こんにちは鳥巣です。9月1日は防災の日です。近い将来に必ずやってくると言われている南海トラフ大地震や首都直下地震が、もし今、この瞬間に突然やってきたら、心の準備はできていますか?自宅の備えはどうですか?台風や大雨はある程度予想できますが、地震はいつもイキナリです。直前に緊急地震速報が鳴る時もありますが、それでもせいぜい10秒前です。
それでも多少の備えと心構えがあれば、急にその時がやってきても慌てることを和らげることができます。その備えと心構えについて考えてみたいと思います。
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すわ!その時の心の準備はしていますか?
日本に住んでいれば台風や大雨、地震などの自然災害は避けようがありません。大地震は”必ず防災の”にやってくる”わけではありません。いやそれ以外の日にやってくる確率の方が364倍多いのです。
たまたま、まだ災害に遭っていない地域であっても、それはいつかやってきます。「この土地に限って…」などということはありません。特に地震の場合はいきなりやってくるので心の準備が難しいです。東日本大震災の時にも、「大地震が来た→大津波が来るかもしれない」と思った人は、半分ほどしかいなかったといいます。
大地震が来た時には多くの人が、身体がこわばって頭が真っ白になり、どうしたらいいのか適切な判断が難しくなります。普段の避難訓練では、「テーブルなどの下に入って頭を守る」とか「大きな家具のそばを離れて、物が『落ちてこない・倒れてこない・移動してこない』場所に移動を!」などと教えられますが、いざという時にあなたは咄嗟の判断ですぐに行動できるでしょうか?
最優先で自分の命を守ろうとすることくらいは、必死になればできそうなものですが、どうすれば命を守れるのかはケースバイケースで、その時の状況によって常に変わってきます。
そもそも家の中にいる時と外出している時ではやるべきことも変わってくるでしょう。そのための予行演習として訓練をするわけですが、多くの場合訓練では、「どうせ訓練でしょ」と甘く考えてしまいがちです。
東日本大震災の時、私は職場のオフィスにいました。防災訓練の時には車内放送で自動音声が、「地震です!地震です!」と叫びましたが、実際に地震(震度5弱)が来た時には自動音声は全く反応せず、防災センターからアナウンスされるはずの指示は、地震発生から3時間経ってもありませんでした。年に1回は訓練していてもこんなものですから、実際にはこんなものなのでしょう。
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私はたまたま、鉄筋コンクリートのビルの4階にいたので長周期地震動のような揺れはありませんでしたが、高層ビルやマンションなどの高層階にいる時なら、家具や什器、コピー機などが転倒したり勝手に移動してくることがあるので、机の下など安全な場所で身を守ると言われます。
またエレベーターなどの中で遭ってしまったら、すぐにすべての階のボタンを押して、運よく止まったらエレベーターの外に出るのが肝心です。中に閉じ込められてしまったら、「ダイハード」や「ミッション・インポッシブル」のように、アクロバティックな活躍をしなければ外には出られなくなります。
他にも、
・慌ててガスコンロの火を消しに行かない(今は自動で元栓が遮断されます)
・建物、ブロック塀、看板などから離れる(看板やブロック塀が崩れることがあります)
などの行動を、自分一人で瞬時に判断する必要があるわけです。
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心の準備をするには対策が大事です
普段から心の中で、「今、この場で大地震が来たら…」というシミュレーション(想定訓練)をしていても、できることなら家具やコピー機などが勝手に移動しにくくなるように工夫しておくことも大切です。
先日の自治体の調査結果を見ていたら、家具の転倒防止の備えをしている家は、全体の3割もありませんでした。我が家では、転倒するかもしない家具には、すべて転倒防止のつっかえ棒やネジで壁に固定してあります。そして年に1回(だいたい防災の日のころ)はちゃんと固定できているかを点検しています。東日本大震災の後では、固定していたつっかえ棒があちこちで緩んでしまっていたからです。(でも家具は倒れませんでした)
こうしたことを時間のある時にちょっとやっておけば、いざ地震が来たその瞬間にやるべきことが減って、ひいてはケガを減らすことにもなります。倒れてくる家具から逃げ回ったりしなくて済むだけでも、いいと思いませんか?
