こんにちは鳥巣です。12/5のあさイチでは、北海道からブリの飯寿司(いずし)が中継されるようです。ブリは比較的暖かい海を好む魚で、かつて北海道ではほとんど獲れませんでした。しかし最近では地球温暖化の影響のせいか、北海道のブリの漁獲量は、2022年で約9,600トンと長崎県に次いで全国2位でした。しかも2020年、2021年には全国1位を記録しており、ここ数年は日本でのブリの漁獲量の上位を占めています。そんな北海道では、ブリの飯寿司が盛んに作られているようです。
飯寿司ってなに?なれずしとはどう違うの?
琵琶湖の鮒ずしは”なれずし”ですが、飯寿司は低温で発酵させるため、新潟県北部から東北、北海道で発達したようです。なれずしの一種に飯寿司(いずし)があって、新潟県の村上市に古くから伝わる郷土料理です。サケの薄切りと数の子、人参、大根、ハラコ、氷頭、柚子をごはんと麹に漬け込んで発酵させます。
なれずしは、魚と米飯を長期間漬け込んで乳酸発酵させることで酸味を生み、風味が付与されます。冷蔵庫のない時代、魚を長期保存するための知恵として生まれました。
一方の飯寿司は、魚と米飯に麹を添加することで発酵を促進する方法で、低温で発酵させる必要があります。そこで北海道から東北にかけて、冬の寒い時季に盛んに作られています。使用する魚によって脂のコクが変わり、熱を加えないため素材本来の味わいが残ります。
琵琶湖特産の「鮒ずし」は、琵琶湖固有種の「ニゴロブナ」と米を漬け込んで、半年から1年程度熟成させたなれずしです。
ブリの”なれずし”というと、北陸地方でブリとカブを原料に仕込んだ、伝統的な郷土料理があるので、ブリを飯寿司にしても美味しいだろうと考えて、昨年から作り始めたそうです。
東北から北海道では、古くから郷土料理としての飯寿司が作られてきましたが、代表的なのは、ホッケやサケ、ハタハタ、ニシン、サンマです。しかし近年、北海道をはじめとしてサケやサンマの記録的な不漁が続いていて、その代わりに水揚げが増えているのがブリなんだそうです。
今後も北海道内でブリの豊漁が続けば、いずれ「ブリの飯寿司」が家庭の食卓に並ぶようになるかもしれません。
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北海道ではどれくらいブリが獲れるようになったの?
ブリがほとんど獲れなかった北海道で、数年前から”サケよりもブリの方が水揚げが多い”状態が続いていたのだそうです。しかし北海道の人は、もともとブリを食べる習慣がなかったので、なかなか売れずに困っていたそうです。
でも北海道には古くからホッケやサケ、サンマなどのいろいろな魚で飯寿司を作る習慣があったので近年、多く獲れるようになったブリを飯寿司にしたわけです。
北海道では、釧路市、北見市、石狩市、沙流郡日高町などでブリが釣れる釣り船が多く、石狩新港、厚賀漁港、釧路港、常呂漁港などの広い地域の漁港が有名です。
サケの水揚げで知られる北海道東部の羅臼漁港では、10年ほど前からブリの漁獲が増加し、羅臼漁協がブランド化したといいます。ブリは9月から獲れ始めて、10~11月が中心ですが、近年では6月下旬から獲れ始めるようになったといいます。
ブリは長崎県など温暖な地域での漁獲が多かったのですが、北海道ではこの10年で急増して、2020年には全国トップになりました。ブリといえば、富山の寒ブリが知られていますが、羅臼では、「以前は定置網にたまにひっかかる程度だった。冬場のブリは富山の寒ブリにも負けない。今の時期もさっぱりとしておいしい」と期待をしているそうです。
当初は年間500トンほどでしたが、2023年には1400トンにまで急増し、北海道全体でも漁獲量は伸びています。農林水産省の統計によると、ブリ類は2003年には300トン程度でしたが、2020年には全国トップの1万5300トンにも上りました。
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まとめ
飯寿司ってなに?なれずしとはどう違うの?
琵琶湖の鮒ずしは”なれずし”ですが、なれずしの一種である”飯寿司”は低温で発酵させるため、新潟県北部から東北、北海道で発達したようです。なれずしは、魚と米飯を長期間漬け込んで乳酸発酵させることで酸味を生み、風味が付与されますが、一方の飯寿司は、魚と米飯に麹を添加することで短期間で発酵を促進する方法で、低温で発酵させる必要があります。使用する魚によって脂のコクが変わり、熱を加えないため素材本来の味わいが残ります。
北海道ではどれくらいブリが獲れるようになったの?
ブリは長崎県など温暖な地域での漁獲が多かったのですが、北海道ではこの10年で急増して、2020年には全国トップになりました。当初は年間500トン程度でしたが、2023年には1400トンにまで急増し、農林水産省の統計によると、ブリ類は2003年には300トン程度だったものが、2020年には1万5300トンにも上りました。