こんにちは鳥巣です。11/13のあさイチでは、滋賀県の彦根市から「ひこねスーパーカロム」が中継されるようですが、カロムっていうゲームはご存じでしょうか?不勉強な私は今回初めて聞きました。彦根市では”一家に一つはある”というほどポピュラーなご当地ボードゲームらしいのですが、私は全く知りませんでした。そんなボードゲームを体育館でやるゲームにしたのが「ひこねスーパーカロム」なんだそうです。
「カロム」ってなに?どうやって遊ぶの?ルールは?
キャロム(カロム)は世界中で親しまれてきたボードゲームだそうです。日本では「クランプボール」という名前でも紹介されているそうです。そして、滋賀県彦根市では、カロムが「一家に一台」といわれるほど、伝統的に楽しまれているのだそうです。その様子は、2013年6月6日に放送された組「あさイチ」でも紹介されていたのだそうですが、私は覚えていませんでした。簡単に言えば、”おはじきビリヤード”というようなゲームで、シングルス(1対1)かダブルス(2対2)で対戦します。
【基本的なルール】
- 準備として、盤面のセンターサークルに赤と緑のパックを交互に並べて、中央のジャックスポットにジャック(最終的な的玉)を置きます。
- 緑と赤のパックは自分と相手の持ち球です。自分のストライカー(手玉)を指で弾いて赤や緑のパックに当てて、盤面のコーナーに設けられた穴に自分の色のパックを落としていきます。
- 自分がパックを弾いて、自分の色のパックが1つでもコーナーに入れば成功です。続けてストライカーを弾く権利が与えられます。
- 最終的に自分のパックを全部落とした後に、盤上に1つだけあるジャックをポケットに早く入れた方が勝ちになります。
ゲームの盤面は次のようなものです。
盤面の説明は下の通りです。
【打つ順番は?】
最初に全員でじゃんけんをして、一番勝った人(勝ったペア)が赤(先攻)のストライカーを持ちます。2人の場合は交互に、4人の場合は、勝った人から順に時計まわりに打ちます。
【ペナルティーとは?】
打った手玉がコーナーポケットに入ってしまったり、自分のパックがまだ盤上に残っているのに、ジャックをポケットに入れてしまったりするとペナルティーになり、ペナルティーに応じて、それまでに自分が入れた自分のパックを盤上に戻したりしなくてはいけません。(ペナルティーの詳細は後述)
【打ち方は?】
どちらか一方の手の1本、または2本の指を使ってストライカーを弾くように打ちます。 この時、手が他のパックにさわったり、身体を他の人が座っている所まで移動させて打ってはいけません。
【ゲームの進行は?】
いちばん初めは、ストライカー(打者)は盤上にあるティースポットから打ちます。 2回目以降は、盤上に描かれた自分のエリアライン上にストライカーを置いて打ちます。また、自分の順番が回ってくるまではストライカーを盤の上に置いてはいけません。
これがカルムの基本的なルールですが、他にも”パックなどが盤外に飛び出した場合”など、細かいルールが決められているようです。なかなか複雑ですね。
失敗とペナルティーの例
失敗の例 | ペナルティ点数 | |
A | ストライカーが入ったとき | ー 1 |
B | 自分のパックが全部入っていないのに、 ジャックをポケットに入れてしまったとき | ー5 + ジャックを元に戻す |
C | 盤の外に飛び出したとき a.ストライカー | ー1 |
b.自分のパック c.相手のパック | 出たパックを ジャックスポットへ戻す | |
d.ジャック | ー5 + ジャックをジャックスポットへ戻す | |
D | A、B、C-a,C-dの時に同時に 自分のパックもポケットに入ったとき | 失敗なので ジャックスポットへ戻す |
E | C-aの状態で、相手のパックがポケットに入ったとき | ー1 (相手のパックはそのまま) |
これを体育館の床で行うようにしたのが「ひこねスーパーカルム」です。
ひこねスーパーカロムとは?
「ひこねスーパーカロム」は、彦根市体育指導委員協議会(現 彦根市スポーツ推進委員協議会)が平成14年度~平成15年度に約1年間かけて開発した彦根発のニュースポーツ・レクリエーションです。 彦根の生涯スポーツの振興をねらいとして、古くから伝わる彦根の代表的ゲームであるカロムに着眼して、作り出したスポーツです。
ルールは、カロムの大型判です。ただし、体育館等のフロアを利用するため、特別なルールがあります。バドミントンコート半分を使用し、1 チーム4人で構成しての対戦型ゲームです。
ただストライカー(手玉)やパック(ターゲットになるもの)は大きくて指では弾けないので、腕を使って狙います。体育館で行うスーパーカロムでは、2人1組のチームが対戦する4人で行うゲームになっています。
なぜ彦根でカロムが盛んなの?その歴史は?
