っているわけです。

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