スマホにマイナカードを登録する方法を丁寧に解説

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マイナカードやマイナポータルって正直なところツカエるの?

 デジタル庁は「スマホ用電子証明書搭載サービス」として、

マイナンバーカードの保有者に対し、マイナンバーカードと同等の機能(署名用及び利用者証明用の電子証明書)を持った、スマートフォン用の電子証明書の搭載機能です。
これによってマイナンバーカードを持ち歩くことなく、スマートフォンだけで様々なマイナンバーカード関連サービスの利用や申込ができるようになります。

とHP上で発表しています。行政府の発表にもかかわらず掲載日は表示されていないためいつ発表されたのかは不明ですが、URL等からデジタル庁自身から発表されたことは間違いなさそうです。

(2023年5月)はじまります!スマホ用電子証明書搭載サービス(PDF/1,416KB)

 IT大手のGoogleも5月11日に、デジタル庁が提供するAndroid用マイナポータルアプリがアップデートされ、マイナンバーカードの電子証明書と同等の機能がサポートされるようになったと発表しました。今までスマートフォンでも「マイナポータルアプリ」をインストールすることでマイナカードの持つ機能の一部がスマホでも行えるサービスを提供してきました。もっとも従来は、スマホでマイナポータルを利用するにはマイナンバーカードに入っている「電子証明書」をスマホで読み取ってログインすること必要があったため、その場にマンナンバーカードも持っていなければ使えなかったわけです。それでもマイナポータルでできる手続きとして、

・転出届の届出・転入届の提出の来庁予定の申請
・パスポートの取得・更新等の申請
・給付金等の受取口座の登録
・マイナカードの健康保険証利用の申込み
・診療・薬剤・医療費・健診情報の確認

などがありますが、転出届や転入届が提出できるのかと思いきや、届け出るための「来庁予定の申請」だったりパスポートの発行や受取りができるようになったのかと思いきや「申請」(今でも郵送では可能)だったりと、”痒いところに手の届かない”サービスばかりで不便さは解消されていなかったわけです。昨今話題になっている健康保険証にしても私の場合は、「あなたの保険証は登録できません」と表示されるばかりで、じゃあどうしたらいいの?という質問に答えてもらうには市役所に出向いて「窓口にご相談」しなくてはなりません。政府もマイナカードの普及にはかなりご熱心なようですが、このような使い勝手の悪さではかなり難しいのではないかというのが偽らざる感想です。

スマホにマイナカードの証明書機能を搭載!

 そんな中、今回発表されたのが「スマホにマイナカードの電子証明書を搭載!」という報道です。スマホ用の電子証明書をAndroidスマホ(今回はiPhoneは対象外)に登録しておくことで、マイナンバーカードを持ち歩かなくともスマホだけで各種行政サービスがより便利に(前述の機能だけですが)利用できるようになりました。今後はマイナポータルアプリでマイナンバーカードを毎回読み取る必要がなくなり、各種情報の閲覧やオンライン申請なども可能となります。つまり最初のログイン時に「マイナカードが手元になくても大丈夫ですよ」ということですね。マイナポータルでできることは変わらないようです。

 ・Google Playストアから新しいマイナポータルアプリをダウンロードします
 ・マイナンバーカードと、マイナンバーカード用の署名用電子証明書のパスワードを
  手元に用意します
 ・マイナンバーカード読み取りに対応したスマホを用意します
  (対応する機種はこちら:
   https://faq.myna.go.jp/faq/show/7261?site_domain=default
 ・用意したスマホにマイナポータルアプリをダウンロードして起動します
 ・お使いのスマホが「スマホ用電子証明書」の搭載に対応している場合のみ
 「スマホ用電子証明書が申請できます」の画面が表示されるので
 「申請する」をタップします

「申請する」をタップした場合
「スマホ搭載でできること」画面が表示されます(「スマホ搭載」とは電子証明書を”スマホに搭載”することのようです)ので内容を確認して画面の下の方にある「登録する」をタップします

「マイページ」をタップした場合
「スマホ用電子証明書を申請する」をタップします

マイナンバーカード用署名用電子証明書のパスワードを入力します(「マイナンバーカード用署名用電子証明書のパスワード」とは、マイナンバーカードを市区町村の窓口等で受け取った際に、マイナンバーカード用署名用電子証明書に設定した半角の英大文字と数字を含む6文字から16文字までのパスワードのことです)
「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の両方にチェックを入れます。
最後に書かれてある内容を確認してから「確認しました」にチェックを入れて「申請する」をタップします

マイナンバーカードの読み取り画面が表示されるのでマイナンバーカードをスマホのカード読み取り位置にピッタリと密着させて読み取りが終わるまでしばらく待ちます

「読み取りに成功しました」と表示されたらマイナカードをスマホから離しても大丈夫です

「読み取り完了」画面が表示されたら「次へ」をタップします。

スマホ用署名用電子証明書新しいパスワードを決めて半角の英大文字と数字を含む6文字から16文字までの組み合わせで入力してください
確認のため、もう一度パスワードを入力し「次へ」ボタンをタップしてください。(スマホ用署名用電子証明書の新しいパスワードとは、ご自身のスマートフォンに登録した署名用電子証明書に設定する半角の英大文字と数字を含む6文字から16文字までのパスワードのことです。電子申請などを行う際に必要となりますので忘れないように必ず控えておいてください