そして地震で揺れている間をなんとかやり過ごすことができれば一段落ですね。棚から落ちたものが割れたりして、不用意に部屋の中を歩き回るとケガをするかもしれないので、あまりにも室内が荒れてしまっているようなら、スリッパではなく靴を履いた方がいいかもしれません。
そしてこの瞬間から、電気・ガス・水道・ネット(携帯電話)回線は使えなくなっているかもしれません。仮にまだ使えたとしても、すぐに使えなくなるかもしれません。ここからは、地震の揺れによる直接の被害ではなく、これからしばらくの間の生活をするための備えです。
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水の備蓄
まずは「水」でしょう。長期間、水がなければ健康な人でも生命に関わります。断水しても給水者がすぐに来てくれるわけではありません。何日分かの飲料水は絶対に備蓄しておかなければ大変です。我が家では家族全員の1週間分の飲み水を備蓄してありますが、地震で容器が壊れて飲めなくなっているかもしれません。だから2リットルくらいの容器に小分けにして家の中に分散して保存しています。こうすれば一気に全部がダメになってしまう可能性は減らせます。
風呂・トイレの問題
水がダメならお風呂やトイレも使えなくなります。2〜3日ならお風呂に入らなくても死ぬことはありませんが、せめて体を拭けるウェットティッシュのようなものがあれば助かりますよね。お風呂に入れる時が来るまでは、これで我慢するほかないでしょう。
でもお風呂は我慢できても、トイレはいつまでも我慢できるものではありません。今ではほとんどの家が水洗トイレでしょうから、用を足しても水がなければ流すことができません。トイレの水に飲料水を使ってしまうのはあまりにも勿体無いですよね。でも仮に浴槽に水を溜めていたとしても、洗濯や食器洗い用にも使いますから、おそらくはあっという間になくなってしまいます。
そこで考えられるのは「水を使わない非常用トイレ」です。トイレの便器の上にビニール袋を被せて、その中に用を足すわけです。袋の中には消臭剤と凝固剤を入れておいて、数回に一度、交換するわけです。多少は臭うでしょうが、これも非常時なら致し方ないのではないでしょうか。用を足せるだけでもありがたいと思わないとバチが当たります(苦笑) この時も便器にはあらかじめゴミ袋などを被せてから、非常用トイレの袋を被せないと、交換するたびにトイレに溜まっている水で、周りがびちゃびちゃになってしまいます。
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食料と調理の問題
水、風呂・トイレときたので、次は食事の問題です。いざとなれば人間、1食や2食食べなくても死にはしませんが、何日も食べられないとお腹は減りますし、精神的にも弱ってきます。封を開ければそのまま食べられるレトルトは便利ですが、普段からそんなにたくさん備蓄しておくのも大変です。せめて火が使えればインスタントの袋麺やうどん・そば、パックのご飯など、普段から家に在庫しているもので温かいご飯も食べられますし、鍋があればご飯を炊くこともできます。
そこで用意しておきたいのはカセットコンロとガス・カートリッジです。これがあれば停電やガスが止まっている時でも、お湯を沸かすこともできますので、強力なアイテムです。我が家ではキャンプ用にカセットコンロが1つと、ハイキング用にコンパクト・コンロが1つあります。どちらもそんなに高価なものではないので、用意しておいた方がいいでしょう。
また食事をする時にも、その都度、食器を洗うのに水を使うと勿体無いので、食器の上にラップなどを被せて、洗わずにラップだけ捨てる方が水を節約できると思います。また浴槽に水を溜めていれば、下洗いには浴槽の水、仕上げには少量の飲料水を使えば、飲料水の節約にもなります。まぁちょっとくらい浴槽の水を飲んだところで、すぐにお腹を壊すものではありませんけどね。
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電気の問題
昭和の時代なら、停電しても電灯や冷蔵庫が使えないくらいで、半日くらいなら何とかなったものですが、今ではスマホなどの機械が使えなくなると、大切な情報すら手に入らない時代です。スマホのバッテリーなどは1日もすれば空っぽになってしまいますから、モバイルバッテリーなどを使っている方もいらっしゃるでしょう。
