ついにApple Vision Proが発表！
米・Appleは2023年6月5日にWWDC23（世界開発者会議）で、複合現実（AR）を実現するヘッドセット「Vison Pro」を発表しました。開発に7年を要したというVison Proの価格は3499ドル（1ドル＝140円換算で、約49万円）と値段もビックリの製品です。
従来のVR（仮想現実）を実現するヘッドセットとは違って、スキーのゴーグルのように外界が透けて見えるような作りになっています。VRではアバター（自分の分身）を仮想空間上に置いて、他の人のアバターと会話したり共同作業することができるもので、有名なところではMeta（旧Facebook）が運営するメタバースがあります。
新しいデバイスは仮想と外界を融合する複合現実の世界
今回発表されたヘッドセットは、ユーザーと外界の関わり方を変えようとするもので、VRとARを合わせた複合現実の世界で、現実世界の視界の中でメッセージや情報を受け取ることができるようになっています。実際に他の人がヘッドセットに近づくとユーザーの目が外側から見えるようになっています。
また従来のVRヘッドセットでは両手にコントローラーを持つ必要がありましたが、Vison Proではヘッドセット内外に仕込まれた多数のセンサー（12個のカメラと6個のマイク）がユーザーの視線を追尾して”視線で操作”したり、ヘッドセットの下面のセンサーでユーザーの手指の動きを感知して操作することも可能になっています。
Appleは初年度販売数を約90万台と見込んでいます。もちろんiPhoneに比べれば微々たるものですが、この程度の価格であれば市場でもかなりのシェアを得られるのではないでしょうか？ もっとも私にとっては高嶺の花ですが…。
OSもチップも新開発のVisionOSとR1チップを採用
OSにはVisonOSというVison用に新たに開発したOSで、従来のiOSやMacOSとは一線を画しています。チップセットもMacに搭載されているM2の他に、超遅延のR1チップという新型チップも搭載されます。コレはもうiPhoneなどのガジェットとは違って、Macなどのパソコンに代わるデバイスを目指しているのかもしれません。
電源は本体と繋がれたケーブルでバッテリーパックと接続されていて、バッテリーの容量は約2時間で、バッテリーパックに充電しながらの使用も可能です。バッテリーパックにはUSB-C端子があって、ここから充電が可能です。
米国での販売は2024年の初頭とされていて、まだ日本での販売や価格は未定ですが、2024年後半には販売される見通しだといいます。
Apple Visionはイノベーションになるのか？
Appleにとっては2015年に発表したApple Watch以来の新製品分野への進出になり、この先の展開に注目が集まりますが、Apple Watchも他社製品の進出を促したように、新しいデバイスがまた新潮流になる日が来るかもしれません。
消費者はますます高額となるスマートフォンをいまだに購入し続けていますが、Vision ProはAppleにとって最大級の挑戦と言えるかもしれません。近いうち、スマートフォンの代わりにApple Visonを装着した人が街中で見られる日が来るのでしょうか？