あさイチ中継|ふじみ野・小塚工房から届ける“仏像アート&截金アクセサリー”のヤバい魅力とは?

伝統
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こんにちは、まさみちです。9/22の「あさイチ」中継では、埼玉・ふじみ野市にある小さな「小塚工房」から、“仏像アート&アクセサリー”が紹介されます。仏像の圧倒的な魅力に思わず息をのむ“ヤバさ”と、修復や保存をめぐる現場の厳しい“ヤバさ”――二つの「ヤバい!」を通して、この工房がいま地域で果たしている役割が見えてきます。
さらに、仏像の装飾技法「截金(きりかね)」を現代のアクセサリーへと昇華させた奥さまの小塚桃恵さん挑戦にも注目。伝統を受け継ぎながら新しい価値を生み出す、小塚工房の核心に迫ります。

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仏像の2つの”ヤバい!”ってなに?

仏像”は”ヤバい①:仏像そのものが放つ「圧倒的な存在感」

仏像はただの“彫刻”ではありません。時代をまたぎ、人々の祈りや信仰を背負ってきた存在で、その造形は一瞬で目を奪う力を持っています。細部の彫りや彩色、そして截金(きりかね)などの装飾が合わさることで、光と影が生む立体感は言葉を越えて胸に響きます。見る人が思わず息を飲む――これが最初の「ヤバさ」です。截金のような繊細な技が仏像の「表情」を深める様子は、実際の工房や美術館で見るとより鮮烈に伝わります。

日本のアニメ、マンガ、ゲームの中には、「仏像インスパイア」と思われるキャラクターが多数登場していますが、ただ仏像の歴史として、鎌倉仏を頂点に仏像彫刻は形骸化がすすみ、若者が注目して目を見張るような仏像は少なくなったような気がします。

実際には、近代にもユニークな仏像は存在しているのですが、なかなかスポットライトが当たりづらい状況ですし、直接見に行くにはお寺の敷居は高過ぎます。

(出典:HUMM)
(出典:HUMM)

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仏像”が”ヤバい②:修復・保存の現場が抱える「見えない危機」

仏像を推すだけなら仏像「は」ヤバイ で良いのですが、あえてここでは仏像「が」にしています。その理由は、今、朽ち果てていく運命の古い仏像が山のように存在していて、その現状を危惧して「仏像がヤバイ」としています。

小塚工房では仏像の修復もしていますが、お寺のご住職から「修復したい仏像はたくさんあっても先立つものがなく、なかなかそちらに予算を割くことができない」というお話をよく伺うそうです。

今の日本では檀家離れが進み財政的に厳しいお寺も多く、檀家さんに支えられているお寺は、修復を待つ仏像にも予算をかけられなくなるというわけです。

仏像の修復には専門技術と時間、そしてまとまったコストが必要で、全国の寺社や地域では「人的リソース」や「予算」が足りずに修復が後回しになるケースが少なくありません。

つまり、放っておくと文化財そのものが傷み、後世に伝える機会を失ってしまう――これが二つ目の「ヤバい!」です。

(出典:HUMM)
(出典:HUMM)

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ここで小塚工房が示す意味とは?

小塚工房のように、造仏・彩色・截金・修復を一貫して請け負える工房は地域にとって貴重です。工房が「作る」「直す」「装う」を同時に行うことで、技術の継承だけでなく、修復後の見栄えや保存のあり方まで含めたトータルな提案が可能になります。小塚工房はまさにその好例で、地域の仏像文化を守りながら、新しい表現(アクセサリーなど)への展開も行っています。読者には「美の価値」と「守る責任」の両方を感じてもらえる導入になります。

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“截金(きりかね)”アクセサリーがヤバい!

仏像を荘厳に飾る技法のひとつに「截金(きりかね)」があります。金箔や銀箔を何枚も重ね合わせ、わずか0.2ミリほどの細さにまで切りそろえ、それを文様として貼り付けていく――想像を超えるほど緻密で繊細な技です。光を受けるとキラリと輝き、見る角度によって表情を変えるこの装飾は、仏像を神秘的に際立たせる重要な要素でした。

(出典:HUMM・彫刻は小塚友彦氏・彩色は小塚桃恵氏によるもの)
(出典:HUMM・彫刻は小塚友彦氏・彩色は小塚桃恵氏によるもの)

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小塚工房では、この截金を現代の暮らしに取り入れる新しい試みが行われています。奥さまで截金・彩色師の小塚桃恵さんが手掛けるのは、耳飾りやペンダントといったアクセサリー。伝統的な仏像装飾の技を、日常で身につけられる形にアレンジしているのです。

金箔や銀箔の繊細なラインが描く幾何学模様は、シンプルなデザインの中に圧倒的な存在感を放ち、ふとした仕草で光を反射して輝きを変える――まさに“一点ものの輝き”と呼べる美しさです。

KIRIKANEのコンセプトは「見る、から手に触れる伝統工芸へ」です。特徴的なのは、飛鳥時代から続く「截金“きりかね”」という伝統技法を使用していることにあります。

截金は、焼き合わせ厚みを持たせた金箔を、細い直線状や◯△◇などの形に切り分け文様を施します。2本の筆を使い、1本の筆に金箔を巻きつけ、もう1本の筆で”ふのり”をつけながら金箔を貼り付けていきます。金箔の接着に使用されるふのりは自然素材のため強度が弱く主に仏像、仏画などの直接手に触れることのない美術品とともに発展してきました。

そこでKIRIKANEのアクセサリーは、截金の技法、表現をそのままに、耐久性を上げるため”ふのり”の代わりに漆を代用する〝漆截金〟という独自の技法から生まれました。

その繊細さから、本来は鑑賞対象であった截金ですが、耐久性を上げる独自の技法、“漆截金”によりアクセサリーへと生まれ変わりました。

(出典:HUMM)
(出典:HUMM)

仏像に使われてきた截金が、自分の耳元や首元で輝く。これまで遠い存在だった伝統文化を、もっと身近に、もっと自由に楽しめる。それが「截金アクセサリーのヤバさ」です。単なるジュエリーではなく、千年続く技法のエッセンスをまとえる――そんな特別感が、多くの人の心をつかんでいます。

小塚工房

(※工房へお越しの際には、事前のご予約をお願いします。仏像修復・製造に関するご相談をお受けしております。ただし、アポイント無しでのご訪問および一般見学はご遠慮いただいておりますので、あらかじめご了承ください。)

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まとめ~伝統と現代をつなぐ工房から~

仏像はただの「見るもの」ではなく、時間と祈りが刻まれた存在です。その造形が放つ静かな迫力と、長年受け継がれてきた技術の繊細さ――それがまず一つ目の「ヤバさ」。一方で、修復の手が足りない現実や、保存のための予算が追いつかない地域の苦労は、放っておけない二つ目の「ヤバさ」です。小塚工房の取り組みを目の当たりにすると、私たち一人ひとりが文化を「守る側」にもなれるということが見えてきます。

そして截金アクセサリーは、伝統技術の新しい着地点を示しています。仏像のために生まれた技巧が、日常の装いとして人々の生活に寄り添う。その瞬間、古と今が自然につながり、技術はただ保存されるだけでなく息を吹き返すのです。小さな工房から広がる手仕事を通して、「守る」と「活かす」が同時に進んでいる――その確かな強さを、今回の中継から感じ取ることができました。

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