台風2号の進路は? 気象庁や米軍の予想と本州への影響

BLOG
スポンサーリンク

5月になって南方海上には早くも猛烈な台風2号が発生して、現在はフィリピン東方沖を西に向かっていますが、この先の正確な進路予想はまだ難しいらしく、各国の予想では「北に進路を変えて沖縄方面に向かう」ところは概ね同じですが、その先については、南は小笠原から北は本州沿岸から首都圏あたりまで予想に含まれているようです。一部の台風オタクの間で人気のアプリ「Windy」でも6/3 9:00には沖縄・大東島周辺に到達する予想になっています。気象庁の進路予想ではここまで先の予想は出ていませんので、特に沖縄在住の人は「参考にして備えよう」という人も多くいます。もっともWindyは何度も大外れしていますからどこまで信じるかは”自己責任”です。

出典:Windyアプリ
出典:気象庁

各国も発表している台風予想

日本の台風の進路予想は気象庁だけでなく世界各国の調査機関が行っています。中でも有名なのがアメリカ軍が出している予想です。今では各国の船舶や航空機が世界中を飛び回っていますから、各国の気象台も自分の国の天気予報だけをやっていればいいというわけにもいきません。特にアメリカはグアムに海兵隊がいますし、日本や韓国にも駐留していますから北西太平洋の天気予報は重要です。下の図は米軍が出している今回の台風2号の予想進路です。日本人は欧米コンプレックスがあるので「気象庁の予報より米軍の予報の方が正確」なのではないかと思っている人も多いのですが、そんなことはありません。同じような進路予報になっていることもありますし、微妙にズレたり全くのトンチンカンなこともありますが、過去の例を見てもどちらの予報が正確ということはありません。占いのようなもので「当たるも八卦、当たらぬも八卦」です。

出典:米国海軍公式ウェブサイト(JTWC:Joint Typhoon Warning Center)

そんな情報を見ているとキリがないのですが、信頼できるかできないかに関わらず、たくさんの進路予想を一つにまとめているサイトもありますのでご紹介しておきます。

出典:GPV Weather

主な進路予想元では、JMA-GRID(緑の太線)が気象庁、JTWC(黄色の太線)がアメリカ軍、ヨーロッパ中長期予報センター(ECMWF:European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)がピンクの太線、イギリスの気象庁(UKMO:United Kingdom Met Office)が紺色の太線です。Webサイトの中には「ECMWFの情報が世界一正確」などと書いているところもありますが、まぁそんなことはありません。どこも「当たるも八卦、当たらぬも八卦」です。今回はどこも比較的似たような予想を出していますが、時には「どれを信じればいいの?」という予想が出ることもあります。下の予報は2022年8月の進路予想です。中には「南に進んで台湾に行く」と予想したところもあれば、「台湾を横切って中国大陸に行く」と予報したところもありました。結局この時は気象庁とJTWCの予想に近く、台湾の東海上まで南下した後、Uターンして北上し、宮古島を直撃した後、沖縄本島の那覇をかすめて九州西部の五島列島付近に達して朝鮮半島に向かうという進路を取りました。

出典:気象庁

余談ですが、この時私は、台風と共に羽田空港から那覇に向かい、欠航直前の便で那覇空港に着いたものの、台湾近くまで南下してUターンしてきた台風と再び那覇で遭遇。結局、那覇のホテルで3日間のカンヅメになったのでした。

教訓:台風が来てるなら出かけるな!

スポンサーリンク

本州に及ぼす影響は?