ただ、モバイルバッテリーも容量にもよりますが、スマホ1回分の充電をすれば、ほぼなくなってしまいます。また停電が長期間にわたるとなれば、冷蔵庫の食品を使い切るまでは冷やしておきたいものです。そこで強力なアイテムになるのが「ポータブル電源」です。最近のキャンプブームですでにお使いになっている方も多いと思いますが、中容量(バッテリー容量1,000Wh)程度のものでも、大型冷蔵庫を4〜5時間駆動させられます。スマホなら10回以上充電できます。
ただ、”ポータブル”とはいっても、重量は10kg以上ありますから、簡単に持ち運べるわけではないんですね。あくまで車でキャンプに行ったり、災害時に部屋の中で使う感じです。価格も5〜15万円くらいしますので、決して安いものではありません。でもマンションのベランダや家の庭でガソリン発電機を使うことを考えれば、騒音や排気ガスの心配もありません。
他にも準備しておけば便利なものはたくさんありますが、私たちの生活はほとんどが”平常時”です。非常時のために普段の生活を犠牲にしてしまうのは、あまりお勧めしません。でも最低限の対策をしておけば、災害時の心の準備になることは間違いありません。
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災害は一つだけやってくるとは限りません
そして忘れがちなのが、「災害は、一つだけやってくる保証はない」ということです。例えば最近は梅雨時期から夏場にかけて大雨による豪雨災害や土砂災害が各地で頻発しています。内水氾濫で家が水に浸かったり、家の裏の斜面が崩れて家が押し潰されたり、平らな土地でも山の近くでも、絶対に安全なところは日本にはありません。
そんな災害が起きていようが、地震は構わずにやってきます。「台風が来ているから地震は来ない」なんていうことはありません。不公平なようですが、災害はいつどこで起きても不思議ではないわけです。
ただテレビなどに出演している災害の専門家の方は、どういうわけか”縦割り”の方が多くて、台風の時はこういう対策、地震の時はこういう対策といった、非常に部分的なことしか仰らないことが多いんですね。
でも私たちはどんな災害が来ても対応しなければいけないので、台風だけ、土砂崩れだけ、地震だけを考えればいいというわけにはいきませんよね。いってみれば全方位的な準備と対策、そして心構えが必要になるわけです。そうすると最終的には災害への対策は「サバイバルへの備え」になります。
先日、NHKのあさイチという番組で、お笑い芸人の白鳥久美子(たんぽぽ)さんと同じくお笑い芸人のチェリー吉武さん夫婦が、災害に遭ってしまったという想定で、自宅でサバイバル生活をするという特集をやっていました。すると、準備していたはずのものが使えなかったり、心構えをしていなかったがために大失敗して状況を悪化させてしまう、ということが頻発していました。以下に記事のリンクを貼っておきます。
「防災対策を実践してみると想定外が次々と 白鳥家のサバイバル体験」
そうならないためにも、「今、大地震が来たら自分はどうする?」という心構えを、常に持って生活することが、災害時に自分の命や生活を守り、周りの人を手助けするために、大切なことなんだということがわかってくるのではないかと思うのです。いかがでしょうか?
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近いうちに必ずやってくる大地震への備えのまとめ
すわ!その時の心の準備はしていますか?
大地震が来た時には、何をすればいいのか適切な判断が難しくなります。いざという時にあなたは咄嗟の判断ですぐに行動できるでしょうか?最優先で自分の命を守ろうとすることくらいは、必死になればできそうなものですが、どうすれば命を守れるのかはケースバイケースで、その時の状況によって常に変わってきます。
心の準備をするには対策が大事です
普段から心の中で、「今、この場で大地震が来たら…」というシミュレーション(想定訓練)をして被害が大きくならないような工夫しておくことが大切です。そうしたことを時間のある時にやっておけば、いざというときにやるべきことを減らすことができるのです。
災害は一つだけやってくるとは限りません
そんな災害が起きていようが、地震は構わずにやってきます。「台風が来ているから地震は来ない」なんていうことはありません。不公平なようですが、災害はいつどこで起きても不思議ではないわけです。台風だけ、土砂崩れだけ、地震だけに備えればいいというわけにはいきません。そうすると災害への対策は最終的には「サバイバルへの備え」になるわけです。