能登半島地震で高校生のウニ商品化プロジェクトはどうなった?【あさイチ】

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こんにちは鳥巣です。4/15のあさイチでは能登の富山県氷見高校の高校生たちが、今まで厄介者にされてきたウニを養殖して商品化する取り組みを紹介しています。日本中に広がる磯焼けの被害とその原因を考えるとともに、高校生たちのウニ養殖に取り組むユニークな取り組みをご紹介します。

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全国に広がる磯焼けの被害とその原因

「磯焼け」は”海の砂漠化”とも言われていて、沿岸部の浅場にある藻場が何らかの原因でなくなってしまう現象のことです。

私が普段からダイビングで潜っている伊豆半島でも、20年ほど前には春になると海底が見えないほどに生い茂っていた海藻が、10年前にはほとんどなくなってしまいました。

磯焼けとは(長崎県五島市水産科公式サイトより)
磯焼けとは(長崎県五島市水産科公式サイトより)

磯焼けの原因は、温暖化による海水温の上昇による環境変化や藻食魚の増加による食害など色々な説がありますが、まだよくわかっていません。

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うにの身が入らない問題と廃棄野菜の活用

磯焼けによって、幼魚の隠れ家や産卵場所となっていた藻場が喪失することで生息する魚が減ってしまったり、海藻を主食とするウニの”身入り”が悪くなって商品にならない、などの漁業被害も全国的に広がっています。

またウニ自身も海藻類を好んで食べているので磯焼けの原因になっていましたが、ウニは雑食性のため磯焼けを起こしている場所でも生き延びられています。

神奈川県でも磯焼けの原因と考えられる暖海性の植食性魚種のアイゴと、在来種のムラサキウニの除去を行ってきましたが、駆除したムラサキウニは海藻を食べられないので、ほとんど中身が入っておらず廃棄されていました。

そこで神奈川県の水産技術センターでは、駆除する予定のウニに様々な食材を与えて養殖することにしました。中でも春先に生産される名産の「三浦キャベツ」の出荷できない流通規格外品を与えたところ、身が大きくなり、しかも甘くて苦みや臭みが無く、さらに臭みが無く美味しくなることを発見しました。

野菜だけで育てるウニの養殖は全国初の取組です。これによって磯焼けの原因であるムラサキウニと、規格外で流通しないキャベツの有効利用による、新たな地域産品を創出する可能性がでてきました。

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そこで富山県立氷見高校海洋科学科でも、昨年度からこのウニを捕獲して野菜や昆布などを与えて育て、食品として商品化に取り組んでいます。

藻場の海藻を食い荒らし、商品価値となる食用部分が少ない状態で大量発生する「磯焼けウニ」が富山湾でも大きな問題となっています。

「地元で廃棄されるはずの規格外野菜をエサに与えて育てれば、駆除されるはずのウニを商品化できるのでは?」と高校生たちは2023年4月に取り組みを始めたました。週に一度、200匹のウニを集めては実験を行っています。

ウニを採集する氷見高校の生徒たち(「海と日本 in 富山」サイトより)
ウニを採集する氷見高校の生徒たち(「海と日本 in 富山」サイトより)

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最初は相手にしていなかった漁師さんたちも、頑張る高校生たちを見て、「こんなにうまく育つなら」と漁協ぐるみで協力してくれるようになりました。

ウニの畜養(「海と日本 in 富山」サイトより)
ウニの畜養(「海と日本 in 富山」サイトより)

ところが2024年1月1日の能登半島地震で大きな被害が出て、ウニの商品化も道半ばで途切れそうになってしまいます。

しかしこの取り組みを新3年生に受け継ごうと、氷見市の県栽培漁業センターで3年生9人が育ててきたウニの重さや大きさを測定したり殻を割って見た目や味を確かめたりしました。形が崩れたウニのソース利用などを新3年生に引き継いでいくそうです。

生徒たちは昨年度から、農家から廃棄予定の野菜をえさとして譲り受けていて、トマトやキャベツをウニに与えていました。

男子生徒は、「ストレスを与えないようにして、美味しいウニに育てることで食べる人に喜んでほしい。またウニが減って海の環境がよくなれば、多くの人に喜んでもらえると思う」と話していました。

野菜を提供する農家さんは、「ウニは甘くておいしかったです。行き場のない野菜は、加工すると金がかかるので、こうして使われるとうれしいです」と話していました。

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まとめ

全国に広がる磯焼けの被害とその原因

「磯焼け」は”海の砂漠化”とも言われていて、沿岸部の浅場にある藻場が何らかの原因でなくなってしまう現象のことです。磯焼けの原因は、温暖化による海水温の上昇による環境変化や藻食魚の増加による食害など色々な説がありますが、まだよくわかっていません。

うにの身が入らない問題と廃棄野菜の活用

磯焼け状態の海域では食べ物がないため、ウニの身はスカスカで商品価値はありません。富山県立氷見高校海洋科学科では、昨年度からこのウニを捕獲して、地元で廃棄されるはずの規格外野菜や昆布などを与えて育て、食品として商品化に取り組んでいます。

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