ところで今回の台風2号はどうでしょうか? 性懲りもなく、「台湾を横切って大陸に行く」予想をしているところもありますが、おそらくは八重山諸島付近を通過して沖縄本島と大東島の間くらいを通り、奄美諸島を暴風か強風に巻き込みながら伊豆諸島の方に向かう可能性が大きいのではないでしょうか。ただ今はまだ偏西風どころか西に向かって進んでいますから、どこで進路を変えてくるかによって数100キロのレベルで進路のブレはあると思われます。

それでも進路を北から東に変えてからは一気に加速して本州の南に向かうでしょうから、その時になって慌てて台風への備えをするのは遅すぎます。今回は本州の太平洋沿岸では波が高くなるでしょうから海岸沿いに住んでいる方はそれなりの対策が必要になるでしょうが、やや内陸になれば暴風ということもなさそうな気がしています。九州南部や四国南部、紀伊半島、伊豆半島、房総半島に住んでいる方は、週の後半、木曜日、金曜日の予報を見て最終的な対策をされることをお勧めします。

ただ気になるのは本州付近にある前線の雲です。台風が近づけばこの前線を刺激して局地的に大雨を降らせるかもしれません。どこで大雨になるかは前日か当日にならないと予報も出ないでしょうから、避難所への経路や非常持ち出し袋の確認くらいはしておくべきです。たとえ空振りに終わったとしてもやっておいて損はない対策です。また中国、山陰地方は地形的に花崗岩の地質で風化した岩が真砂土となって堆積している土地がたくさんあります。数年前の西日本豪雨の際も広島県や岡山県、愛媛県では大規模な土砂災害が起きて多数の犠牲者も出ました。

今回の進路では、数年前に房総半島を直撃して千葉県南部を中心に暴風の被害を出した台風19号のような被害の恐れは少ないでしょうが、これから夏、秋になればまたいつ台風に直撃されないとも限りません。自宅をリフォームするような大規模な対策ではなく、強風で飛ばされてきたものから自分を守るために、雨戸のない窓に貼る養生テープなどは前もって準備しておいた方がいいでしょう。安価なものですし場所もとりません。

今年もやってくる台風に備えておくには

前にもお話しした通り、地震と違って台風や土砂崩れ、浸水被害はある程度前もって、数日前には予想できるものです。予想できるのならやってくる前に備えておけばある程度は被害を抑えることもできます。災害に備えて水や非常食を備蓄している方も多いと思いますが、食料品などは缶詰などを除けば長期保存ができません。でも前にお話しした養生テープなどは腐るものでもありませんし何年も保管できますから、ちょっとだけでも用意しておけばいいものです。まずは簡単に始められるものから準備しましょう。たいして面倒臭いことではありません。何かのついでに買ってきて非常用品と一緒に保管しておくだけでいいのです。賞味期限を気にすることもありません。私の家では養生テープも常備していますが、養生テープにビニールシートが着いている「マスカー」というものも用意しています。窓全面に養生テープを貼るとテープが大量に必要になりますし剥がすのも大変ですが、マスカーならガラス窓の縁に貼り付けてビニールシートを広げてちょこちょこと固定するだけで窓の飛散を抑えることができます。

またいつか必ずやってくるであろう地震などの災害に備えて、非常用電源などを備えておくのもいいかもしれません。小型のものでもスマホの充電程度であれば何度も使うことができます。非常用電源が高価ならモバイルバッテリーを数個備えておくだけでも非常時には役に立ちます。USB電源対応のLEDライトなら停電時の簡易照明としても使えます。最近では家にろうそくのないところも多いでしょうし、火災予防の観点からもLEDライトは役に立ちます。

まとめ

台風がまだ遠く、南方海上にあるうちは上空の偏西風(ジェットストリーム)の影響を受けないので進路が定まらないことが多いのですが、ひとたび偏西風に乗って進路を変えて加速し始めると1〜2日のうちに沖縄付近から本州までやってくることが多いのです。その時になって慌てて準備しようと思っても、ホームセンターなどではほとんどのものが売り切れていて買うことができなかったりします。普段なら棚に山積みになっている安価な商品ですらそうなのです。ですから毎年使うかもしれない安価で長期保存しても問題のないものなら、何かのついでに早めに用意しておいた方がいいのです。安くて長持ちするものなら、たとえその時には使わなくても、またいつか使うかもしれません。どこの家にもある救急箱のようなものです。使わなければそれに越したことはありませんが、必要になった時にはすぐに使えなければ困ってしまいます。まずはできることからコツコツと準備をされてはいかがでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました