こんにちは鳥巣です。10/7のあさイチでは山口県下関の水族館から、広島局の佐藤茉那(さとう まな)アナウンサーがマンボウをリポートしてくれるようです。マンボウは,フグ目マンボウ科の最大で全長3.3メートル,体重2~3トンにもなる独特の体型で世界最大の硬骨魚です。フグの街・下関にふさわしい魚かもしれません。マンボウは普段の生きている姿をなかなか見られないので、謎が多いと思われている魚です。市立しものせき水族館「海響館」では、そんなマンボウをなんと2,476日の間、水槽で飼育していたというのですから驚きです。
マンボウの都市伝説とは?
私がダイビングをしている東伊豆の海では、ダイビングのエントリーポイントの近くの海底に、マンボウの半身になった死体が捨てられていることがあります。これは近くの定置網に入ったマンボウを、漁師さんが船の上で捌いて、食べられる部分だけ取って、残りを海に捨てたものです。生きて泳いでいる姿も伊豆の海で一度だけ見たことがありますが、海の中で見るマンボウの大きさには驚かされたものです。
下関の海響館のマンボウは、2017年4月25日に、高知県以布利大敷組合から搬入されたものでした。7年近くも水槽で飼育されていましたが、今年(2024年)2月4日に死亡しました。死因は感染症だったそうです。
国内でのマンボウの最長飼育記録は、千葉県の鴨川シーワールドの2,993日(8年2カ月)だといいますから、これに迫る記録だったと言えます。
搬入時には90㎝程度の大きさでしたが、2023年4月には161㎝にまで成長しました。昨年の秋ごろから食欲低下など体調を崩すことが多くなり、投薬治療を行ってきましたが、残念ながら2月4日14:15に死亡しました。捕獲されたときに既に90センチもあったので、生存期間は7年近くに及ぶかもしれません。
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それでもこの飼育期間の間に、マンボウの知らなかった生態や飼育についてのノウハウなど、多くの成果を残してくれたことに感謝は尽きません。
海響館としても約6年9ヶ月と歴代最長の飼育期間となり、今後のマンボウ飼育やマンボウの研究につながる多くのことを残してくれました。
マンボウは海水魚の中でもその見た目から非常に人気のある魚で、さまざまな噂話がありますが、その多くは誤った情報なのだそうです。たとえば、
マンボウは一度に3億個の卵を産むの?
マンボウは約3億個の卵を産みますが産んだ卵を守ることはしません
ですからそのほとんどは食べられてしまいます。
(ひゃくひろと呼ばれる)マンボウの腸は本当に100尋(約180m)もあるの?
実際に漁師さんから分けてもらって計ったら20mくらいだったそうです
※マンボウは胃を持たない魚なので、この長い腸で消化しているようです。でもひゃくひろは盛りすぎですね。
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湯引きして食べた方がいらっしゃいましたが、さほど美味しいものではなかったそうです。ただ年配の漁師さんの中には好んで食べる方がいらっしゃるそうです。
マンボウは泳いでいて水槽の壁にぶつかると死んじゃうの?
マンボウは小回りが利かないので水槽の壁にぶつかってケガをしてしまうことがあるそうです
※水族館ではマンボウ水槽の中にビニールフェンスなどを張ってぶつからないように工夫をしているそうです
マンボウはケガをすると死んじゃうの?
マンボウは繊細でストレスに弱い魚です。傷口から細菌などが入って死んでしまうこともあります
※マンボウの体は硬いわりには衝撃に弱く、水槽の壁などにぶつかってケガをしてしまうこともあります
マンボウは触るだけで死んじゃうの?
マンボウはストレスに弱い魚なので、触られただけでもストレスで体調を崩してしまうことがあります
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そんな飼育が難しいマンボウを、6年9か月も飼育していたなんて素晴らしいことです。今では他にもマンボウを飼育している水族館は全国にたくさんありますが、飼育員さんの愛情がなければ、長生きさせることは難しいでしょう。
高知県にあった足摺海洋館でもマンボウの長期飼育に励んでいた1990年代、飼育の記録は971日が最高だったといいます。今では1000日を超える記録も普通ですが、それと比べても2,476日という記録は素晴らしいものです。
市立しものせき水族館では特別企画展として、「真・マンボウ展~マンボウにカンドウ~」 を2024(令和6)年7月6日(土曜日)~10月27日(日曜日)まで、海響館・1階のイベントホールで開催しているそうです。
市立しものせき水族館 海響館
- 山口県下関市あるかぽーと6番1号
- TEL:083-228-1100
- 営業時間:9:30~17:30
- 休館日:なし
- URL:https://www.kaikyokan.com/