こんにちは鳥巣です。4/11のあさイチでは米子市の陸上にある養殖フグ施設から中継されるようです。海で養殖されたトラフグは食べたことがありますが、陸上ではどうやって養殖するのでしょうか?一説では無毒のフグも養殖できるらしいので、値段や味の違いなども調べてみました。
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米子でフグの陸上養殖?!
米子市の事業の中断で休眠状態になっていた鳥取県米子市の地場産品販売施設「どんぐり館」の施設を再利用して、トラフグを陸上養殖する実証実験が進んでいます。
トラフグが成育する上で重要な水温の調節には、地下の湧き水と近くの温泉から出る排水を利用しています。養殖事業を行っている団体では、「トラフグを起爆剤に町を盛り上げたい」と意気込んでいます。
「どんぐり館」に残っている調理場でフグの有毒部位を取り除く「身欠き」をして出荷することも考えているそうです。
陸上養殖で人工的に育てたフグは、理論的に無毒化されることもわかっているため、正式に検査して許可が降りればフグの出荷にもはずみがつきそうです。
「隣の温泉施設で料理を提供できれば、フグが食べられる温泉地になる。資源を最大限活用し、地域や鳥取全体の活性化につなげたい」と意気込んでいます。
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トラフグは真水でも養殖できるの?
海水魚を淡水で養殖することは、日本でも養殖サーモンなどで普通に行われています。ブランド化されている「信州サーモン」などは海なし県・長野の名産にもなっています。
もともとサケの仲間は川で生まれてから海で生活する種類も多いので当たり前なのですが、海水魚でも淡水で養殖されている魚はいます。
魚の体の浸透圧調節の研究で、トラフグは海の魚ですが塩分が薄い場所でも生きていけることがわかっています。塩分が海の3分の1~ 4分の1くらいでも、海の魚は生きられます。
海の魚は体内より塩分が高い場所で暮らしているので、どんどん体内に入ってきてしまう塩分をエラから排出するためにエネルギーを使っています。だから、体内と同じ塩分濃度の環境では、塩分を捨てる必要がなく、エネルギーが余って大きく成長します。
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いきなりフグを真水に入れることはできないませんし、海から運ぶとなるとかなりのコストが必要になります。そこで現在利用されているのが、温泉です。
温泉にはミネラルが多く含まれており、多くの塩分が含まれている物も多くあります。そのためこの温泉を利用して、ふぐの養殖を行っているわけです。
そしてこの陸上養殖では、水質の管理ができるという利点と、海の生物が入り込まないという利点があります。水質の管理ができる事で、なんらかの原因で大量のふぐが死んでしまうということも回避する事ができます。
海の生き物や寄生虫が入り込まないということから餌などの管理もでき、そのため陸上養殖では毒のないフグの養殖が可能です。フグ毒は海の餌に含まれるテトロドトキシンという物質を、フグが体内に蓄積することで発生します。
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陸上で養殖されたフグの値段は安いの?
一般に陸上養殖されたフグは、海面養殖より生産コストは高いのですが、フグの成長速度が早いのと病気等で大量死するリスクも少なくなるので生産性は良くなります。
実験では海面養殖で60〜90%だった歩留まりが、陸上養殖では90〜95%に向上した例もあります。また飼育密度も海面飼育では0.1〜0.2%が限界なのに対して、陸上飼育では4〜8%まで増やせるというデータもあります。
陸上養殖によって高品質のトラフグが安く生産できるようになれば、高価なフグも少しは我々庶民の口に入りやすくなるかもしれません。
また、陸上養殖で使う温泉水は、体内とほぼ同じ塩分濃度なので、フグは塩分を捨てる必要がなく、エネルギーが余ります。これによって成長速度も1年で600g/年だったものが陸上では800〜1000g/年となり、より早く出荷することが可能になるわけです。
つまり全体として見ると、陸上養殖は海面養殖より飼育効率がいいといえそうです。
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陸上養殖フグと天然ふぐの味の違いは?
そして肝心のフグの味ですが、トラフグでの食味試験の結果は、味(旨み)・食感・ゼラチン質の量・におい・加熱による変化等どれを取っても海面養殖物よりも天然物に近いとの結果が出ています。
陸上養殖トラフグが完全に無毒であることを実証する事と食味試験のデータを積み重ね、陸上養殖のトラフグが食品としての品質を高く評価・認知される事によって、ブランド化が推進されるのではないでしょうか?
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陸上養殖フグのまとめ
米子でフグの陸上養殖?!
米子市の事業の中断で休眠状態になっていた地場産品販売施設の施設を再利用して、トラフグを陸上養殖する実証実験が進んでいます。トラフグが成育する上で重要な水温の調節には、地下の湧き水と近くの温泉から出る排水を利用しています。
トラフグは真水でも養殖できるの?
海水魚を淡水で養殖することは、日本でも養殖サーモンなどで普通に行われています。ブランド化されている「信州サーモン」などは海なし県・長野の名産にもなっています。いきなり海水から淡水の中に放り込むことはできませんが、時間をかけて慣らしていけば、塩分が薄い場所でも生きていけることがわかっています。塩分が海の3分の1~ 4分の1くらいでも、海の魚は生きられます。
陸上で養殖されたフグの値段は安いの?
一般に陸上養殖されたフグは、海面養殖より生産コストは高いのですが、フグの成長速度が早いのと病気等で大量死するリスクも少なくなり、歩留まりや成長速度の点で出荷に有利なため生産性は上がり、コストを下げることが可能です。
陸上養殖フグと天然ふぐの味の違いは?
肝心のフグの味ですが、トラフグでの食味試験の結果は、味(旨み)・食感・ゼラチン質の量・におい・加熱による変化等どれを取っても海面養殖物よりも天然物に近いとの結果が出ています。