あなたは、滋賀県彦根市に伝わる「カロム」というゲームをご存知でしたか?彦根市での「カロム」の認知度はほぼ100パーセントで、誰もが遊んだことのある身近なゲームですが、それ以外の地域では、その名前はほとんど知られていません。
カロムが、おはじきとビリヤードを組み合わせたようなゲームだということはすでに説明しました。ルールはビリヤードにとても似ていて、ビリヤードの原型がカロムだという説もあるほどです。
”彦根はカロムの聖地”とも言われたり、彦根市民の家なら一家に1台カロム板があるとも言われたりもするほどです。ですから彦見市民が、「なぜカロムの聖地なの?」と訊かれれば恐らく、”彦根がカロム発祥の地だから”と答えるかもしれません。
しかし、カロムが彦根が発祥というのは、実は間違いなのです。では本当の発祥地はどこなのかというと、インド発祥ともエジプト発祥とも言われており、今一つはっきりとはしていません。
その後、南アジアでポピュラーなゲームとなり、インド系移民によってヨーロッパやアメリカにも持ち込まれました。日本への伝来時期については諸説ありますが、明治末期にアメリカ人の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが日本に持ち込んで流布させたという説が有力です。(参考文献:「まるかじり!ひこね」「衝撃!!カロムの発祥は彦根でなかった?!」(https://i-hikone.com/karomu-hassyou.html))
かつては日本中で遊ばれていたカロムですが、彦根の人のほとんどは、子供の頃から将棋もオセロも”カロム”もやっていますので、小さい頃は全国区の遊びだと思っています。しかし多くの若者が生まれ育った彦根を出る大学生の頃になって県外の友達に、長浜市や滋賀県の一部でしか知られていないカロムの話をしても誰も知らず、そのとき初めてカルチャーショックを受けるといいます。
オセロゲームの原形も、戦後の1945年に、当時旧制水戸中学の生徒だった長谷川五郎さんが考案したそうですから、環境が整っていれば、簡単で魅力的なゲームほど、流行しやすいのかもしれません。その点で”カロム”は子供が遊ぶには、戦略的で複雑すぎたのかも知れません。
そんなカロムですが、彦根市で現在まで盛んに遊ばれている理由は、3つあると考えられています。
1つ目は、建築家で宣教師のウィリアム・メレル・ヴォーリズがキリスト教を布教するために来日した時に、滋賀県近江八幡市に住まい、カロムを持ち込んで地域の人と遊んで広めたからという説ですが、個人的には根拠が希薄なような気がします。その後、全国に広まるためには、宣教師一人の影響力はそんなに大きくないと思うからです。
2つ目は、昭和初期に彦根からカナダに移住した人々によって逆輸入されたという説です。移住者たちが彦根に持ち帰ったことで、ここまで広まったという話があり、カロムの研究者の中でも有力視されていますが、当時、カナダでカロムがそれほど流行っていたのかはわかりません。
3つ目は、彦根市の地場産業である仏壇作りの職人たちが、カロム盤を製造していたからという説です。かつて彦根藩の城下町であったこの地域で鎧を作っていた職人たちが、戦の少ない平和な時代にその技術を仏壇作りに応用しました。(参考文献:「ラジオ関西トピックス・ラジトピ」(『滋賀県彦根市で“エジプト発祥”のボードゲーム「カロム」が盛ん 「認知度ほぼ100%」も伝来のルーツは謎』:https://jocr.jp/raditopi/2022/02/26/414742/))
現在でも、彦根市の仏壇職人の中には、カロム盤を製造・販売している人もいますが、このボードゲーム作りに仏壇づくりほどの高度な技術が必要だったのかはやや疑問が残りますが、滋賀県では小学校や児童館、学童保育施設などに必ずと言っていいほどカロム盤があり、彦根市内では、一家に一台はカロム盤があるとも言われています。
そして現在、彦根市には「日本カロム協会」の本部があり、2024年6月30日には、第35回の日本選手権大会も行われています。
まとめ
「カロム」ってなに?どうやって遊ぶの?ルールは?
キャロムはボードゲームの一種で、世界中で親しまれてきたボードゲームだそうです。滋賀県彦根市では、カロムが「一家に一台」といわれるほど、伝統的に楽しまれているのだそうです。簡単に言えば、”おはじきビリヤード”というようなゲームで、シングルス(1対1)かダブルス(2対2)で対戦します。
ひこねスーパーカロムとは?
「ひこねスーパーカロム」は、彦根市体育指導委員協議会が平成15年度に開発した彦根発のニュースポーツ・レクリエーションです。 彦根の生涯スポーツの振興をねらいとして、古くから伝わる彦根の代表的ゲームであるカロムに着眼して、作り出したスポーツです。ルールは、カロムの大型判で、バドミントンコート半分を使用して体育館のフロアで行います。
なぜ彦根でカロムが盛んなの?その歴史は?
”彦根はカロムの聖地”とも言われたり、彦根市民の家なら一家に1台カロム板があるとも言われたりもするほどです。ですから彦見市民が、「なぜカロムの聖地なの?」と訊かれれば恐らく、”彦根がカロム発祥の地だから”と答えるかもしれません。しかし、カロムが彦根が発祥というのは、実は間違いで、インド発祥ともエジプト発祥とも言われています。そんなカロムが、彦根市で現在まで盛んに遊ばれている理由ははっきりとはわかっていませんが、かつて彦根藩の城下町であったこの地域で鎧を作っていた職人たちが、戦の少ない平和な時代にその技術を仏壇作りに応用し、それがカロムのボード作りに発展したという説が有力です。