スマホ用利用者証明用電子証明書新しいパスワードを数字4桁で入力してください。確認のため、もう一度数字4桁のパスワードを入力して「次へ」ボタンをタップしてください
スマホ用利用者証明用電子証明書のパスワードとは、ご自身のスマートフォンに登録した利用者証明用電子証明書に設定する4桁の数字のパスワードのことです。マイナポータルのインターネットのウェブサイト等にログインする際に必要となりますので絶対に忘れないように必ず控えておいてください

この画面が出ればスマホ用電子証明書の利用申請の完了です。お疲れさまでした

利用申請完了後、プッシュ通知が届くので、マイナポータルアプリから利用登録を行ってください
(2種類あるスマホ用電子証明書のうち、片方のスマホ用電子証明書のみを利用申請した場合、
利用申請しなかったもう片方のスマホ用電子証明書の利用申請はマイナポータルアプリのマイページ
より行うことができます)

以上で申請作業は終了です。しばらくするとプッシュ通知(メールなど)が届くので(19:30以降の申請の場合は翌日になります)もう一度マイナポータルにログインして利用登録を行なってください。万事が”お役所仕事”なので万事がスローモーですから気長にお待ちください。

なおこれらの電子証明書は複数台のスマホに同時搭載はできず、最新の証明書のみが有効(=古い証明書は自動的に失効)になる仕組みとのことです。

実物のマイナンバーカードでできる手続きすべてが可能となるわけではありませんが、ログインにマイナンバーカードが必要なくなっただけ便利となるはずです。どれだけ効果があるのかわかりませんが、ちょっとでも進歩しているということで理解してあげるといいのではないでしょうか?

もっとも各種証明書のコンビニ端末での誤発行問題で退化している面も否めませんが…。

スマホだけでできることはある?

 ”鳴物入り”(?)で発表された今回のスマホ用電子証明書ですが、現時点でマイナポータルで行えることが増えるわけではなさそうです。マイナカードなしでマイナポータルにログインできるようになったくらいでしょうか?

普段からマイナカードを持ち歩いている方がどれくらいいるのかわかりませんが、住民票や戸籍を毎日のようにコンビニで発行してもらいたいという方はあまりいらっしゃらないでしょうし、パスポートの申請や更新も5年か10年に1度ですからキャッシュレス決済や交通系ICカードのように家に忘れてきたからといってすぐに困ってしまうものでもなさそうです。当面は先述したように、

・転出届の届出・転入届の提出の来庁予定の申請
・パスポートの取得・更新等の申請
・給付金等の受取口座の登録
・マイナカードの健康保険証利用の申込み
・診療・薬剤・医療費・健診情報の確認

に加えて最近は徐々に取り扱い医療機関も増えてきた健康保険証としての利用になるのでしょうか?
期待しすぎて失望なんてことにならなければいいのですが、今までも随分と失望させられることが多かったのでそのあたりは皆さんも慣れてきてはいるのではないでしょうか?

セキュリティはどうなの? スマホを紛失したらどうなるの?

 気になるのは安全性の問題です。曲がりなりにもスマホの中に「証明書」が入るのですから紛失や盗難、置き忘れ、機種変更などで情報がダダ漏れになってしまったら危険です。

基本的には電子証明書に格納されている情報はマイナポータルアプリからしかアクセスできないようになっているので、第3者が開発したアプリから勝手に吸い上げられてしまうことはなさそうです。また情報を不正に取得しようとした場合には自動的に情報を削除する機能を備えているようですから見えない部分で情報が流出してしまうことはなさそうです。また各電子証明書ごとに情報は暗証番号(パスワード)で保護されているので、仮に紛失したとしてもそれを拾った第3者は暗証番号を知らなければ本人になりすますことはできず、暗証番号も一定回数以上間違えるとロックされるようになっています。

 もっともパスワードのみによるロックは最近ではかなり信頼性が低くなっているため、ネット関係の各社や銀行・金融系などでは2段階認証を用いるなどセキュリティに配慮した作りになっています。この辺りをデジタル庁がどのように対処していくのかこの先の展開が気になるところです。万一、スマホを紛失してしまった場合はマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178:平日9時30分から20時まで、土日祝日9時30分から17時30分まで)へ連絡し、スマホ用電子証明書の利用を一時停止することになります。電子証明書の一時停止後もスマホが手元に戻ってこない場合にはマイナポータルアプリの操作マニュアルに従って失効手続きを行う必要がります。

 またスマホの機種変更などで手放す際には、自分自身でスマホに格納された電子証明書を失効したり利用停止にする必要があります。この辺りは携帯ショップなどでどのような対応になるのかはまだわかりませんが、下取り・転売などする際に確実に証明書を削除できる仕組みが一般的になっていくことを期待します。

まとめ

 今回はAndroid端末だけの対応になっていますが、国内では一定の利用者がいるiPhoneへの対応も急がれます。しかしAndroid端末とiOSではデータの管理方法などが異なるためすぐの対応が困難とされています。ただマイナカードの普及をさらに推進したい国としては前向きに検討しており、2022年12月にAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が訪日した際も岸田文雄首相が、iPhoneでもスマホ用電子証明書を利用可能にできるようにして欲しいと要請しました。

 もっとも現状のマイナカードの機能はまだまだ生活に密着しているとは言えず、コロナ禍でのワクチン接種証明書の提示で、忘れかけていたマイナポータルアプリを思い出した方も多く、さらに生活に密着した用途が増えない限りは、今回の電子証明書の搭載もそのうちに忘れられかねないものになってしまうかもしれません。

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